今年は寄席や落語会へ行く機会が多く、"ニッポンの夏、落語の夏"という感じでした(笑)。
6月には亀有で行われた、文珍師匠と喬太郎師匠の二人会へ。
喬太郎師匠のお馴染みの季節のマクラで大爆笑したあと、『死神』では笑いながらもゾワゾワと。
NHKの『超入門!落語』でこの噺は聴いてたけど、やはりLIVEにはかないません。
文珍師匠の落語を生で聴くのは初めてでしたがこちらも爆笑で、蒸し暑さも吹き飛ぶとても面白い会でした。
これですっかり落語スイッチが入ってしまい、7月は鈴本演芸場の下席へ。
35度を超えるような暑い日が続いてた頃だったので、早く行って並んでたら倒れかねないし(笑)、でも満員は確実なのでちゃんと座って聴きたいし・・と、思案を重ねたあげく開場の30分前に鈴本へ。
案の定長い行列ができていましたが、ありがたいことに開場を早めてくれており、並ぶと同時に場内へ入ることが出来て一安心でした。
伊藤夢葉さんのトーク&奇術に笑いながらも感心したり(奇術とは関係ない音の出るあの鞭は何なんだ??笑)、権太楼師匠の『代書屋』で笑ったりしつつ、主任の喬太郎師匠は『夢の酒』。
この日は夏休みに入っていて、御八歳の女の子も客席にいましたが、構わず大人なマクラから色っぽい噺に(笑)。
艶っぽいご新造とやきもち焼きの奥さんに、終始大笑いでした。
7月31日の余一会は、それぞれの寄席(末廣亭以外)で『昭和元禄落語心中寄席』というのものが開催されており、私は浅草演芸ホールへ。
『昭和元禄落語心中』という漫画が10月からNHKでドラマになるので、それのコラボ企画だったようですが、ドラマで落語監修をする喬太郎師匠以外、出演した落語家さんたちは、皆、漫画のことをよく知らなかったようで(笑)。
桃月庵白酒師匠が、「お金になりそうだから落語協会が企画に寄っていったんです」みたいなことを言って笑いをとってましたが(笑)、私も漫画を読んだことがなかったので、特に問題もなく普段通り、いや、普段以上に大爆笑の楽しい会でした。
橘屋文蔵師匠は『ちりとてちん』。
文蔵師匠は初めて聴きましたが、こわもての文蔵師匠(笑)が演じる登場人物の可愛らしさに、大笑いでした。
白酒師匠は『松曳き』。
白酒師匠も『松曳き』という噺も初めて聴きましたが、終始爆笑&爆笑。
粗忽者があまりにも粗忽すぎて頭がくらくらしてしまいました(笑)。
仲入り後には、喬太郎師匠とドラマの監督さんが登場して撮影裏話などがありつつ。
トリの喬太郎師匠は『ハワイの雪』
マクラでは、この日も季節の話や「(こういう会なのに)古典じゃありません」と宣言して笑いをとっていましたが、本編は、爆笑そして・・・。
真夏の浅草に雪が見えた・・ような気がしまた。
8月に入るとすぐに、喬太郎師匠と白酒師匠の二人会へ。
この日の会は、一人一席ずつだったので、白酒師匠は『お化け長屋』をマクラを含めて40分たっぷり。
白酒師匠の『お化け長屋』は面白いのはもちろん、登場人物の誰もが嫌味がなくていいな~。
あと、今までこの噺は途中までのバージョンしか聴いたことがなかったのですが、最後(?)まで聴けたのが新鮮でした。
喬太郎師匠は、「一人一席じゃなくて二席にすればお客さんも喜ぶのに、主催者は何考えてるんだ!」と悪態をついたりしてましたが(言った後すぐに平身低頭謝罪・笑)、長いマクラを含めてたっぷり50分。
マクラでは、デンマークやアイルランドへ行った話などを約30分。
高座で"のたうつ"喬太郎師匠(苦しんでたわけではありませんが、これ以外に適当な言葉が見当たらないので)に、大笑いでした。
で、本編は『夢の酒』。
約2週間ぶりに再会のやきもち焼きの奥さん、不器用さはこの日も変わらずでした(笑)。
8月はまたまた浅草演芸ホール、正蔵師匠が主任を務める中席へ。
始まって二人目くらいの出番のときに、発芽の会でお馴染みの林家ひろ木さんが、代演で登場。
ひろ木さんが出てきても会場は特に反応はありませんでしたが、私は一人心の中で「おぉ、ひろ木さんだ!」とテンションが上がってしまいました(笑)。
その、ひろ木さん、急な代演だったようで、めくりが用意されておらず「大事にされてない」と小さな声でぼやいてました(笑)。
演目は発芽の会でも聴いた『クイズの王様』(おじいちゃんがクイズ番組に出る噺)。
短めのバージョンになってましたが、面白く客席の反応もとても良かったです。
権太楼師匠はこの日も『代書屋』。
面白かったけど別の噺も聴いてみたかったな~。
初めて聴くさん喬師匠は『そば清』。
最初の挨拶から師匠の人柄がにじみ出ていて、すっかり聴き入ってしまいました。
喬太郎師匠は『野ざらし』。
喬太郎師匠がこの噺をやるのは珍しいらしいのですが、感想は・・・これ、小三治師匠の『野ざらし』だ・・・。
今まで小三治師匠の『野ざらし』は6,7回は聴いており、かなり印象に残っているわけで。
(実は5月に小三治師匠の独演会へ行ったのですが、その時も『野ざらし』でした)
テンポや間の取り方などを含め、小三治師匠のそれにそっくり。
唯一喬太郎師匠らしかったのは、お礼に来た女の幽霊の仕草や喋りくらいかな?
小三治師匠が透けて見えてしまうというのは、喬太郎師匠にとっては不本意だと思いますが、あくまでも素人の感想ということで、妄言多謝です。(そもそもこの噺を喬太郎師匠は誰から習ったのかわかりませんし・汗)
トリの正蔵師匠は『鼓ヶ滝』という噺。
初めて聴く噺でしたが、田舎のお爺さんやおばあさんの朴訥な感じが、正蔵師匠にぴったりという感じでした。
9月は末廣亭中席へ。
この日の客席は若い女性が多くてビックリ。
2割くらいはいたかな??
喬太郎師匠のファンなのか、あるいは、昨今の落語ブームというのがフェイクニュースではなく本当だからなのかはわかりませんが、いずれにしても喜ばしいことであります。
奇術の伊藤夢葉さんは、相変わらず意味不明(ただの趣味だそう・笑)な鞭で音を鳴らしつつカードマジックも披露して、笑いながらも感心。
橘屋文蔵師匠の『時蕎麦』は季節外れの噺でしたが、それもネタにして大笑いの『時蕎麦』でした。
柳家小ゑん師匠は新作、『下町せんべい』という噺だそうで面白かったです。
主任の喬太郎師匠は『夢の酒』。
この夏3度目の『夢の酒』、う~む、これは運が良いのか悪いのかわかりません(笑)。
ただ、面白くて大笑いだったのは変わらずでした。
そしてこの2日後は、さん喬師匠と喬太郎師匠の親子会へ。
さん喬師匠はマクラで、喬太郎師匠の話や小さん師匠との思い出など、親子会らしい話をしつつ『棒鱈』を披露。
それまでの、さん喬師匠の穏やかな語り口とはうって変わった酔っ払いの演技に、♪いちがち~はテンテコテン♪と、思わず一緒に口ずさみたくなってしまいました(笑)。
喬太郎師匠も、マクラではさん喬師匠と一門で飲みに行った話などをしつつ、映画の話も。
「ゴジラ」の話を語りたい様子の喬太郎師匠でしたが、主催者が噺を決めているので出来ず、「好きなものをやらせろ!」と舞台上で悪態(笑)。
でも、間髪を入れず「申し訳ございません」といつものように平身低頭謝ってました(笑)。
(ちなみに同率一位で好きなのは「の、ようなもの」。マクラではこちらの話をしてました)
で、この日主催者が決めていた噺は『偽甚五郎』。
タイトルがすでにネタバレな感じですが(笑)、それだけでは終わらない噺でした。
仲入り後は、喬太郎師匠が新作の『夫婦に乾杯』。
マクラも含め爆笑の約20分でした。
そして最後は、さん喬師匠の『唐茄子屋政談』。
上品な語り口で約50分。
場内からは鼻をすする音も聞こえてきたりして、すっかり聴き入ってしまい流石でありました。
そして、今日はまたまた末廣亭、9月中席の千穐楽へ。
いや~もう、喬太郎師匠が出てきてから30分間ずっと笑ってた気がするな~。
あまりにも笑い過ぎて、途中何度もせき込んでしまいました(笑)。
「任侠流山動物園」は一応知ってはいましたが、生で聴くのは初めて。
「千穐楽だけどそういう(古典をやる)気分じゃないんで」と言ってみたり、トリ前に出演した小ゑん師匠の「フイッ!」(初めて聴きましたがこちらも大爆笑でした)を挟んでみたり、ライブならではの楽しさを大満喫してしまいました。
雨の中行った甲斐がありましたブヒ(笑)。
(トラ男の動きは「キャッツ」を超えてるな・笑)。
・・・長々と書いてしまいましたが、これがこの夏(から秋にかけて)の、私と落語でした(笑)。