平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「光る君へ」第14回「星落ちてなお~まひろ、道長は挫折! 道隆の独裁が始まり、清少納言は「わたしのために生きる」宣言!

2024年04月08日 | 洋画
 まひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)、『挫折』である。

 まひろは文字を教えていたたねの父親にこんなことを言われてしまう。
「俺らはあんたらお偉い方の慰みものじゃねえ」
 日々の生活に追われている民にとって必要なのは労働力であって文字ではないのだ。
 貴族と庶民の間にある深い溝。
 仲介役だった直秀(毎熊克哉)がいたら……。

 道長は検非違使庁の改革案を何度も出して却下される。
 兄である摂政・道隆(井浦新)に拠ると
「下々の者のことは下々にやらせておけばいい」ということらしい。
 道長は却下されて、
「俺は何ひとつなしていない……!」

 現実に対して、まだ無力なふたりである。
 ………………………………………………………………

 星が落ちた。
 兼家(段田安則)が亡くなった。

 死の際、欠けた月を見て兼家は何を思ったのだろう?
 家を守るばかりか、隆盛に導いて満足だったのか?
 自分がやって来た非道を悔いたのか?
 自分が多くの人間の恨みを買っていることは認識していた?
 兼家は何も語らなかった。
 唯一、語ったのは、道綱の母・寧子(財前直見)と過ごした日々について。
「輝かしい日々であった」

 兼家が亡くなって、長男・道隆が摂政に。
 自分の息子・伊周(三浦翔平)はわずか十七歳にして蔵人頭に。
 実資(秋山竜次)いわく、「まったくもって異常! 異常中の異常!」
 中宮と皇后が並び立つ前例がないのに、定子(高畑充希)を中宮に。
 ラストのナレーションで「道隆の独裁が始まった」
 ドラマでは道隆という人物があまり描かれていなかったが、この急変は何が原因なのだろう?
 権力が道隆を狂わせたのか?
 もともと独裁者的な気質の人物だったのか?

 次男・道兼は酒におぼれる日々。
 父・兼家に、お前は汚れ仕事をしろ、と断言されてしまった。
 これを受けて、
「この老いぼれが! とっとと死ね!」
 妻・繁子(山田キヌヲ)からは三下り半。
 この人は弱い人だからな。過去の所業が心を蝕んでしまったのだろう。
 道兼はどこへ行く?

 道長は心の中をはっきり見せない。
 現実の中でどう生きていけばいいか迷っている様子。
「検非違使庁の改革」では自己主張をしたが、基本は流されている。
 ただ父を慕っていた。
 父に拒絶された道兼のことも心配していた。
 明子(瀧内公美)の見舞いにも来た。
 道長のベースにはやさしさがある。
 ………………………………………………………………

 女性たちはたくましい。

 兼家を手なづけた道綱の母・寧子。
 道隆を立てながらコントロールしている妻・高階貴子(板谷由夏)。
 道兼に三下り半をつきつけた繁子。
 実資の新しい妻は実資に日記を書かせることに成功!
 明子は何と兼家の呪詛に成功してしまった!
 
 そして清少納言ききょう(ファーストサマーウィカ)。
 和歌の会の姫たちを「つまらない」と語り、
「自分を慰める女でいよ」という夫と別れ、子供も押しつけて、
 まひろに言う。
「私は私のために生きたいのです」
「私のためにやったことが他の人のためにもなる。そんな道を見つけたいのです」

 このききょうの宣言に対し、まひろは何を思ったのだろう?

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4 コメント

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あと6話 (TEPO)
2024-04-08 17:55:17
>まひろと道長、『挫折』である。
辛い日々ですね。

>仲介役だった直秀がいたら……。
本当にそう思います。
それはまひろのみならず、道長についても。
まひろと道長は直秀の「影響」で「庶民への共感」という視点をもったものの、実際に彼らがしていることは、現実認識に欠けた夢想家的な言動にしか見えません。
まひろの「識字教育ボランティア活動」、たねの父親の言葉の前に玉砕。
道長も、道隆や公卿の会議でただ「民は大事」と言うだけで、現実を変えるための具体案や根回しは皆無の様子。
「民の現実」を知悉している直秀がいてくれたら、まひろにも道長にも有効な助言をしてくれただろうに、と思います。

これから道長を待ち受けているのは道隆・伊周父子、道兼との関係で6話分。
特に道隆の死後(道兼の死は道隆の数日後なのでほぼ同時)は伊周との政治闘争。
前に書いたように、第21話以降が「越前編」とのことですので、それまでに道長は政治闘争に勝利することでしょう。
為時の越前赴任は、決して「左遷」ではなく「栄転」です。
花山天皇に仕えていた時期は、天皇に直接近侍していたとは言え「式部丞・六位蔵人」に過ぎませんでした。
為時が「従五位下・越前守」になることで、まひろも晴れて「女房就活」の条件とされていた「五位受領の娘」になれるわけです。
この為時の出世は道長の後ろ盾あってのことなので、あと6話で道長は政治闘争の勝者になることになります。
つまり、これが「辛いトンネル」の出口。

>道長のベースにはやさしさがある。
兼家を呪詛していた明子、道長に対しては少し違った思いをもつのかもしれません。
この道長の「やさしさ」、今後彼が政治闘争に勝利していっても失わないで欲しいものです。
本作の「ヒーロー」(ヒロインの「お相手」)としての基本条件ですので。
無論、あと6話で倫子も含めてまひろ、道長の好意的関係が安定してほしいものです。
権力闘争の6話 (コウジ)
2024-04-09 07:49:32
TEPOさん

いつもありがとうございます。

>現実認識に欠けた夢想家的な言動にしか見えません。
確かにそうですね。
たねについては具体的に描かれませんでしたが、おそらく、たねは自慢げに父と母の名前を書いて逆に叱られてしまったのでしょう。
道長はおっしゃるとおり思いを実現するための権力、あるいは権力がなければ根回しをして賛同者を集めるといった政治的な動きをしなければなりませんよね。

>あと6話で道長は政治闘争の勝者になることになります。
20話までは道長の兄たちに対する権力闘争が描かれるんですね。
これはこれで面白そう。
道長はどんな闘い方をするんでしょうね。
まひろは道長に対しどのような反応をするのか?

明子は道長に対しては好意的な雰囲気でしたね。
兼家を呪詛して憑き物が落ちたのでしょうか。
倫子は、いまだに道長のおもいびとが明子だと思っている様子。
果たして気づくのか?
すべての登場人物がそれぞれに動き始めましたね。
荘園経済 (2020-08-15 21:07:49)
2024-04-11 06:49:19
道長さんの検非違使庁改革案も、やはり都の中に限定された話ですね。さて、これからこの「都の限界」をどう超えるのか。
アニメのベルばらには、オスカルはパリ生まれパリ育ちで、領地のアラスには一度も行ったことがなかったが、行ってみて領民の貧しい暮らしに愕然とした、というエピソードがあったように記憶しています。
今後道長さんが見聞をどこまで広げられるのか、楽しみです。
貴族たちの「コップの嵐」的な人物相関の一方で、今回の脚本は社会にもきちんと目を配っているような気がします。
平安時代は中世の始まりです。中世社会の特徴は荘園の存在で、行政権や課税権が及ばない荘園が増殖するほど、貴族のファミリーは栄えても、国家は推戴するという図式ができます。

まひろさんは越前に行って見聞を広げるのでしょうが、道長さんは都に留まるわけで、そのあたりで価値観の差が出てきて、すれ違いになる。といったストーリーもあるかもしれません。
平安貴族~清盛~頼朝 (コウジ)
2024-04-11 07:43:38
2020-08-15 21:07:49さん

いつもありがとうございます。

>まひろさんは越前に行って見聞を広げる
おそらくそうなるんでしょうね。

一方、「コップの嵐」の宮廷の貴族たち。
「下々の者のことは下々の者にやらせればいい」
「小豆島は僻地」
「皇后と中宮が並び立つなどあり得ない」←民にとってはどうでもいい話。

こんな貴族社会の時代から平清盛が登場して、頼朝が力を得て地方の時代・武士の時代になる。
「民なくば」と言っていますが、道長が地方に目を向けるのは難しいのかもしれませんね。

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