hiroの花便り

我が家に咲く花や日々の暮らしを綴っていきたいと思います

モモ

2017-02-06 | 本・雑誌など

今年の新年の課題は2つありました。
1つは15年ぶりに家計簿をつけること。
1つは月に1冊でも良いので雑誌以外の本を読むことでした。

お恥ずかしい話ですが、家計簿は早々と挫折してしまいました。
昨年は『下流老人』が話題となり、
高齢者の9割が下流化する等と言われていたので、
生活費の把握もしていなくて大丈夫なのかと不安になったのですが、
支払方法が現金、クレジットカード(確認はしています)
預金引き落とし等、色々あるので面倒になってしまったのです。
特に無駄遣いもしていないし、
したいことを我慢しているわけでもありません。
念のため、預金通帳の残高から1年間の収支を調べてみると
年金内で暮らせているようです。
家計簿つけは認知症予防には良いかもしれませんが、
それは他の面でカバーすれば良いですよね?



本は読みました。
孫のK君が冬休みに、担任の先生から勧められた
ミヒャエルエンデの「モモ」。
娘も読んだはずと、本箱を探してみると、
奥の方で眠っていました。
児童書等はほとんど処分していましたが、
この本は私もいつか読んでみたいという気持ちが
どこかにあったのかもしれません。
本の表紙には、時間泥棒と盗まれた時間を人間にとり返して
くれた女の子の不思議な物語と書かれています。
児童書にしては難しい(古い?)言葉使いがありましたが、

えりもえって→よりにもよって
ためつすがめつ→いろいろの方面からよく見るようす
(どちらも前後の文脈から察することが出来ましたが子供には?)

心に残る言葉が多い一冊でした。
(ほんの一例)

効率よく建設的に費やした時間であっても
自分の中にほとんど残らない時間がある。
逆に感動し、笑い、誰かと分かち合った時間は
物質的な単位としては短くとも、深く心に刻まれることがある。


また、シニアにとっては救いになるような言葉もありました。

「もし、あたしの心臓がいつか鼓動をやめてしまったら、どうなるの?」
「その時は、お前の時間もお終いになる。
あるいはこういう風に言えるかもしれないね。
お前自身は、お前の生きた年月すべての時間をさかのぼる存在になる。
人生を逆に戻っていって、ずっと前にくぐった人生への
銀の門に最後はたどりつく。
そしてその門を今度はまた出ていくのだ。」
「その向こうはなんなの?」
「そこは、お前がこれまでに何度もかすかに聞きつけていた
あの音楽の出てくるところだ。でも今度は、お前もその音楽に加わる。
お前自身が一つの音になるのだよ。」


K君は面白かったと言っていましたが、
私には面白いというより、大切なことを思い出させてくれた一冊でした。
コメント (10)
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