王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

TVドラマ「天国と地獄」を見た

2007-09-09 06:29:13 | 芸能
昨晩は夜9時からテレビ朝日製作の、「黒澤明ドラマスペシャル第一夜 天国と地獄」を2時間半も見てしまいました。

結論から言うと豪華な出演者の割りに散漫な話になり、妻役の鈴木京香さんの美しさばかり印象に残りましたよ。

何と無く黒澤映画の印象が残っているのでしょう。
今回のリメーク版については老妻と「携帯時代になった現在、旧作の固定電話時代の連絡のもどかしさをどう表現するのだろうか?」と話していたのです。
携帯電話による連絡の容易さ、逆探知技術の向上、警察による広域捜査など昔と異なる環境が出現しています。
そう爺が映画で見たのは1963年頃、つまり46年も前の話です。

旧作の印象が強烈なのでしょうか? 列車からの現金の投棄、赤い煙、犯人の追跡の過程:新作では割りに軽く処理され残り一時間の共犯者の薬殺とそれにまつわる話は余分でした。始めに2時間半ありきーー(CMの時間がありますから作品は2時間一寸なのでしょうが)です。

まあ脚本がその様に作られたという事なのでしょうね。
犯人から警察に連絡するなと警告されているのに阿部寛を始めとする捜査班10名ほどが正面玄関から私服とは言え警察手帳を提示して入ってくるのはいただけません

ばればれでも宅急便とかクリーニングのバンに隠れて来ないと絵にならないのでは
と思った次第。
それと金銭感覚の麻痺:今日ただ今、お金持ちの身代金に3億円は少なくないか?
俺俺詐欺で1000万円を越える金額を躊躇わず振り込んでる小金持ちが大勢いるのに。勿論爺は300万円でも払えないけどね。

ホリエモンや村上、その他ヒルズ族とかいう連中の金のありようからすれば、身代金30億円とか40億円位でないと迫力が無い。

当然持ち運び出来ないから電子商取引になる。インターネットバンキングの時代だよ。それでこそリメークの価値がある。なんだかメル・ギブソン主演の誘拐話に似てしまうが

携帯電話なり警察無線の行き届いた今日、子供の釈放現場に捜査班が行き、探し回る事はなかろう? 所轄署に指示して発見と保護に努めれば良いのであって、この辺りの筋書きも気に食わない。

天国と地獄とは丘の上に住む金持ちと丘の下のスラム街に住む貧民の生活格差を指すと思ったが、その貧民が医者の研修生ではどうにも納まりが悪い。ネットカフェ難民とかマック難民とかが怒るなら一応筋は通ると思うけどね。

つまり旧作の目玉を軽く流し、餡子をいれて膨らませた分、冗長に感じた。演技陣もカメラワークも素晴らしいが脚本が悪かった。 65点 うーんと甘くして70点の出来だ。

皆さんはどうでしたか?

写真:向って右 京香さん


コメント
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