Untersee-Boot

あるいは感想記として

ゆく年2020

2020年12月30日 | あれこれ
気がつけば明日は大晦日。
2020年は色々なことがあった年でした。


古今狂言会も、2月の福岡公演を最後に公演中止に。

         
(太田市新田文化会館は、現代狂言Ⅲの千秋楽公演が行われた思い出のホール)

         
         
どちらの公演も楽しみにしていただけに、本当に残念でした。


例年なら今頃は、来年の古今狂言会の稽古の様子が漏れ伝わってきたり、チケットも発売されていましたが、今年はいまだにそういうアナウンスはなし。
毎年で行われていた、福岡の大濠公園能楽堂の公演も来年はないのかな・・・。
う~む、まさかこんなに長引くことになるとは、今年の初めには考えもしませんでした。
あ、そういえば、石井ちゃんが本当の狂言師になってしまったのも、今年だったっけ(笑)。
石井ちゃんが、どんな狂言師になっているのか見ることが出来ないのも、残念無念です(笑)。
(萬狂言などですでに舞台に立っているようなので、そちらで見ることはできますが)



新宿角座での「お気楽ライブ」も、1月の高松のマッチ以降開催されず。
南原さんの近況を直に聴くことが出来る貴重な機会だっただけに、こちらも本当に残念。
第4弾、第5弾と「お気楽ライブ」が開催されることを願うばかりです。



そんな中、「あんまと泥棒」は無事に開催され、観に行くことが出来たのは僥倖でした。

            

感想については、すでに呟いているので割愛させていただきますが、出演者の息遣いや、観客と共に作り出す劇場の空気を感じながら楽しむ一期一会の生の舞台はやっぱりいいな~、ということを改めて感じた3日間でした。

         


ちなみに、二日目の夜公演には、現代狂言でお馴染みの大野君と和田さん(夫妻?)が一緒に観劇してたのを見かけました。
それから、千秋楽には滝ちゃんが来てたような・・・。
滝ちゃん自身がツイッターなどで呟いていないので、もしかしたら人違いだったのかもしれませんが、こういうご時世なのでSNSの更新を自重しただけかも(不確かな情報で、間違っていたらすみません)。

         

あと、二日目の夜公演の冒頭のトークで南原さんは、「(あんまと泥棒で)全国を回ろうと・・」「その最初が本多劇場・・」という話もしていたのですが・・。
そういう予定があったけど無くなってしまったのか、あるいはまだその可能性があるのか、こちらもよくわからなかったので(この話をしたのもこの時の一回きりでしたし)、ツイッターには書きませんでしたが、是非とも実現することを願っています(もし内子座での再演があったなら・・う~む、また行きたいな~・笑)。

         

千秋楽のカーテンコールで、近藤さんが津川雅彦さんの言葉として紹介していた「起きたことが正解なんだ」。

            



そして、南原さんが話していた「明るい方へ、明るい方へ、気持ちを持って」という言葉をかみしめつつ・・・。



良い年をお迎えください。


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Xmas2020

2020年12月25日 | あれこれ
            

今年は浮かれ気分にも中々なれないクリスマスではありますが、それはそれとして。
まだ書き記していなかった落語の話などを少し。





10月28日は、鈴本演芸場十月下席の夜の部へ。

            


ストレート松浦さんのジャグリングに感心したり、柳亭燕路師匠の陽気な「締め込み」に笑ったりしつつ。
小ゑん師匠の「鉄千早」にも大笑い。
この噺は、鈴本の配信で聴いたことはありましたが(その時は、文蔵師匠の「千早ふる」からのリレー落語でした)、生で聴くのは初めて。
展開にちょっと無理がある感じもしましたが(笑)、強引なところも面白さなのかもしれません。



その後は、伊藤夢葉さんのマジックや、小菊師匠のお馴染みの粋曲などがあり。

トリは彦いち師匠。
まずは、この日出演予定だったペペ桜井さんがお休みだったことについて「酒飲んで寝違えて休めるのはこの世界だけ」という話に大笑い(笑)。
いや、でも、ぺぺ師匠は85歳だそうで。お体お大事にしてくださいであります。
それから、彦いち師匠の丸刈りの髪の毛が今日はかなり短いな~、気合が入っているのかな?と思っていたら、自分で刈るバリカンを普段は5ミリにしてるのに、この日は間違えて3ミリにしてしまったそうで。
小菊師匠から「何かしくじったの?」と訊かれたけど「そうじゃない」という話(笑)。
あとは、イケメン落語家の話など、大笑いのマクラが約15分。
そして本編は、「舞番号」という噺だそう。
初めて聴く噺でしたが、彦いち師匠が織りなす近未来の世界にすっかり引き込まれてしまいました。
彦いち師匠の新作は、重層的な噺が多くて独特だな~。
最後も不思議な余韻が残る終わり方で、面白かったです。






12月10日は、末廣亭十二月上席夜の部、千秋楽へ。

         

この日は、ソーシャルディスタンスをきっちり守られていた末廣亭(笑)。
前半は、お客さんが8人くらいで、ちょっと緊張してしまいましたが(笑)、小猫さんのお馴染みのウグイスやフクロテナガザルのモノマネに感心したり笑ったり、笑組の「クリスマスと無縁のお客様」という話に納得したり(笑)。
そうこうしているうちに、お客さんも徐々に増え(19時以降は入場料が1500円になるのでそこで多くのお客さんが)、最終的には25人くらいになってひと安心でした(笑)。



2度目の仲入り後に登場のきく麿師匠。
「記憶喪失」という噺のようですが、終始爆笑(笑)。
エア蕎麦も大笑いでしたし、面白かった~。


ニックスの漫才も、今までに聴いたことがないような展開もあり、大笑い。
龍玉師匠は安定の高座という感じの「ぞろぞろ」。
一琴師匠は(たぶん)初めてでしたが、独特の喋りの「初天神」面白かったです(笑)。



そしてトリは、彦いち師匠。
マクラでは、楽屋の話やコーヒー店に行った話(本編のフリにもなっていたので割愛)などがありつつ。
本編は「私は僕」という噺だそうで。タイムトラベルするお話。
これも初めて聴く噺でしたが、彦いち師匠の新作は、面白さだけではなく、可笑しさと哀しさが同居する噺が多いな~。
亀有の「新作落語の会」で聴いた「という」もそうでしたし、前回の鈴本の「舞番号」もそう。
今回の噺は、そこに甘酸っぱさもプラスされて、とても良かったです。
爆笑とともに、ちょっとセンチな余韻に浸りながら家路についた夜でした(笑)。




ちなみに、末廣亭の感染症対策は、マスク、検温、手の消毒はマスト。
場内ではお茶や水などのソフトドリンクはオッケーだけど、お酒と食べ物はNG。
演者の声が聴こえにくくなるほど換気扇をフルに回し、普段より多い2回の仲入りの時には窓を開けて換気。
公演中も窓は10センチくらい開けたまま。
仲入りの前後にはトイレ掃除も念入りに行っていましたし、これ以上ないというくらいの対策をとってました。
おかげで、めっちゃ背中がスースーして、ずっとダウンを着たままだったり、9時過ぎまで何も食べられずお腹が空いたりもしましたが、それもこれも感染症対策のため、じっと我慢の子でいました(笑)。

ところが・・・。
末廣亭を一歩出ると、周りの飲み屋では「三密って言葉を知らないの?」という状態。
利用してるのは、GoToとは全然関係ない、会社帰りのサラリーマンやOL。
色々と言いたいことも、もたげてきたのですが、彦いち師匠の落語でせっかくいい気分になったのを台無しにするのもバカらしいので、おとなしくしていました(笑)。





そして、12月17日は、鈴本演芸場十二月中席『年の瀬に聴く芝浜と掛け取り』の会へ。

         

ストレート松浦さんのジャグリングはいつもながら感心。
中でも、デビルスティク(両手に棒を持ち、真ん中に立てた棒などを左右に振りながら空中に持ち上げたり回したりするもの)はいつも以上に大感心。
というのも、先日「それって!?実際どうなの課」という番組で、女優の森川葵さんが、このデビルスティクに挑戦していたのですが、なかなか技を習得できずに大苦戦。
"ワイルドスピード森川""ミスかくし芸"と言われるほど、テーブルクロス引きでもビリヤードでもヨーヨーでも何でもすぐに出来てしまう、あの森川さんが出来ないデビルスティクって、どんなに難しいものなんだ!?と、やっとその時に気づいたわけで(笑)。
当たり前のようにデビルスティクをやっていたストレート松浦さんは、ホントに凄かったんだと改めて。
ちなみに、松浦さんは普通の棒だけではなく、ビニール傘や工事現場などにあるポール(2.5メートルくらいの棒)、パイロンなども左右にコンコン振りながら持ち上げてしまうプロ中のプロなのでした。


その後は、菊之丞師匠の「悋気の火の玉」や、雲助師匠の名調子の「時そば」などがあり。
彦いち師匠が登場。
マクラではこの日もイケメン落語家の話などありつつ、本編は「つばさ」。
去年の7月に、ここ鈴本演芸場で聴いて以来、約1年半ぶり2度目の「つばさ」(笑)。
彦いち師匠の落語を聴いたのはこの時が初めてだったので、とてもよく憶えていますが、今回もやっぱり大爆笑。
パラレルワールド好きとしてはたまらない噺。
今回は哀しさも甘酸っぱさもなく、ただただ爆笑の「つばさ」でありました(笑)。


そしてトリは文蔵師匠。
「今年はは忘れられない年に・・忘れちゃいけい1年に」という短めのマクラを約2分。
本編は「芝浜」。
強面の文蔵師匠が演じる魚勝の奥さんがめちゃくちゃ可愛いかった!(笑)。
いや、ホントに、これに尽きると言っても過言ではないくらい(笑)。
とても可愛らしい奥さんだったな~。
それから、文蔵師匠は「(自分は)改心したことがないからわからない」と噺の途中で言ってましたが、改心前と後の魚勝がまったくの別人になってました。
文字通り、生まれ変わった魚勝になっていて、大感心。
このへんは流石という感じでした。
最後も「勝さんのこと好きだから」という、可愛らしい奥さんの惚気などもあり(笑)、大団円で終演。
あっという間の42分。
この日も大満足で家路についた、師走の夜でした。





・・以上が、今年最後の寄席のレポでありました(笑)。

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