hiroの花便り

我が家に咲く花や日々の暮らしを綴っていきたいと思います

花宴

2022-11-28 | 本・雑誌など

11月27日(日)
朝からお天気がよく、近くの紅葉を楽しむには絶好の日和でしたが、
どこに行くあてもなく、朝から読書をしていました。
読んだ本は「花宴」、著者はあさのあつこ。
Reiさんのブログで初めて知った作家さんでした。

Reiさんは、この秋、91歳になられましたが、
68歳からパソコンを学ばれ、今もカルチャーに通われて、
歴史の勉強をされたり、読書をされたりと、
好奇心旺盛な、素敵な方です。

あさのあつこさんは岡山県美作市出身、現在68歳の小説家です。
青山学院大学文学部卒業。1991年『ほたる館物語』で作家デビュー。
時代小説だけでなく、児童・少年少女向け小説、一般小説、エッセイなと
多岐にわたるジャンルの作品を書かれています。
代表作の『バッテリー』で、1997年第35回野間児童文芸賞を受賞。
1999年『バッテリーII』で第39回日本児童文学者協会賞。
2005年『バッテリーI~VI』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。
『バッテリー』は幅広い世代の支持を得て、児童文学としては異例の
1000万部ベストセラーになったそうです。
時代小説を書くようになったのは、子育て中に読んだ藤沢周平の『橋ものがたり』
に魅せられたのがきっかけだとか…。
(Wikipedia参考)

小説は図書館で借りました。
「花宴」を最初に読んだのは、視力の衰えが酷く、小説を読むのは久しぶりだったので、
大活字本にしたのですが、とても楽に読めました。

コロナ禍のためか、図書館には図書除菌機が置かれていました。
本を開いた状態で紫外線(UV-C)を照射すると、ページの中まで除菌できるそうです。

あらすじ(「BOOK」データベースより)

代々、嵯浪藩の勘定奉行を務める西野家の一人娘・紀江は、祝言の後も、
かつての想い人(婚約者)を忘れることができなかった。
うしろめたさに苦しみながらも、慎ましい暮らしを送っていた彼女だが、
ある朝、夫から思いも寄らない事実を告げられて…。
妻となり、子をなしても、かつての婚約者の面影を追い求める紀江。
すれ違う二人に訪れるのは…。
武士の家の娘として強く生きた女性を主人公に、人生のままならなさや
真の愛情の意味を、四季や剣のみずみずしい描写とともにしっとりと描く傑作時代小説。

感想

元婚約者への思いを秘めている罪悪感もあって、夫の真の姿が見えていなかった紀江。
夫が襲われ怪我をしたことで、父の突然の死と藩の内紛の実像が明るみになる。
ラストは悲しく、涙なしには読めませんでしたが、
紀江にとっては、幸せで納得した結果だったのかもしれません。
夫婦の絆について考えさせられた1冊でした。

✼••┈┈┈┈┈┈••✼✼••┈┈┈┈┈┈••✼

クリスマスホーリー
(2022.11.17撮影)

サッカーワールドカップ

コスタリカ戦、ディフェンスの一つのミスで、1対0で負けてしまいました。
残念でしたが気分を切り替え、12月1日(日本時間2日、朝4時)のスペイン戦ではぜひ頑張って下さい。

 

コメント (10)
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「青桐」木崎さと子

2022-08-31 | 本・雑誌など

筆者は1939(昭和14)年、旧満洲・新京市(現在の長春)に生まれる。82歳。
4歳で母を失い、継母に育てられる。
少女時代を北陸で、20代と30代をフランスで過ごし、帰国後、執筆を開始。
1980年、「裸足」で第51回文學界新人賞を受賞。
1982年、カトリック受洗。
1984年、親友の叔母をモデルに、
自然死を選んだ癌患者の生き方を描いた『青桐』で第92回芥川賞を受賞する。

文芸春秋 昭和60年7月5日第7刷
「青桐」と「白い原」を収録。

「青桐」は、乳癌に罹り、末期を迎えた叔母が、一切の医療を拒み、
東京の長男宅から富山県高岡市の旧家に戻り、
叔母に育てられた30歳を過ぎた独身の姪・充江が看取るというお話です。

癌も自分の内のもの、自分自身に他ならないと、共生することを選び、
梧桐(あおぎり)をみつめながら、静かに死を受け入れていく叔母。
主人公の充江も、幼い頃に顔に火傷を負い、
その傷跡を今も自分の一部として受け入れ、自分を否定したくないと、
叔母たちに整形手術を勧められても拒んできた。

叔母も早くに夫に先立たれたが、高校の音楽教師をしながら、
自分の二人の子供だけでなく、甥と姪まで分け隔てなく育ててくれた。

充江はそんな叔母が好きだったので、
叔母の最後を看取ることに迷いはないつもりだったが、
日ごとに衰弱していく叔母の姿を見るのは辛かったと思う。
しばらくぶりに兄の家に帰ったとき、火傷の原因を知る。

肉体が腐敗し、癌特有の臭いを発する描写はすさまじく、
ガン末期に病院から自宅に戻り
小学生の子供を2人残して逝った友と同じだったので、
読んでいると、その匂いが、鼻につくように感じられた。

「汚いものは何でも、きれいに片づけて、見えんようにしてしもう、
いうやり方が人間の不幸の因や・・・・・
病気も死もあっていい、現にあるものやさかいに、もっと普通の
暮らしに馴染ませて混ぜていいのではないか」

再読でしたが、改めて考えさせられた一冊でした。

 

✼••┈┈┈┈┈┈••✼✼••┈┈┈┈┈┈••✼

 

ハイビスカス・サマーブリーズ・ウィールウィンド

これまでに17輪の花が咲きました。
(2022.08.28撮影)

ハイビスカス・キャッスルホワイト

これまでに6輪の花が咲きました。
(2022.08.27撮影)

ハイビスカス・サマーブリーズ・ハワイアンイエロー

これまでに蕾は4つつきましたが、すべて落下し
念願の一番花がやっと咲きました。2017年7月から育てています。
(2022.08.26撮影)

これで未開化のハイビスカスはロングライフ・ボレアスだけとなりました。

コメント (2)
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「木」 幸田文

2022-07-15 | 本・雑誌など

tonaさんのブログで知った幸田文さんの「木」に興味を持ち、
病院の帰りに図書館に寄って借りてきました。
幸田文さんの著作は、若い頃「弟」を読んだだけでしたが、
エッセイストとしての幸田さんを知ることができて良かったです。

筆者プロフィール(Wikipediaより抜粋)
1904(明治37)年9月1日ー1990(平成2)10月31日東京生れ。
幸田露伴次女。
1910年、5歳のときに母を、1912年、8歳のときに姉の歌を失う。
1926年、22歳のときには弟の成豊も失う。
1928(昭和3)年、24歳で清酒問屋の三男に嫁ぎ、翌年娘の玉が生まれるが、
10年後に離婚。娘を連れて晩年の父のもとに帰る。
戦時中には、露伴の生活物資の確保のために働き、
少女時代から露伴にしこまれた生活技術を実践していった。
露伴没後、父を追憶する文章を続けて発表、たちまち注目されるところとなる。
1954年の『黒い裾』により読売文学賞、1956年の『流れる』は新潮社文学賞、
日本芸術院賞の両賞を得た。
他の作品に『闘』(女流文学賞)、『崩れ』『包む』など。

「樹木に逢い、樹木から感動をもらいたいと願って」北は北海道、
南は屋久島まで、歴訪した木々との交流の記。
木の運命、木の生命に限りない思いを馳せる著者の眼は、木をやさしく見つめ、
その本質のなかに人間の業、生死の究極のかたちまでを見る。
生命の根源に迫るエッセイ。
(「BOOK」データベースより)

幸田文さんは東京の郊外の農村で育ったことから、庭の広い家で育ち、
植物に関心を持つようにと、親から3人姉弟それぞれに、
蜜柑、柿、桜の木が与えられ、実も花も自由にすることができたり、
とりわけ父露伴からは、木の葉のあてっこ遊びを通して、
どんな状態の葉でも難なく当てられるようになったり、
数多くの、花や木の話を聞き、植物や樹木を愛でる心が養われたことが
2編目の「藤」を読むとよくわかります。

文さんが自分の子どもと、植物の鉢植えが売られている市場に行った時、
子供に好きなものを買うようにと、お駄賃を与えましたが、
子どもが選んだのは、その市場で最も高価な蕾の房がたっぷり付いた老木の藤。
それに驚き、安価な山椒の木を買い与えたのですが(私でも同じことをしそう)、
露伴はなぜ子どもの価値を見出した目を尊重しなかったか、
教育とは何であるかを説いたそうです。

文章も美しく、表現力が巧み…。
読んでいくうちにどんどん引き込まれましたが、
文さんが最も素敵だなぁ~と思ったところは好奇心の強さと行動力。
倒木更新の話に興味を持ったことから、東京大学北海道演習林を訪れたり
縄文杉に出会うため屋久島まで足を運ばれましたが、
なんと、70歳を過ぎてからだそうです。
私も行きたい場所は一人でも行く勇気を持たなければと思いました。

その倒木更新のことはこちらのサイトでよくわかります。

 

✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚✽.。.:*・゚

 

今季5輪目のハイビスカス・ロングライフ・アドニスダーク
(2022.07.14撮影)

こぼれ種から咲いたメランポジウム
(2022.07.09撮影)

Tさんから千疋屋の白桃を頂きました。
ありがとうございました。
(2022.
7.15撮影)

昨日(2022 .7.15)は強い雨が何度かありました。
4時過ぎ、小降りになったのでキジバトの様子を見に行くと、
卵は殻だけになり、道路の端に落ちていました。
あと数日すれば雛になれたはずなのに
こんな結果になり残念です。

コメント (16)
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一番いい人&窓辺の花

2022-01-26 | 本・雑誌など

一番いい人

何も知らないひとが一番いい
知っても忘れてしまった人が一番いい
禅の話もいらぬ 念仏の話もいらぬ
ただお茶を飲みながら
鳥の声を聞いたり 行く雲を仰いだり
花の話などして帰ってゆく人が一番いい
別れたあとがさわやかで 過ぎた時間が
少しも惜しくない人が一番いい

坂村真民
詩集「念ずれば花ひらく」より

坂村真民さんの詩集には励まされたり、癒される詩が
たくさん詰まっており、時折読んでみたくなります。
この詩の、別れたあとがさわやかで 
過ぎた時間が少しも惜しくない人のようになりたいものですが、
電話でどうでもよい話を長々と話し、
「あぁ、時間を無駄にした」と思う日々の多いこの頃です。

∴∵∴ ୨୧ ∴∵∴ ୨୧ ∴∵∴ ୨୧ ∴∵∴

       オンシジウム・トゥインクル“フレグランスファンタジー”

ラン科オンシジウム属の多年草

バニラのような甘い香りがするミニ・オンシジウム。
咲き始めたのは1月8日からですが、少しずつ花数を増やしてきました。

(2022.01.23撮影)

セロジネ・フィンブリアタ

ラン科セロジネ属の多年草
原生地・インド北部 中国 ベトナム

標高1500mまでの森の中に生える着生ランで
草丈は10㎝から20㎝と小さいです。
残念なのは白いセロジネのように良い香りがしないことです。

咲き終わって摘みとったお花が7つ
現在、5輪開花中です。
長い期間咲くので、これからも花数が増えるのではないかと
楽しみにしています。

(2022.01.23撮影)

ハイビスカス・ロングライフ・アドニスダーク

2日間がかりで、24輪目が開花しました。
花の大きさは最大時の18㎝よりは、だいぶ小さくなりましたが、
それでも10.5㎝あります。

(2022.01.23撮影)

最後の蕾があと1週間もすれば咲きそうです。
6月末に200円位のポット苗を購入し、
25輪もの花を楽したのですから、言うことなしです。

(2022.01.23撮影)

 

 

コメント (14)
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村上春樹『独立器官』& 秋の花

2021-11-01 | 本・雑誌など

短篇集「女のいない男たち」の3作目は『独立器官』。
独身で遊び人の整形外科医が、52歳で初めて一人の女性を愛し、
何も喉を通らなくなり(拒食症)、餓死するというお話。

タイトルの〈独立器官〉とは、
すべての女性に備わっている、嘘をつく際に用いられる器官のこと。

嘘だけでなく、泣くこと(涙)も女の武器と言われていますが、
幸か不幸か、長女で甘え下手の私は、この器官を
一度も使うことなく、老齢期を迎えてしまいました。

 

印象に残った言葉は沢山ありますがその中の2つを…。

「紳士とは、払った税金と寝た女性について多くを語らない人のことです」
(整形外科医・渡会医師の言葉)

「谷村さん、厚かましいようですが、ひとつ僕からお願いがあります。
どうか渡会先生のことをいつまでも覚えてあげて下さい」
「僕は思うのですが、僕らが死んだ人に対してできることといえぱ、
少しでも長くその人のことを記憶しておくくらいです。
でもそれは口で言うほど簡単ではありません。誰にでもできることではありません」
(渡会医師の秘書・後藤の言葉)

 

*・゚✽.。.:*・゚秋の花*・゚✽.。.:*・゚

 

(2021.10.20撮影)

ユリオプシス・クリサンテモイデス

緑葉のユリオプシスデージーで、
別名・マーガレットコスモスとも呼ばれています。
10年以上育てていた親木は、2mを超える潅木状になり、
ツツジの間からニョキッニョキッと顔を出し、
春から秋まで断続的に咲いていましたが、
深く剪定しすぎ、昨年、枯れてしまいました。
これはそのコボレダネから育った木で、
道路と我が家の敷地との間の縁石の割れ目に根付き咲いています。

 

(2021.10.23撮影)

(2021.10.27撮影)

ツワブキ(艶蕗、石蕗)

日本(福島県・石川県以南)・台湾に自生する
キク科・ツワブキ属の多年草。
20年前頃、ご近所のSさんから頂き育て始めました。
コボレダネからの花も、場所を変えて育てていますが、
日当たりが悪いせいかまだ咲いていません。
蕗(フキ)に似たツヤのある葉を付けるため、
艶蕗が転じてツワブキと呼ばれるようになったそうです。

花言葉は「困難に傷つけられない」「愛よ甦れ」「謙譲」

 

(2021.10.23撮影)

ランタナ・黄花

咲き始めた時期が遅かったのでまだまだ楽しめそうです。

 

(2021.10.29撮影)

クリスマスホーリー(西洋ヒイラギ)

2016年から寄せ植えで育てていますが、
植え替えたのは1度だけなので、樹に力が無くなったようです。
生った実は少なく、葉も艶々した緑色ではなくなりました。

 

(2021.10.27撮影)

千両

種は小鳥さんからのプレゼントらしく、庭のあちこちで自生しています。
お正月の切り花には欠かせませんが、ここ何十年と買ったことはありません。
小鳥さん、ありがとう🐤
ちょっと心配なのは、今年は、実が早く色づき始めたので
お正月まで、持つかどうかどうかです。

 

(2021.10.29撮影)

山茶花

樹の中心近くに咲いていたので気が付かなかったのですが、
夫に聞くと、1週間前頃から咲き始めていたようです。
山茶花が咲くと、秋の深まりを感じますが、
この分だと今年は、冬の到来も早いのでしょうね。

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村上春樹『イエスタディ』&夏越しできなかった花たち

2021-10-27 | 本・雑誌など

村上春樹の短篇集「女のいない男たち」全6篇の中から
2作目の『イエスタディ』を読んだ。
私のようなシニアの遅読者でも1時間あれば読めます。

登場人物は3人。
喫茶店でアルバイトをしている早稲田大学2年生の「僕」
兵庫県芦屋市の出身だが、標準語しか話さない。

その「僕」が、アルバイト先で知り合った木樽。
彼は浪人2年目で早稲田大学を目指している。
田園調布出身であるにも関わらず関西弁を流暢に話す。
阪神タイガーズの大ファンで、
ビートルズの「イエスタデイ」を関西弁で歌う。

木樽の幼なじみで恋人の上智大学生の栗谷えりか。
二人は木樽が大学に入るまで男女としての交際は控えている。

僕は木樽から栗谷えりかとデートしてくれるよう頼まれ、
一度だけデートする。

16年後、赤坂のホテルで開かれた
ワイン・テイスティング・パーティで栗谷えりか
と再会した僕は、木樽の消息を知る。

若い頃はそんなこともあったわねぇ~と
昨日のことのように思われる方もいるかもしれませんが、
それだけのことかな…。
感情移入が出来ないほど、私は年を取ってしまったようです。

**************************

夏越しできなかった花たち

この他にも夏越しできなかった多年草は沢山あります。
特にマーガレットやオステオスペルマムは殆ど駄目になりました。



(2021.05.30撮影)

マルチフローララム・ウルスラ
昨年9月に綺麗に咲いた鉢植えを購入し、
春には季節外れの花を咲かせたのですが、残念でした。


(2021.05.01撮影)

マーガレット
5月の初めに、ポット苗で売られているものを鉢植えにし、
大きく育てたいと思っていましたが夢でした。


(2021.06.09撮影)

ラベンダー・パープルサマー
夏の西日を避ければ、暑さ寒さに強いラベンダーと書かれていたので
そのように育てていたのですが……。


(2021.05.01撮影)
オレンジ色のゼラニウム
コガネムシの幼虫に根を食べられたので
7月初めに植え替えましたが、根付きませんでした
コメント (16)
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村上春樹『ドライブ・マイ・カー』&秋のバラ

2021-10-22 | 本・雑誌など
 
図書館で借りてきた
村上春樹の短篇集「女のいない男たち」全6篇の中から
1作目の『ドライブ・マイ・カー』を読んだ。
朝の目覚めが早く、その時間を持て余している私には
1時間ちょっとで読める短編は肩がこらずに
気楽に読めるのでちょうど良い。
 
この本は、主人公で俳優の家福が、運転手みさきに
車の中で亡くなった妻の話をしていくというお話。
最初、なぜドライバーを雇う必要があったのかがわかるまでは、
モヤモヤした気持ちで読んでいたが、
10ページほどで理由がわかり
その後はテンポよくスラスラ読めた。
 
カンヌ映画祭で脚本賞受賞したことは
ニュースで知っていたので、
読了後に、映画の予告をネットで見たが、
ドライバー役の女性があまりに原作とピッタリだったので驚いた。
この短い原作をよく3時間近くの映画にと感心したが、
そこは監督と脚本のなせる技なのかな……。
映画も観たいと思ったが、
もう神奈川県では上映されていなかったので諦めた。
 
 
*・゚✽.。.:*・゚秋のバラ*・゚✽.。.:*・゚
 
 
(2021.10.10撮影)

↑あおい(FLフロリバンダ・四季咲き中輪)
育て始めて9年目。
2年間は鉢植でしたが、その後は地植えで育てています。
鉢植えの頃は1本の茎に、幾つもの花がブーケのように、
こんもりと咲いてとても綺麗でしたが、地植えにしてからは
花付きが悪くなりました。
特に秋は毎年1~2輪しか咲きません。
今年はこのあと1輪咲いて2輪咲きました。
よく咲いていた頃のブログです
 


(2021.10.08撮影)1輪開花

(2021.10.12撮影)1輪開花
(2021.10.17撮影)1輪開花/12日の写真の蕾です
(2021.10.19撮影)開花3日目 

↑かがやき
前回のアップは9月29日だったので、今回咲くまで
まだ1週間しかたっていません。
5月末からこれまで18輪以上は開花したと思いますが、
鉢植えでこんなに咲くとは思わなかったので
とても嬉しい。
最近は花持ちがよく、1週間位咲くようになりました。


(2021.10.04撮影)1輪開花

2輪目開花

↑はまみらい
咲き始めの方が素敵。
次の2輪のうち1輪は虫の被害に遭っていました。


(2021.10.08撮影)

(2021.10.12撮影)

↑名前不明のバラ
地植えの四季咲きの中では一番よく咲きます。
背が高く、背景の軒下に干してある洗濯物等、雑多なものまで
写り込んでしまうので、めったに写真は撮りませんが、
12日の朝は7輪咲いていました。
*・゚✽.。.:*・゚頂き物*・゚✽.。.:*・゚
信州から送られてきたリンゴを、ご近所のSさんから頂きました。
シナノスイートという種類だそうです。
シャキシャキとした食感があり、甘くてジューシー。
とても美味しかったです。
Sさん、ありがとうございました。
コメント (12)
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宮本輝『私たちがすきだったこと』&ハイビスカス2種

2021-10-20 | 本・雑誌など
図書館本
バーで知り合った男女4人が酔った勢いで、翌日には共同生活を始め
すぐに二組のカップルができ、悲喜こもごもの物語が展開するのですが、
登場人物の女性二人が好きになれず、特に愛子の図々しさには
ムカムカさせられました。そして男ってバカだな・・・とも。
本は読みやすく
宮本輝らしい温かさはあるのですが、
こういう軽い作品を書くとは思わなかったので意外でした。


両日に1輪ずつ2輪開花


(2021.10.06撮影)1輪開花


(2021.10.10撮影)1輪開花


(2021.10.12撮影)1輪開花


(2021.10.14撮影)1輪開花 花は2日間

ハイビスカス・レッドカーネーション
今年の新入りさんで、花は2日間ぐらい咲きます。
最近はカーネーション咲きというよりは、八重咲のハイビスカスと
いった感じですが綺麗に咲いています。
花は今回の6輪を含めて、30輪は以上咲いたと思います。
まだ、色のついた蕾が3つ、小さな蕾が3つあるので楽しみです。



(2021.10.01撮影)4時1輪開花 玄関内


(2021.10.07撮影)1輪開花


(2021.10.10撮影)1輪開花 7日に咲いた花が萎みました。


(2021.10.14撮影)1輪開花 朝から雨 花は2日間

ハイビスカス・ロングライフ・アドニスダーク
今年の新入りさんです。
台風16号の備えの為、9月30日の夕方、玄関に取り込みましたが、
その時は蕾だった花が、翌朝1日の4時頃に開花しました。
とても大輪で、直径は18㎝もありました
花は3日間咲いて、4日の早朝に萎みました。
その後7日に1輪、10日に1輪、13日に1輪開花。
6月末に小さな鉢植えを購入して以来、13輪の花が咲きました。
まだ蕾が8つあり、そのうち3つは色づいているので
近々咲きそうです。
コメント (8)
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「地球を救うかんたんな50の方法」

2021-10-15 | 本・雑誌など

1990年7月20日 第1刷発行 講談社

「地球を救うかんたんな50の方法」を31年ぶりに読み返しました。
地球温暖化はあの当時からどれくらい進化したでしょうか。
資源ごみの回収やリサイクルは進んで来ましたが、
悪質業者による産業廃棄物の不法投棄は依然として減っていません。
また、生ごみなどもビニール袋に入れた後、新聞紙でぐるぐるにまいて
出す方が多くなり、減量化どころか増えています。
(私の地区だけかも)
スーパーでの買い物では、ポリ袋の返上は前から言われていましたが、
ポリ袋が有料化され、マイバックが当たり前となったのは一年前からでした。
衆議院選挙が間近に控えています。
各党がいろいろ公約を掲げていますが、地球温暖化対策や自然保護対策も
忘れないで欲しいと思います。


(2021.10.11撮影)

(2021.10.11撮影)

友禅菊
昨年10月中旬に紫と白の友禅菊のポット苗鉢植えを買い求め、
花が終わってから庭に植えました。
白は夏の間に葉が刈れたようになりましたが茎がのびて復活。
野に咲く花のような雰囲気が好きです。


(2021.10.08撮影)

シコンノボタン
ブラジル原産の常緑性低木。
鉢植えで育てて9年目になります。
耐寒性はやや弱いですが、庭のヤマモモの根元で冬越ししています。
花は一日花ですが、初夏から晩秋まで断続的に咲きます。


真鶴半島お林展望公園のノボタン(2016.06.11撮影)

花はシコンノボタン属の園芸品種・コートダジュール。
同じ神奈川でも海沿いでは地植えで、3m以上の大木になり、
これから秋まで、沢山の花を咲かせるのだろうと、驚いたものでした。



ペンタス(白花)
挿し芽のペンタスに花が咲きました。
他の色のペンタスも、挿しておけば良かったかしら。

サルビア・コネクシア・コーラルニンフ
庭のあちこちでコボレダネからの花が咲いています。


(2010-07-07撮影)観音竹・親木

観音竹
いつごろか忘れましたが、冬も屋外で育ててみようと、
直射日光の当たらない木の下に置いたのですが、思っていたより
寒さに弱くて枯らしてしまった観音竹。


(2021.10.06撮影)トレニア・コボレダネ

(2021.10.12 撮影)観音竹トレニア

その観音竹の鉢に、小さな株が残っていたので、小さな鉢に植え替え
冬も作業台の下に置いて育ててきましたが、
トレニアのコボレダネが着床したらしく、花を咲かせていました。
観音竹には一度も肥料を与えていませんが、せっかくここまで育ったので、
来年は植え替え(5~6月が最適)肥料もちゃんと与えてみようかしら。


(2021.09.28撮影)

(2021.10.10撮影)

名前不明の雑草?
5月中頃、パンジーを抜いて。しばらくそのまま吊るしておいたところ、
綺麗な葉っぱの芽が出たのでそのままにしておきました。
雑草かもしれませんが、涼し気で綺麗だったので、
そのままハンギングとして今でも楽しんでいます。
植物の名前は何度も調べたのですが、分かりませんでした。


(2021.10.07撮影)

万両
早くも下の方では、実が赤く色づいています。
昨年の実が残っていることなんて、ありませんよね。
こんなに早いことは初めてです。



カッシア・アンデスの乙女
9月中旬からずっと咲いています。



アメジストセージ(サルビアレウカンサ)


ご訪問ありがとうございます。
本日はコメント欄を閉じますので、よろしくお願いいたします。
コメント (3)
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宮本輝『避暑地の猫』

2021-09-22 | 本・雑誌など


講談社文庫1991年(平成3年)12月12日第17刷発行

「内容紹介(裏表紙より)」
清澄な軽井沢の一隅に、背徳の地下室はあった。
そこではすべての聖なる秩序は爛(ただれ)れ去り、人間の魂の奥底に潜む、
不気味な美しさを湛えた悪魔が、甘い囁きを交わすのだ。
尊敬する父も、美しい母も、愛する姉も、そして主人公の少年も、
そこでは妖しい光を放つ猫となる。だが、この作品で猫とは何か──?

タイトルの『避暑地の猫』とはおよそかけ離れたダークな作品。
物語は、17歳で殺人を犯した主人公修平が、15年の時効が過ぎた翌日に、
担当の医師に、ひと夏の出来事を語っていくという形で進んでいく。

別荘の持ち主の布施金次郎一家は、毎年7月15日になると軽井沢を訪れる。
修平の両親はここの別荘番として雇われている。
父の卓造は足が悪く、2歳上の姉・美保と母・加代は大変美しい。
金次郎の妻・美貴子は、別荘番・久保家の4人には良い印象を持っておらず、
特に母の加代には、ことごとく辛くあたり、
修平は子供の頃から美貴子と布施家を憎んでいた。
そして、ついに17歳の夏、事故を装って美貴子を殺してしまうのだが、
この事件を機に久保・布施家の間に隠された醜い秘密があばかれていく。

この作品で猫とは何か──?
タイトルに入れるくらいだから重要な意味があるのだろう。
猫は可愛いけれど、猫を被っているとか、魔物と言われる一面がある。
別荘の持ち主は別荘番の美しい妻と関係し、さらにその娘の美保とも関係を持つ。
それを知りながら父親の卓造は? そしてそれを知った修平は?

本の表紙裏に今から19年前のH14.6.20 に読了と書かれていたが
全く覚えていなかった。
これだけ衝撃的な内容だったら、忘れずはずはないのに不思議。
その頃読んだ「錦繍」「優駿」は微かに覚えているのに……。

・*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・





夫と久々のランチ
サラダバーセットとドリンクバーセットをプラス。
サラダバーセットには、この他デザートやフルーツも含まれており、
美味しく頂きました。


(2021.09.17撮影)

夫の畑仲間のWさんから頂いた冬瓜
1㎏オーバーで計量不能でした。
Wさん、ありがとうございました。
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宮本輝『泥の河』& 庭に来る蝶

2021-09-08 | 本・雑誌など

『泥の河』
あたりはまだ戦争の傷跡が残る昭和30年の大阪。
安治川の河口べりでうどん屋を営む家の小学2年生の信雄と
対岸に繋がれた廓船で母親が体を売りながら生活をしている姉弟との
束の間の交流を描いた物語。
(第13回太宰治賞を受賞作品)


平成3年7月30日45版『泥の河・螢川』収録

とても読みやすい作品でした。
良かったと思う点は、いろいろありましたが、
信雄の両親の温かさもその中の一つ。
子供が初めて友達を家に連れてきたときなど、
「お父さんは何をしているの?」「兄弟は?」等と
あれこれ、家族の身上調査をする親もいると思いますが、
信雄の両親は、廓船の家の子供と知りながら、
銀子と喜一に優しく接している。
悲しいと思うのは、貧しいがゆえに、母親のすることを
見て育たなければならなかった銀子と喜一。

天神祭りの帰り、「夜はあの家に行ったらいけない」と
父親から言われていたのに、蟹の巣を見せてあげると誘われ、
喜一の家に寄った信雄。
喜一が蟹を竹ぼうきでとって、大きな茶わんにランプ用の油を入れて
蟹をひたし、それを舟べりに並べて火をつける。
恐ろしくなってやめさせようと叫ぶ信雄。
何気なく喜一の母親の部屋を見て、仕事現場を見てしまう信雄。
喜一はどんなに、辛くやりきれない思いをしただろう。

作者自身の幼少期をモチーフに書かれたそうです。
『蛍川』もそうでしたが、自分の育った環境などを土台にしながら、
ここまで想像力を膨らませて、物語を作り上げることができるなんて
作家って本当に凄いなぁ~と感心するばかりでした。
『泥の河』は本のタイトルと同様、暗くて汚くて臭いまで
漂ってきそうな物語でしたが、心に残る作品でした。

*・゚✽.。.:*・゚ 庭に来る蝶 *・゚✽.。.:*・゚

雨が上がり涼しい日が2日ばかり続きました。
暑い夏は蝶を追いかける元気もありませんでしたが、
やっと落ち着いて写真が撮れるようになりました。
蝶はじっとしてくれないので、ボケ写真も多いですが。
お好きな方はご覧ください。



クロアゲハ
後翅に赤い模様があります。
吸蜜中(花:ハナトラノオ)



アゲハチョウ
黒い帯がくっきりとしています。
吸蜜中(花:ハナトラノオ)



キアゲハ
表羽の黄色が強いのでわかります。
吸蜜中(花:ハナトラノオ)
それにしてもアゲハの仲間はハナトラノオが好きですね。



ツマグロヒョウモン♂
ランタナの花の上で一休み。
普通、雌の方が翅は傷むのですが、
雄なのに後翅の端の黒い模様がちぎれて無くなっています
天敵の鳥に襲われ、逃げ回ったのでしょうか。



ヒメウラナミジャノメ
目玉模様のある薄茶色のチョウ。
翅の裏面には細かい波形の模様があります。
モンシロチョウより少し小さい。
ルドベキアタカオの蜜を吸っているようですが、美味しいのかなぁ~



ヤマトシジミ
翅の表面はやや光沢のある水色で、
裏面には灰色地に黒い斑紋が散りばめられています。
木はヒメウツギです。



イチモンジセセリ
チャバネセセリとよく似ているのだけれど、
翅の裏側の白点が大きく並んでいるので、イチモンジセセリかな…。
吸蜜中(花:ランタナ)
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宮本輝『命の器』& 胡蝶蘭

2021-08-25 | 本・雑誌など

娘の本棚にあった本です。
多分、高校2年生か3年生の頃、読んだのでしょう。


講談社文庫1991年(平成3年)10月21日第13刷発行

『命の器』
宮本輝の二作目の自伝的エッセイ集。
10歳の頃、父親が商売に失敗して、大阪で暮らせなくなり、
富山県に向かう列車の中での一コマが書かれた「吹雪」から
ラストの「錦繍の日々」まで、
読み応えのある33編が収められています。

作者が小説を好きになったのは中二のころ。
ある人から貸して貰った井上靖の「あすなろ物語」を読み、
小説の素晴らしさを知ったのがきっかけだそうです。
ある日、露店で10冊ずつ束ねられた15~16束の文庫本が
一束50円で売られているのを目にし、元のように束ね直すので、
束をばらして好きな10冊を売って欲しいと頼み、
念願の10冊を手にすることが出来たのですが、その10冊が凄い。
レマルク「凱旋門」、ドフトエフスキー「貧しき人々」、カミユ「異邦人」、
ダビ「北ホテル」、石川達三「蒼茫」、高山樗牛「瀧口入道」、
樋口一葉「たけくらべ」、三島由紀夫「美徳のよろめき」、
井上靖「猟銃・闘牛」、徳田秋声「あらくれ」で、
この順番に、中学2年か3年の終わり頃まで、何度も何度も読み返したそうです。
私は作者と同学年で、同じように中学生の頃から文学好きになりましたが、
この中で私が中学生の頃読んだのは、樋口一葉の「たけくらべ」だけ。
中学生の段階で、これだけ難しそうな、あるいは大人びた本を
読んだと知っただけで驚きでした。
(10冊の文庫本・感想)


(2021.08.24 撮影)コボレダネから咲いたルエリア・サザンスター

「出会いは決して偶然ではない。
運の悪い人は運の悪い人と出会い、偏屈な人は偏屈な人と親しみ、
心根の清らかな人は心根の清らかな人と出会い、つながり合っていく。
どれほど抵抗しようが、自分という人間の核をなすものを
共有している人間としか、結びついてゆかない。
どんな人と出会うかは、その人の命の器次第なのだ。」
(命の器・本文より抜粋)


(2021.08.24 撮影)マツバボタン

「私を溺愛し、どんな人間でもいい、ただ大きくなって欲しいと
念じ続けてくれた人がこの世にあったということを、
筆舌に尽くしがたい感謝の念で思い起こすのである。
父の買ってくれた本、父の見せてくれた映画、父の塗ってくれた唾、
そして身をもって私に示してくれた精神病院での、
終生忘れることのできない臨終の姿。
いま私はそれらの数限りない父からもらったものを、懐におさめて、
小説を書いているのだ。」
(父がくれたもの・本文より)



(2021.08.23 撮影)

夫が胡蝶蘭を買ってきてくれました。
ミニ胡蝶蘭のように翌年も咲かせるのは大変だと思いますが、
頑張って育ててみるつもりです。
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井上靖『しろばんば』

2021-08-06 | 本・雑誌など

もう何か月も前に読んだ作品なので、忘れている部分もありますが、
印象に残った事柄だけでも、書き留めておこうと思います。



新潮文庫 昭和40年3月30日発刊(昭和60年7月30日44刷版)

『しろばんば』は、井上靖氏自身の少年時代を元にして書かれた
自伝的小説で、小学校2年生から3年生までが前編に、
5年生から6年生の様子が後編に書かれている。

題名の「しろばんば」とは雪虫のこと。
作者自身が幼少時代を過ごした静岡県の伊豆半島中央部の山村・湯ヶ島では、
秋の夕暮れ時になると、白い虫がふわふわと飛び回る光景が見られるという。

物語の時代は大正初期、5歳の洪作は父や母のもとを離れ、
亡くなった曽祖父の妾であったおぬい婆さんとふたり土蔵で暮らしている。
すぐ近くには母親の実家があり、曾祖母、祖父母、母親の妹弟たちが住んでいる。
曽祖父は、おぬい婆さんを、少年の母親である自分の孫娘の養母と
いうかたちにして、家屋敷を与え、自分に一生を捧げてくれた妾に
晩年の生活を保障してやったのだ。
洪作の父は軍医で、その頃、母と一緒に任地の豊橋に住んでいた。
村人たちから白眼視されているおぬい婆さんは、洪作だけには異常なまでの
愛情を注ぎ、洪作もおぬい婆さんを心から慕っている。

まず驚くのはこの時代の地域住民のつながりの深さ。
子供たちは同じ部落のもの同士、群れを作って遊んでいる。
これは以前に読んだ、霊長類学者の河合雅雄氏の少年時代(昭和10年代)が
綴られた、丹波篠山を舞台にした『少年動物誌』にも通づるものがある。
おぬい婆さんと一緒に豊橋にいる両親に会いに行くシーンでは
ほとんどの村人や子供が馬車の駐車場まで見送りに来てくれる。
今だったら、湯ヶ島から沼津までは、車で1時間余りで着くと思うのだが、
当時は相当時間がかかったようで、馬車や軽便鉄道に乗り継ぎ、
沼津で一泊して、豊橋まで行かなければならなかった。
また、旧制中学受験では小学校の先生から特別レッスンを受けなければ
入れないほど難しかったらしく、歴史の教科書では学べない、
大正時代の風俗や日常生活を知ることが出来て良かった。



ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)
返り咲き
(2021.08.02撮影)



ミソハギ
13年前頃、庭に植えましたが、ここ数年、株立ちが悪くなり
ぽつりぽつりと何本か咲いている程度です。
(2021.07.26撮影)



ルエリア・サザンスター(紫)
2010年9月から、紫、白、ピンクの3色をプランターで 育てていましたが、
昨年、根腐れで枯れ、コボレダネからの花だけとなりました。
(2021.08.02撮影)
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宮本輝『螢川』

2021-07-26 | 本・雑誌など

娘の部屋の本棚にあった30年前頃の文庫本なので、
文字が小さく、紙の変色もあり、読み難かったのですが、
デスクライトの光を頼りに、どうにか読むことが出来ました。
デビュー作品の『泥の河』も収められていましたが、
タイトルの美しさに惹かれて『螢川』を最初に読みました。

『泥の河』第13回(昭和52年)太宰治賞受賞
『螢川』第78回(昭和53年)芥川賞受賞

宮本輝の著作を読むのは、『錦繍』『優駿』以来で、
20~30年ぶりになると思います。


平成3年7月30日45版

物語の舞台は昭和37年3月から6月までにの富山市。
4月になると中学3年生になる竜夫の家族、初恋、友情、
人間的成長などが丁寧に描かれている。

主人公と私がほぼ同年代ということもあり、
時代背景や情景が目に浮かぶようで理解しやすかった。
登場人物は人情味があり、優しい富山弁は、
昔の友人を思い出して懐かしかった。
圧巻はラストの蛍が乱舞するシーン。
年齢を超えて感動できる一冊だと思いました。


(2021.07.09 撮影)

(2021.07.17撮影)

ギボウシ(ホスタ)
黄緑色の葉に緑色の覆輪が入った中型のギボウシの花が咲きました。
今年は3輪。
2009年7月から育てています。



花も小さく、花持ちも悪くなりましたが、
この3種類のバラは断続的に良く咲いてくれます。



ケイトウ3色とランタナ(株分け)の寄せ植え
(2021.07.21撮影)
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村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』/ 椿

2021-03-17 | 本・雑誌など

3年ぶりに図書館に行ってきました。
借りたのは
吉永小百合主演「潮騒」のDVD
清川妙「84歳。英語、イギリス、一人旅」
村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
河合雅雄「少年動物誌」…この本が目的のはずでしたが……。

最初に読んだのは村上春樹でした。
「ノルウエーの森」以来、村上ファンだったし、
(それほど読んだわけではありませんが)
頁を開いた瞬間、飛び込んでくる文章に惹き付けられたからです。


2013年4月12日、文藝春秋より発売

多崎つくるは高校時代、名前に「色」の漢字が入った4人と
ボランティア活動がきっかけで友達になり、学年が変わりクラスが
変わっても親密なグループであり続けた
つくるは駅が好きだったので、駅舎建築の第一人者の教授のいる
東京の工科系大学に進んだが、他の4人は地元名古屋の大学に進学した。
休みになると名古屋に帰り、皆と会っていたが、
大学2年生の頃、4人から理由も告げられずに絶縁を申し渡された。
深く傷ついたつくるは、半年近く死の淵をさ迷い、
夢遊病者のように生きていたが、鏡の前の自分の裸身を見て、
衝撃を受け、規則正しい生活を心がけるようになり、
大学のプールで2歳後輩の灰田と知り合った。
二人は親しくなり、灰田はつくるのマンションに遊びに来るようになり、
「巡礼の年」というアルバムのレコードを聞かせてくれた。
その中には、高校時代の友人のシロが弾いてくれた
「ル・マル・デュ・ペイ」という曲が入っていた。
つくるが36歳になった時、2歳年上の沙羅という女性と出会い、
心の傷を打ち明けられるほど親密な関係になった。
沙羅は4人の友人に会い、グループから追放された理由を
聞くべきだと促し、4人の友人の現在の職業や住いを調べてくれた。
つくるは友人たちと再会する決心をする。

リスト:《巡礼の年 第1年スイス》 S 160 8 郷愁 ル・マル・デュ・ペイ


村上春樹の長編は「ノルウエーの森」「ねじまき鳥クロニクル 」
「海辺のカフカ」に次ぎ4作目ですが、今回が一番スラスラと読めた。
ミステリーとして楽しむ方もいるようですが、私は深読みせず
そのまま素直に受け取りました。
旅から戻った後のつくると沙羅の関係が気になりますが、
それほどモヤモヤ感が残らなかったのは、私なりの結末がすんなりと
出せたからかもしれません。
村上作品には必ずと言っていい程、素敵な音楽が登場するので、
パソコンの前に座り、youtube で聴きながら読書できるのも楽しい。

*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚

椿



絵姿の枝変わりの赤花が上の方で咲いています。
「枝変わり」とは茎や枝の生長点の細胞に突然変異が起こり、
樹木などの一部が変わった性質になること。
白花も咲いたことがありますが、めったに咲きません。
(2021.03.07撮影)



絵姿は尾張地方の古花。
紅色地、濃紅色吹掛絞り、八重咲きの中~大輪の花が咲きます。



雨の中、咲き始めたのは三浦乙女
昭和10年頃、 秩父宮妃殿下により命名された椿です。
(2021.03.13撮影)



藪椿
一般に「椿」といったらこの「薮椿」を指し、
いくつもの園芸種が作られました。
光線の具合で花色が濃く写っています。
(2021.03.09撮影)



白い椿も素敵でしょう!
引っ越してきて間もなく自生した都鳥です。
もう立派な大木になっています。
(2021.03.09撮影)



どちらも名前不明の椿です。
(2021.03.02撮影)



洋種ツバキ・タマビーノ
12月10日頃から咲き始めました。
全部で12~3個の蕾がつき、一つとして落ちることなく
見事に咲き切りました。
花びらの縁に白い覆輪が入るのですが、6輪目あたりからは入らなくなりました。
(2021.03.14撮影)



ひどい雨の中咲き始めた岩根絞り
岩根絞りは江戸椿の一品種で、
濃紅色に白い斑の入った、大輪の八重の花を咲かせます。
(2021.03.14撮影)



斑の入り方は花によって一つ一つ異なりますが、
白斑が多いものが好まれるそうです。
(2021.03.17撮影)



卜半(ボクハン)
別名を月光(ガッコウ)と呼ばれている古典的な園芸品種。
中心部の唐子は雄蕊が変形したもの。
旧白洲邸・武相荘(ぶあいそう)を訪ねた時初めて見て、
一目惚れした椿です。
(2021.03.04撮影)



胡蝶侘助
江戸中期からの古典品種で、茶花・活花として重宝されています。
育て初めて3年目。今年は花付きが悪いです。
(2021.03.14撮影)


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