Untersee-Boot

あるいは感想記として

新春2022

2022年01月07日 | あれこれ
          

今年は、2月に「つれづれ発表会」、5月に「古今狂言会」と、南原さんの舞台が開催され、嬉しい限り。
古今狂言会では、一昨年の途中に公演中止になって観ることが出来なかった新作の「働き方改革」を、ようやく鑑賞することが出来るようで、楽しみにしたいと思います(大濠公園能楽堂では一昨年も「働き方改革」を上演してましたので、福岡の人は「またこれ?」ということになってしまうのかも?)。

そんな南原さんの舞台の前に。
昨年行った落語会でまだ書いてないものがあったので、そんな話をあれこれと。






昨年の十二月は、きく麿師匠が主任を務めた末廣亭の上席に続き、彦いち師匠が主任を務めた下席へも行ってきました。

          

まずは初日。
十二月中席から末廣亭の音響設備が新しくなってるという話をツイッター上で見かけたのですが、確かに、場内の音が良くなってた!?
近年はコロナの影響もあり、換気のために空調を目一杯回してることも多々あったのですが、そうすると高座の声が聞こえづらくなることもしばしば。
でも新しい音響では、小さい声でしゃべってもクリアにちゃんと聴こえるようになってました。
企業努力を怠らない末廣亭、その姿勢は素晴らしいのひと言です(笑)。
ひとつ難をいえば、前面のスピーカーに比べ横のスピーカーから聞こえてくる音が大きくて、全体のバランスが不自然な気もしましたが・・・とまれ、聴こえやすくなったのは良かったです。



音曲漫才のおしどりを見るのは久しぶり。
テルミンも久しぶりに聞けて良かったですし、彦いち師匠の針金細工も良く出来てました(笑)。

仲入り後。
三木助師匠は「雛鍔」。
二段ブロックの髪型が気になりましたが(笑)、正統派という感じの落語でした。
のだゆきさんのお馴染みの鍵盤ハーモニカがあり。

きく麿師匠は「首領が行く!」。
この噺は何度聴いても面白いな~。
「でっしゃろかいの」「せや」というフレーズが耳に残って仕方ありません(笑)。
期待にたがわずこの日も大爆笑のきく麿師匠でした。

扇辰師匠は「田能久」。
話芸はもとより、久兵衛さんが握り飯食べる場面がいいな~。
大きな握り飯が扇辰師匠の手の上に見えました(笑)。

扇家社中の太神楽をはさみ。


20時05分。
彦いち師匠が登場。
いわく「東京の落語はきく麿から扇辰の間にほぼ含まれる」とのこと(笑)。
確かに、きく麿師匠の何でもありの爆笑の新作と、扇辰師匠の正統派の古典を聴くと、この間に落語の全てがあるような気も(笑)。
この幅の広さこそが落語の面白いところなのかもしれません。
ちなみに、「のだゆきさんは百栄に含まれる」とのことでした(笑)。
その後は、寄席にお客さんが戻って来た、という話から、末廣亭で「猫と金魚」を聴いてたお客さんのリアクションの話も。
これ、すっかり彦いち師匠の定番のマクラになっていますが、偶然その場に居合わせた幸運(?)に感謝です(笑)。
あとは、円丈師匠の思い出話や、川柳師匠の趣味の話でも大爆笑だったのですが、「クローズドの会ですから」ということで、内容は全面的に割愛させていただきます(笑)。
そんな爆笑の話をしていた彦いち師は時計を見て「マクラで20分長すぎ」と言いつつ。
本編は「という」。
重層的に展開され、爆笑しながらも哀愁を感じるこの噺、何度聴いても面白いな~。
彦いち師匠の新作は、笑いだけではなく余韻を残して終わるところが、彦いち師らしいところです。
20時40分終演。

「という」の不思議な余韻を噛みしめながら、家路についた夜でした。





翌日の末廣亭十二月下席二日目は、仲入りから。
(料金は通常の半額1500円)

       


駒治師匠は「鉄道戦国絵巻」。
鉄道を擬人化し、東急を中心とした都心の電車が繰り広げる一大戦国絵巻(笑)。
面白かったけど東急はイマイチ詳しくないので、よくわからないとこもあったのがちょっと残念。
ただ、東急といえば、東急沿線に縁のあるUN二人のことを思い出して、そちらでちょっと笑ってしまいました(笑)。

風藤松原は、やさしいツッコミが何度聴いても面白い漫才です。

きく麿師匠は、ヨーデルからの「おもち」(笑)。
かみ合わない会話がジワジワくる「おもち」。
爆笑ではないけど、気付いたら笑ってる感じ。
そして、こういう会話が実際にあってもおかしくないのが、よりジワるところです(笑)。
ちなみに、前回この噺を聴いたのは、十月の末廣亭の喬太郎師匠が主任のとき。
その時は、きく麿師自らツイッターで「力入り過ぎて滑った」と言ってた通り、客席は微妙な空気だったのですが(笑)、この日は笑いもあっていい感じ。
そもそも、きく麿師も爆笑させようというより、あえて変な噺をやってるんじゃないのかな?という気もしますが、いづれにしても、前回のリベンジ(誰に?何の?笑)が出来て良かったです。

小せん師匠は「あくび指南」。
扇家社中の太神楽があり。

20時05分。
彦いち師匠。
映画に出たときのお芝居の話のマクラで大笑いしつつ。
本編は「泣いたチビ玉」という噺。
初めて聴きましたが、想像するとちょっと怖い設定かも(笑)。
「泣いた赤鬼」ならぬ「泣いたチビ玉」。
笑いながらも、チビ玉のその後が気になり、思いを巡らせてしまう彦いち師匠らしい噺でした。

20時34分終演。
この日は仲入りの18時45分からの入場でしたが、途中からだと場の空気に馴染む間もなくあっという間に終わってしまった感じ。
やはり、ゆったりまったりしながらお目当てを待つ、というのが寄席の正しい過ごし方なのかもしれません(笑)。






末廣亭十二月下席5日目。
クリスマスも末廣亭へ(笑)。

       


昼の部のトリの一朝師匠は「二番煎じ」
流石という感じの高座でした。



夜の部。
おしどりの針金細工(サンタに扮した彦いち師)があったり、百栄師匠の「弟子の強飯」で笑ったり、ペペ桜井さんのお馴染みの(というか毎回まったく同じ)ギター漫談があつたりしつつ。
正雀師匠は「掛け取り」。
圓生師匠や五代目今輔師匠のモノマネが聞けたのは僥倖。
他にもお芝居などなどを披露していて、芸達者だな~という感じでした。



仲入り後。
駒治師匠は「10時打ち」
久しぶりに聴きましたが、仁義なき戦いばりの10時打ちを巡る展開に大笑いでした(笑)。

のだゆきさんのお馴染み鍵盤ハーモニカをはさみ。

きく麿師匠は「スナックヒヤシンス」。
この噺、Youtubeの夢空間チャンネルで聴いて以来、是非とも生で聴きたいな~と思っていたので、今回その願いが叶って嬉しい限り。
もう、ず~っと笑ってた感じ(笑)。
爆笑爆笑また爆笑で涙出た。
きく麿師匠独特のリズム感も面白いですし、言葉のチョイスも面白過ぎ。
そして歌も面白くて「ビビクリマンボ」でした(笑)。


その後は、この日代演の扇好師匠の「短命」があり。
ストレート松浦さんのジャグリングに大感心。
この日はクリスマスということで、普段はやらない三角コーンを5個積み上げて、もみの木に見立てた三角コーンを顎に乗せるバランス技も披露。
普段は見られないパフォーマンスを見れて良かったです。


20時05分。
彦いち師匠が登場。
いわく、仲入り後は「きく麿でいっぺんメルトダウンして扇好さんで立て直す」とのこと(笑)。
そんな興行の主任を務める彦いち師匠。
マクラでは、空手部の先輩の話。
そして、彦いち師匠が電車の乗変でウソをついて大変なことになった、という話から。
本編は「神々の唄~クリスマス編」。
クリスマスということで、お祭りではなく教会でリサイタル。
そして登場するのは八幡様ではなくマリア様(笑)。
さらに、マリア様の口からまさかの「ビビクリマンボ」発言もあり、大爆笑の連続。
普段の「神々の唄」に増して、面白かったな~。
こんなに大笑い出来て、クリスマスに末廣亭に行った甲斐がありました(笑)。
大爆笑のなか、20時42分終演。


めちゃくちゃ楽しいクリスマス。
最高の気分の家路についた夜でした。






クリスマス翌日。
末廣亭十二月下席6日目。

       


百栄師匠は「寿司屋水滸伝」。
喬太郎師匠版とはまた一味違う、百栄師版も面白かったです。
その後は、アサダ二世さんのお馴染みのマジックがあったり、これまたお馴染みのペペ桜井さんの一言一句違いのないギター漫談があったりしつつ(笑)。


仲入りの後。
まずは代演の馬るこ師匠。
ほぼ初めて聴く馬るこ師匠は、ご当地落語というのをやってるそうで。
地方に行き、どぶろくを作ってる村人と税務署の人との話に大笑いでした。
本編は「贋金の村」という噺のようで。
こちらも面白かったです。


にゃんこ金魚さんは、毛糸と消しゴムで作ったモンブランを頭に乗せつつ(笑)。
お馴染みののネタや、新しいネタ(朝ドラの歌ネタなど)、大笑いの15分でした。


きく麿師匠は、鬼滅ふうの市松模様の手拭いを持っての登場。
あれ?以前からこんな手拭い持ってたっけ?と思ったのですが、夢空間チャンネルのYoutubeを見直したらそこでも持ってましたので、これまで私が気付いてなかっただけだったみたいです(笑)。
その、きく麿師匠は「殴ったあと」。
上席に続き二度目ですが、今回も大爆笑(笑)。
サラリーマンの悪ふざけ、そして突如始まる浪曲に、爆笑また爆笑でした。
♪なぐら~れ~た~♪が耳に残るな~(笑)。
そして、あけみちゃんは幸せになって欲しいと、今回も願わずにはいられませんでした(笑)。


扇辰師匠は「紋三郎稲荷」という噺。
翁家社中の太神楽があり。


20時05分。
彦いち師匠が登場。
この日も東京の落語の幅という話などがあり。
本編は「私と僕」。
途中、円丈師匠のモノマネや円丈師匠にまつわるエピソードも。
彦いち師がまだ若手の頃に楽屋で「新作落語なんかネタ帳に書かなくていいんだよ」と先輩の落語家から言われた、というエピソードもさらりと話してましたが、ホントは色々あったんだろうな~というのを偲ばせるエピソードでした。
他にも、白鳥師との若手時代の話も交えながら、現在過去未来を重層的に展開する「私と僕」に大笑い。
可笑しさと甘酸っぱさが交錯するこの噺は、何度聴いても良いな~。
余韻と余白を残しているところが、この噺をより面白くしているような気がします。

20時42分、大きな拍手のなか終演。



          


彦いち師匠が主任を務めた末廣亭十二月下席。
今回は4回も行ってしまいましたが(笑)、とても面白かったな~。
彦いち師匠らしい新作を存分に聴けて、大満足の4日間でした。






年の瀬の12月29日は、横浜のにぎわい座で行われた、第2回落語三銃師へ。

          

オープニングトークでは、「我々は落語三銃師です」という、息が合ってるような合ってないような挨拶(笑)。
そして、落語三銃師で47都道府県を回るという話や、年末で疲れているという話も。
彦いち師匠は前日まで末廣亭で主任を務め、白鳥師匠は池袋演芸場で主任を務めていたようで。
白酒師もお忙しかったみたいですし、三人とも空元気で頑張ってる感じでした(笑)。
その後は、2021年に亡くなった、川柳師匠と小三治師匠のエピソードをたっぷりと。
内容は全面的に割愛しますが(笑)、はちゃめちゃな川柳師匠や、アンタッチャブルな感じの小三治師匠の話などに終始大爆笑。
オープニングトークは15分の予定だったそうですが、二人の師匠のエピソードトークが盛り上がり、大幅に延長して30分の爆笑トークでした。



       


 
トークのあと、まずは白鳥師匠が登場。
円丈師匠や川柳師匠とのエピソードが語られる「黄昏のライバル~師匠追悼編~」という噺を披露。
両師匠の色々な話を聴けて面白かったですが、これ、落語なのかな?という疑問も・・。
と、思っていたら、トリの白酒師匠がそんな話をしていて大笑いでした(笑)。



仲入りの後。
彦いち師匠が登場。
彦いち師匠も、川柳師匠のいい話をあれこれと(笑)。
ただ、「胸にとどめておいて」「ここだけの宝物にしたいじゃないですか」ということで、内容は割愛しますが、いつもどんな時でも土下座が出来る川柳師匠に大爆笑でした。
それから、白鳥師匠のいい間違いエピソードも披露していた彦いち師匠。
いわく「今年のうちに伝えられて良かった」とのことでした(笑)。
その後、映画で山小屋の主をやった話があり。
本編は「泣いたチビ玉」。
数日前の末廣亭で初めて聴いて以来、二度目のチビ玉(笑)。
チビ玉と一座のその後が、やっぱり気になってしまう噺でした。



この日のトりは、白酒師匠。
白鳥師の落語について「ただのエピソードトーク、ネタでも何でもないじゃねぇか」と、ツッこみを入れつつ(笑)。
本編は「芝浜」。
少し前の鈴本演芸場の"「掛け取り」と「芝浜」を聴く会"という特別企画公演で白酒師匠が「芝浜」を披露したのは知っていましたが、聴きに行くことはできませんでした。
なので、今回聴けて、本当に嬉しい限り。
白酒師匠の「芝浜」は、湿っぽさは皆無。
カラッとしていて終始爆笑。
最後もあっさりしていたのが良かったな~。
このへんが、白酒師らしいな~という感じでした。



       



6月の第1回に続き、第2回目も大笑いの「落語三銃師」。
年の瀬に大満足の落語会でした。
ちなみに、3月に開催される「第3回落語三銃師」のチケットもすでに入手してしまいましたので、楽しみにしたいと思います(笑)。



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寅年

2022年01月01日 | あれこれ
明けましておめでとうございます。

更新が滞りがちにもかかわらず、昨年は贔屓にしていただき、ありがとうございました。
おかげ様で、ブログを始めてから17度めの正月を迎えることが出来ました。
無愛想なブログですが、今年もよろしくお願いいたします。

2022年が、ウンナンの二人にとっても皆さんにとっても、良い一年でありますように。


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