柱をつなぐ天井下にある横木である、長押(なげし)などを固定させる釘の頭をおおう装飾金具をいうそうです。六角形の六葉といわれる形が多いようです。建築の特殊な部材の多くがそうですが、本来の機能を多分に装飾的にした、見ごたえのあるものになっていることが多いようです。好文亭の釘隠(くぎかくし)以外には皆、猪目(いのめ)のハート模様がほどこされています。多分、出来合いを使用したものも多いでしょう。常陸太田市に徳川光圀が作った隠居所・西山荘では、釘隠に貝殻が使われています。
弘道館(三の丸1-6-29)
中央に跳び出している「樽の口」の上面には、徳川家の紋・三葉葵が刻されています。
好文亭(常磐町1-3-3)
藩主の間(ま)にある珍しそうな釘隠です。好文亭にはほかに六葉の釘隠もあります。
別雷皇太神(元山町1-1-57)
「樽の口」の付け根を菊座というそうで、菊がデザイン化されています。
鹿島香取神社本殿(青柳町434)
これも六葉で、猪目と菊模様の菊座があります。
香積寺(渡里町111)
これも別雷皇太神と同様です。