王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

中ロ 国境画定

2008-07-25 10:06:39 | 中国関連
露、領土の一部を「割譲」 中国との国境画定(産経新聞) - goo ニュース

以前から興味を持って見守っていた中ロ国境交渉がまとまり7月21日北京で両国外相により合意文章に調印がされた。
2004年秋の合意について
このブログで朝日の記事の話を書いた。
大筋はそれで決まりあとは両国で国会の批准を受ける必要があった。
勿論合意は今回紹介されている方が正しい。
これで中ロ全ての国境線が画定したそうだ。

中ロ両国にも国粋主義者が居るようで「今回の合意は相手国に譲歩のし過ぎ」と不評との事である。

中国共産党が成立して1964年以来40数年かけた国境画定のマラソン協議とはたいしたものである。相手はソ連邦からロシアへと政権を移行した。
この間4400キロ(これは新疆ウイグル地区を含むかどうか?)
に点在する紛争地点を「結果的には半分つつ」にした様に見えるが「軍事的紛争のタネ」を減少させ軍隊の配備を低減できればその効果は大きい。
戦略的パートナーシップを確立するには「国境の画定」無くしては言葉の遊びになってしまう。

これでロシア外相が帰国して石を投げられた話は聞かないしメドベージェフ大統領やプーチン首相が「売国奴」なんて罵られテロに襲われたなんて話は聞かない。
相手側の中国も勿論無い。

この辺りが両国を見ると「国家としての意思を感じるしそれに反発を許さないという力(まさに権力)を感じさせる」

大ウスリー島なんかは西半部を引き渡しても共同管理とか。ベルリン風の管理を経て「ハバロフスクの安全保障が担保され」たら次にーーとか細かい決め事が有るらしい。

日韓の首脳も勉強する必要がありそうだ。

産経新聞:
【モスクワ=遠藤良介】インタファクス通信などによると、中国の首都北京を訪問しているロシアのラブロフ外相と楊潔●・中国外相は21日、中露間を流れるアムール川(中国名・黒竜江)の大ウスリー島や隣接するタラバロフ島(同・両島で黒瞎子島)の国境線を画定させる合意文書に署名した。これにより、中露両国が本格的な交渉に乗り出した1964年以来、40年以上経過してようやく国境画定問題が最終的に決着した。

 合意内容によると、極東ハバロフスクに近い大ウスリー島の東部をロシアが領有、同島西部とタラバロフ島は中国に引き渡す。また、中国-モンゴル国境に近いアルグン川のボリショイ島(中国名・阿巴該図島)は中露で折半し、総面積(約375平方キロ)をほぼ二分割する形とした。

 ロシアが実効支配していた領土の一部を他国に「割譲」するのは異例。ラブロフ外相は記者団に、「(合意は)平等と相互尊重の原則に基づいて互いに受け入れ可能な合意点を探せば、最も困難な問題でも解決できることを証明した。中国との戦略的パートナーシップ深化はロシアにとって優先的な対外政策であり続ける」と語った。

 中露間4300キロの国境をめぐる対立は帝政時代にさかのぼる。両国は64年に国境交渉を本格化させたものの、中ソ対立によって停滞。ソ連崩壊期以降はしかし、現在の“蜜月関係”に至る両国再接近を背景に交渉が進展し、99年末までに98%の国境が画定した。最後まで残った3島の帰属問題は2004年に両国間で合意され、技術的な作業が続いていた。

 露極東部の反発にもかかわらず交渉が進んだ背景には、ソ連崩壊に伴って極東部が激しい人口流出に見舞われた中、経済発展と人口増加の著しい中国との国境を画定させることがロシアの安全保障上、重要だったことが大きい。ロシア側にはまた、欧米諸国に対抗して国際政治上の地位を回復するうえで、中国との協調関係が得策と判断された事情もある。中国側も、需要の急増する石油・天然ガスなどエネルギーの供給源として、ロシアとの友好関係を重視した。(引用終り)

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