迷歩録 けんお

　　青空に　　鵯鳴いて　　寒さかな　　焚火囲みて　　話やはずむ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひのひら　　ろくべえ





　　　　「けんお」とは広辞苑によると、憎みきらうこと、不愉快に思うこと、とある。嫌悪感を持っという事は

　　　　自分いとっては刺激的なことということも言えるのであろう。嫌悪感に支配され、坊主憎から袈裟まで憎

　　　　いと言う諺もあるように、その関連したことまで、冷静に受け入れることができなくなるのが人間の感

　　　　情、この感情を、冷静にして対応できるようにする行動が知性ということにならないだろうか。

　　　　　つまり、対人援助の中で嫌悪を感じることは度々あると思うが、その嫌悪をうまく処理してコミュニケ

　　　　―ションしなければならないのも事実であろう。そのためには知識を持ち、論理的に処理できる能力を備

　　　　えなければ、嫌悪感に振り回された自分ということになり、対人援助という職業さえも維持することが困

　　　　難となる。そのようなことで対人援助という素晴らしい職業を去ることにならないためにも、知性と論理

　　　　を持てるよう日々の努力が求められるのが対人援助職、国は給料など個人収入は増えないのに税制だけは

　　　　次から次へと改定して税収をあげようとしている。そんあ社会の中で対人援助職の果たす役割は大きい、

　　　　対人援助職に光を当てるためにもその素晴らしさを、多くの人が発信することが望ましいのではないだろ

　　　　うか。若者が憧れる対人援助職となるためにも、好意だけではなく「けんお」という感情までも、活かす

　　　　対人援助といううものを模索したいものである。