平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「らんまん」最終回~オタク、妻、母、実業家──寿恵子を演じきった浜辺美波さん、お見事でした!

2023年09月30日 | その他ドラマ
 朝ドラ「らんまん」が最終回を迎えた。
 万太郎(神木隆之介)を始めとする登場人物たちが花を咲かせる物語だった。
 万太郎は3200種あまりを紹介した「植物図鑑」をつくり、全国に植物愛好者を育てた。
 綾(佐久間由衣)と竹雄(志尊淳)は新しい酒「輝峰」をつくった。
 波多野泰久(前原滉)は「イチョウの精虫」を発見し、
 藤丸次郎(前原瑞樹)は細菌学・醸造学を切り拓いた。
 その他、万太郎の周囲の人々はそれぞれに花を咲かせた。
 撒いた種は花となるのだ。
 まさに「らんまん」!
 ……………………………………………………………

 そんな中、抜群の存在感を見せたのが万太郎の妻・寿恵子(浜辺美波)だろう。
 寿恵子は当初、「八犬伝」オタク、「滝沢馬琴」推しとして登場した。
「八犬伝の剣士たちの活躍を見守る野原の草になりたい」と話すようなオタクぶり。
 これで視聴者の心を掴んだ。
「八犬伝」オタクはさらに加速し「自分も冒険の旅に出たい!」と言い出すことに。
 結果、ドレスを着て鹿鳴館デビュー。
 そして万太郎と出会い、次のような夢を抱くようになる。
 滝沢馬琴が盲目になっても「八犬伝」を書き上げたように、万太郎に日本全国の植物を収録した「植物図鑑」を完成させてほしい!

 このあたりから寿恵子は現実的になり、夢が具体的になっていく。
 万太郎の夢のために内職をし、質屋通い。
 峰屋に託された1000円を惜しげもなく石盤印刷機購入に充てる。
 新橋にある叔母の料亭で中居として働き、
「八犬伝」講談で政府や財界の要人の人気者になり、渋谷に料亭を開く。
 関東大震災などもあって渋谷は注目される街になり、店は大繁盛。
 しかし、万太郎が標本を研究に没頭できる場所、膨大な標本を保管できる場所を確保するために渋谷の料亭を売り、大泉に引っ越し、植物研究所をつくる。

 寿恵子、あっぱれ! 豪傑である!
 寿恵子だけでもひとつのドラマが成立しそうで、寿恵子が第二の主人公と言われる理由はここにある。

 そして、ここで注目したいのが浜辺美波さん。
・八犬伝オタク
・自分も冒険の旅へ、と考えてしまう空想と現実の区別のつかない女の子
・内職、質屋通いする妻
・二男二女の母
・職業婦人、実業家

 これだけの人物を見事に演じ分けた。

 これまで僕は役者・浜辺美波さんをそんなに評価していなかった。
 演じる女の子は探偵であっても、医者であっても、復讐する女性であってもどれも同じ。
 どれも「浜辺美波」が見え隠れする。
 だからかつらとコミック的なキャラクターで「浜辺美波」を消せる「賭ケグルイ」は浜辺美波作品の中で唯一面白かった。
 しかし、今回の「らんまん」では見事に寿恵子を演じきった。
 特に9/22(金)の万太郎の肩に寄りかかる寿恵子は見事だった。
 背中と表情で、これまでふたりが歩んで来た歴史とふたりの愛情を表現していた。
 この肩に寄りかかる寿恵子は最終回のラストカットでも見られる。

 偉そうに語ってしまうが、「らんまん」は浜辺美波さんを開花させた気がする。
 浜辺さんの次回作が楽しみだ。


※関連記事
「顔に特徴がない」「不器用がすぎる」浜辺美波が乗り越えた2つのコンプレックス《『らんまん』視聴率トップに立つまで(文春オンライン)
 同じようなことを考えていた人がいました。

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「インボイス導入で困る人は需要がない。廃業しろ」という発言が炎上中!~強者の論理に辟易する……

2023年09月27日 | 事件・出来事
 とある経営コンサルタントのXでの「インボイス」についての発言がプチ炎上している。
 いはく、

 イラストレーターとか、夢を追うのも自由だが、
 そもそもインボイス導入で困る人って作品に需要がない。つまり才能がない。
 介護・外食など人手不足な業界は幾らでもある。
 イラストは趣味でやれ。プロ辞めろ。


 これが「強者の論理」なんだろうな。
 まあ、この人、過去ZOZOの執行役員を務めていたらしいが、
 今は辞めてYouTubeで稼いだり、Xで仕事の依頼をしているような人物。
 決して「強者」だとは思わないが……。

 そもそも、この人はふたつの点で間違っている。

 まず一流と言われて活躍している人も下積みから始まる。
 役者、芸人、ミュージシャン、文筆家、アニメーターなど、皆そうだ。
 小さな仕事をいくつもこなしているうちに機会に恵まれ、何とか食べていけるようになる。
 そんな食べていける人の中でも年収1000万を超える人はごくわずかだ。
 それなのにこの人は「趣味でやれ」「プロ辞めろ」と言う。
 こうした下積みの人達がインボイスで廃業したら、業界が先細りして、
 芸術やカルチャーが衰退するわ!

 つーか、あんたに経済効率で「才能」を語られたくないわ!
 ゴッホだってベートーヴェンだって貧乏だったぞ。
 石ノ森章太郎、藤子不二雄らときわ莊の漫画家たちも貧乏だったぞ。
 あるいはメジャーじゃないけど、いいものを作っているクリエイターはたくさんいる。

 インボイス導入で影響が出るのはエンタメ関係だけではない。
 農業、漁業、運送、建設業、街の小さな商店もそうだ。
 売り上げ1000万以下の会社なんて山のようにある。
 これらが廃業・倒産してなくなったらどうなるのかな?
 日本の社会基盤が弱くなる気がするけど。

 ふたつめの問題。
 インボイス導入で物価が上昇する。
 メーカーが免税業者の消費税を引き受けた場合、メーカーはその分を商品価格に上乗せする。
 結果、物価があがる。
 たとえば大工の親方が
「インボイス登録? そんなものしねえよ。それを要求するなら他で仕事をする」
 と突っぱねたら、建設会社は大工の親方の消費税分を引き受けざるを得ない。
 その引き受けた分を建設会社は価格に転嫁する。
 結果、物価が上がる。

 そもそも税金というのは「富を再分配」するためにある。
 富める者の富を分配して社会に還元するのが税の役割だ。
 だから収入に応じて税率が違う「累進課税制度」が採られている。

 ところが消費税は儲かっていても儲かっていなくても、すべての人から一律に取る。
 富める者の消費税10万円と貧しき者の消費税10万円は意味が違う。
 これが消費税の逆進性であり、ヤバい所だ。

 昔の富裕層は「富の再分配」に理解があったと思う。
 だが、今は違うようだ。
「どうして俺たちの稼いだ金をダメやつに分けなくちゃいけないんだ」という考えが散見する。
 それだけこの国に余裕がなくなったということだろう。

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どうする家康 第36回「於愛日記」~心から笑う於愛の笑顔は偽りではなかった! 茶々は登場して、ダーン! ダーン!

2023年09月25日 | 大河ドラマ・時代劇
 オープニングを見ていたら『茶々 北川景子』
 そう来たか!
 んで、X(ツイッターに)流れて来た北川さんのコメントを読んだら、
「『どうする家康』のラスボス的存在らしいので思いきり楽しみます!』
 実際、登場した茶々はぶっ飛んでいた。
 鉄砲を構えて「ダーン!」「ダーン!」
 さて、どんな淀殿を見られるか?
 …………………………………………………………

 今回のキイワードは『偽り』だろうか?
 冒頭、於愛(広瀬アリス)が「わたしの笑顔は偽りです」と爆弾発言。
 そうだったのか。
 於愛は裏表のない朗らかな天然の女性だと思っていた。
 でも心の奥底には複雑な思いを抱えていた。
 作家としては於愛をもう少し掘り下げて描いてみたかったのかもしれない。

『偽り』──これは時を経て本当になる。

 そのテーマを別の形で描いたのが千代(古川琴音)だ。
 千代は忍びとして偽りの人生を歩んで来た。
 だが鳥居元忠(音尾琢真)と出会って、本当の愛を得た。
 自分や他人を偽らない、本当の人並みの人生を歩めるようになった。

 於愛の場合も偽りが本当になった。
「殿はこうすること(手で頬をあげて偽りの笑みをつくること)を忘れさせて下さいました」
 そして信康の婚礼の鯉の話で笑い転げた。←どんな話か気になるな……。
 笑いが本物になった瞬間だ。

 夫を亡くし自ら命を断とうとしていた於愛。
 彼女は家康(松本潤)に仕えて人生を有意義で豊かなものにすることができた。

 人生は最期まで生きてみないとわからない。
 歩み続ければ別の景色が見えて来る。
 決して一時の感情で、命を断とうとしてはいけない。

 於愛は家康にとってどのような存在だったのだろう?
 家康は千代に言った。
「幸せになることが生き残った者の務めであるとわしは思うぞ。
 彦(鳥居元忠)を支えよ。これがわか命じゃ。
 忍びの過去を捨て鳥居元忠の妻になるがよい」

 家康にこれを言わせたのが於愛だった。
 於愛は家康に言った。
「人の世は茨の道。慕い慕われるは幸せなこと。それを得たのなら大事にすべき」

 於愛は家康に「やさしさ」と「愛情」を教えたのだ。
 それは亡き瀬名(有村架純)の思いでもある。
 於愛は瀬名の思いを引き継いだ。
 …………………………………………………………………

 こうして退場していく女性たちの中、闘う次の世代の女性たちが登場した。

 ひとりは先程の「ダーン! ダーン!」の茶々。

 そして本多忠勝(山田裕貴)の娘・稲(鳴海唯)。
 真田に嫁ぐ決心をした稲は言う。
「夫婦(めおと)をなすも、おなごのいくさと思い知りました。
 真田家、わが戦場として申し分なし!」
 か、かっこいい!

『どうする家康』の女性たちは皆、魅力的だ。
 千代も鳥居元忠の死によって多分復活するだろうし、お葉(北加那)も随所でさりげなく出て来るし、次はどのような女性が出て来るのだろう?

 さて、於愛をめぐる、やさしくていい話の後はドロドロの世界。
「欲望の怪物」秀吉(ムロツヨシ)が暴走し、狂い始めた。
 もはや誰も秀吉を止められない。
 暴力と理不尽な世界がふたたび家康に牙をむいて来た。

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「最高の教師」最終回~色彩豊かな世界に変わっていく教室。取り残された犯人は死を決意する……

2023年09月24日 | 学園・青春ドラマ
 昨日、最終回を迎えた『最高の教師』。
 東風谷さーん!
 もう東風谷さんに会えなくなるのが哀しい……。
 あの抜群の透明感……!
 これで當真あみさんは引っ張りだこになるだろう。
 僕は『オールドルーキー』の頃からチェックしてたけどね。
『城塚翡翠』『どうする家康』で完全に認知した。
 って、これがドラマを見た感想かいっ!
 もっと他に語ることはないのかいっ!
 ………………………………………………

 というわけで今回の最後の犯人について考察してみよう。

 犯人の見ていた世界はモノトーンだった。
 すべてが退屈で、見ること聞くことすべてが無意味で心が躍ることがなかった。
 そんな犯人が自分と同じ景色を見ている人間を発見した。
 九条里奈先生(松岡茉優)だ。
 里奈は夫と離婚し、教師としても無力で、生きる意味を見失っていた。
 自分と同じ人間を見つけて、犯人はいっしょに死のうと思った。
 里奈を突き落して、その後、自分も死のうと思った。
 これが犯人の一周目の動機だ。

 では里奈・二周目の犯人の動機は何か?
 犯人が見た二周目の里奈には『色』がついていた。
 色がついた里奈は生徒と真っ正面から向き合い、生徒を変えていった。
 闘って、教室を『色彩豊かな世界』に変えていった。
 そんな里奈に犯人は『革命を起こすヒーロー』を見た。
 他の生徒が変わっていったように、里奈なら自分を変えてくれるのではないかと考えた。
 しかし里奈は自分を変えてくれなかった。
 それどころか自分の存在などないかのようだった。
 犯人は浜岡修吾(青木柚)や西野美月(茅島みずき)を使い、さまざまな形でラブコールを送った。
 しかし里奈は気づいてくれなかった。
 絶望した犯人は里奈と共に死のうと思った。
 里奈を突き落すことが犯人の最後のラブコールだった。
 これが二周目で突き落そうとした犯人の動機だ。
 …………………………………………………………………………

 犯人は「共感力」のない人間だった。
 D組の生徒たちは泣いたり叫んだりしているのに犯人は何も感じなかった。
 自分はこのままモノトーンの世界をずっと生かなくてはいけないのか……。
 絶望した犯人は死を考えた。
 里奈に自分の存在を認知してもらいたいと思い、突き落そうとした。

 こうしたモノトーンの景色を見ていた人物はもうひとりいる。
 一周目の鵜久森叶(芦田愛菜)だ。
 死ぬ直前の鵜久森叶の見ていた景色もモノトーンだった。

 世界との不調和。居心地悪さ。
 人は多かれ少なかれ、これを抱えて生きている。
 一歩間違うと世界はたちまちモノトーンになる。
 相楽(加藤清史郎)や西野美月らD組の生徒たちはモノトーンの世界に落ちることを怖れて、抗い、もがいた。
 結果、最終的に世界と和解した。
 世界は変えられると理解した。
 では犯人は……?
 犯人は真っ赤な太陽を見ることができた。
 里奈は「それで十分です」と語った。
 おそらく犯人は変わることができるだろう。

『最高の教師』が描いた人の心の深淵。
 自分の心の中を突き詰めて見ていくと、おそらく犯人と同じ風景が見えて来る。
 だが、それを見たくないので人は別のことに目を背ける。
 生き方としては「東風谷さん、かわいい!」と言っていた方が気楽でいい。
 自分や他者と真っ正面から向き合うのって大変なことなんですよね。

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バカですか? ②~経団連・十倉会長「社会保障のために消費税などの増税から逃げてはいけない」

2023年09月21日 | 事件・出来事
 経団連の十倉会長の「消費税などの増税から逃げてはいけない」発言が批判されている。
 その批判内容については前回その①で書いたとおり。

 では、なぜ彼らは消費税UPにこだわるのだろう?
 消費税を上げれば商品が売れなくなり、国内市場が縮小し、
 結果として自分たちの首を絞めることになるのに……。

 ネットではこんなことが言われている。

 富裕層からすると、消費税増税、所得税減税は助かるわ

 確かに。
 たとえば電気代やガス代にも消費税はかかる。
 だが、電気やガスを使う量は庶民であれ金持ちであれ、そんなに変わらない。
 一方、月収200万の電気代3万円と月収20万の電気代3万円では意味が大きく違う。

 消費税高いとされてる国は軽減税率で生活必需品は5%台とか0%だし
 ちゃんと消費税を社会福祉に当ててる


 消費税UPを容認する人が例として挙げるのがこれだ。
「他国の消費税は日本よりはるかに高い」
 でも上のコメントにもあるとおり、
 食品とか生活必需品に掛かる税率は0%とか低率なのだ。
 まあ、消費税が高くても社会保障がしっかりしていれば、それでもいい。
 だが、日本は「健康保険料」や「年金保険料」を併せて取られる。
 その他、さまざまな形で税金を取られて、
 一説に拠ると日本の税金負担率は「6公4民」と言われている。

 なんで法人税は何度も減税されてるんだよ
 おかしいだろ


 これが今回の最大のテーマだ。
 政府は「消費税は社会保障に使われています」と言っているが、それは本当か?
 実は、消費税増税分は法人税減税に使われている。
 消費税の税収10兆とすると、その10兆は法人税減税に宛てられる。
 何しろお金に色はついていないですからね。

 財務省の発想はおそらくこうだ。
「政治家と財界が法人税を減税しろ、と言ってるぞ」
「法人税減税分をどこで補填しよう?」
「そうだ。消費税で補填しよう」

 同じことは防衛費でも言える。
 今は予備費や個々の税金の税率をあげることで賄っているが、
 いずれ消費税で賄う時が来る。

・輸出企業は逆に戻し税で還付金がもどる。
・21年度の消費税収26兆円のうち1兆7千億円余りが輸出大企業上位20社に還付
・アホは輸出戻し税で大企業が何百億円も減税されていると理解できないのな


 最近、話題になっているのは、この「輸出還付金」だ。
 輸出大企業にとっては、輸出すれば消費税分が戻って来るので、こんなにおいしいことはない。

 このように大企業は税制でさまざまな優遇を受けている。
 庶民は正直に納税してるが、まさに「正直者がバカを見る」世界だ。
 ………………………………………………………………

 以上が経団連が「消費税UP」を歓迎する理由である。

 ある経済人が言っていた。
「日本が生き残るためには格差拡大は仕方ない」
 これが経団連の本音なのだろう。

 というわけで、ふたたびネットの言葉。
 
 日本の経済政策は何が経済学的に正しいのかではなく、
 財務省と経団連にとって何が得であるのかによって決まっている。
 日本経済がどうなるかなど、彼らにはどうでも良いのである。


 経団連が日本のことを考えずに自分のことだけの圧力団体に成り下がって30年
 その間成長せずに凋落してんだからな


 法人増税から逃げんなゴミ

 経済界も身を切って国民の負担を軽くしろよ

 経団連企業だけ100%に増税すればいいよ。
 輸出還付金も廃止。


 内部留保税の新設しかないな

 経団連企業ってほんと糞だよね
 まともに税金納めず優遇されてるのに、
 GAFAみたいな冠たるグローバル企業もない無能集団だし


 ほんと、それ、
 アベノミクスで株価だって上がっているんだから、
 商品開発や技術開発に投資して、世界が驚く商品をつくってみろよ。
 現在、世界に通用する日本の商品は「自動車」だけ。
 その自動車も他国に押されている。
 あと思い当たるのは「アニメ」「ゲーム」だが市場規模は小さい。
 結果、今めざしているのは「インバウンド」「観光立国」だ。

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バカですか?~経団連・十倉会長「社会保障のために消費税などの増税から逃げてはいけない」①

2023年09月20日 | 事件・出来事
 経団連の十倉雅和会長、いはく。
「若い世代が将来不安なく、安心して子どもを持つには全世代型の社会保障改革しかない。
 それには消費税などの増税から逃げてはいけない」


 出たよ、増税! どんだけ搾り取れば気が済むんだ?
 この発言に対してネットでは怒りと怨嗟の声。
 というわけで、ネットの賢人たちの声と僕なりのコメントをしていこうと思う。

 消費税上げたら消費も減るだろう
 経団連は消費して欲しくないようだな、よろしいw


 そのとおり。
 消費税を上げるってことは国民の使えるお金を少なくするってことだ。
 結果、消費が冷え、経団連の皆さんの商品も売れなくなる。
 つまり自分で自分の首を絞めることになるのだが、経団連は国内市場を棄てているのかね?
 というわけで経団連の皆様には以下の言葉を贈ろう。

 消費税は廃止でよろしい。
 国民は高い商品からドンドン買っていくだろう。
 大型バイク、高級車、家、マンション、高額家電…。
 消費税廃止で10%安くなれば、高額商品の方がお得感があるから。


 そのとおり。
 減税すれば皆がお金を使い、商品が売れて市場が活性化して、結果税収があがるんだけどな。
 どうしてこれに気づかない?
 少子化対策については──

 安心して子供を持つために増税?
 消費税導入して消費を冷やし続け子どもたちが減っていった30年だが


 そのとおり。
 財布に余裕がないから、みんな、子供を持とうとしないんだよ。
 だって子供を育てるって責任の要ることだからね。
 子供に惨めな思いをさせたくないし、しっかりした教育を受けさせたいと思うのが親心。

 だから、最初にむしり取って、後で配る
 という発想はやめなさいっての。


 ほんと、それ。
 子育て支援のために税金を配る。
 これはいいことかもしれないが、一方で消費税を取ったら元も子もない。
 仮に子育て支援で1万円もらっても、消費税UPで1万円払ったらプラスマイナス・ゼロだ。

 だから、余計なことをせずに減税すればいいんだよ。
 集めて配るんじゃなくて、減税して配る。
 この方が国民一律で、不公平感もない。

 税金を払うのがどうしても嫌な人間は日本から出ていきましょうね
 それが国のためなんだから日本人として俺は喜んで払うよ


 これには反論させてもらう。
「それが国のためなんだから日本人として俺は喜んで払うよ」
 では、その「国」とは何なのか?
 経団連などの上級国民様と税金をチュウチュウ吸うハイエナのことだ。
「国」という言葉に欺されてはいけない。
 上記のような発言者のことを『肉屋を支持するブタ』と言う。
 自分は殺され食われる存在なのに主人に尻尾を振っている。

 社会保障は老人、病人、障害者等の既得権益ではありません。

 これにも反論させてもらう。
 自分たちの税金が高いのは、高齢者・病人・障碍者がいるからだという論理。
『若者VS高齢者』
 という対立をつくって自分たちへの批判を逸らそうとしている。
 その自分たちというのは「税制で優遇を受けている大企業」や「税金に群がる既得権者」だ。
 だから本当の対立軸は、わかりやすい言葉で言うと──
『一般国民VS上級国民』だ。
 上の連中はこれに気づかれることを怖れている。

 さて今回はここまで。
 次回はなぜ経団連が消費税増税を望むかを書いていきたい。

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どうする家康 第35回「欲望の怪物」~いくさなき世か……。切り取る国はまだまだある。

2023年09月18日 | 大河ドラマ・時代劇
 大河ドラマでしばしば描かれる家康と秀吉の会見前夜。
 今作はどう描いたか?
「そのような芝居はなしにしましょう」
 家康(松本潤)は秀吉(ムロツヨシ)のウソを全部見抜いていた。

 ふたりの腹の探り合い。
 時折、発せられるお互いの本音。
 ジャブの打ち合いから、繰り出されるストレートパンチ。
 面白いやりとりだ。

 一方、家康の腹の奥底には前回到達した境地──
「世の中が平和になるのなら誰が天下を取ってもいい」
「いくさなき世のためなら秀吉に膝を屈してもいい」
 という思いがある。
 だから、家康は穏やかだ。

 しかし秀吉は──
「いくさなき世か……。
 いくさがなくなったら武士達はどうなる?
 民を豊かにすることもできぬ。
 切取る国はまだまだある」

 つまり朝鮮出兵である。
 これで家康は自分が天下を取らなければならないと考えるのだろう。
 ……………………………………………………

 秀吉の母・仲(高畑淳子)は『欲望の怪物』になってしまった秀吉に違和感を抱いている。

「あれはわしの息子なんかのう?
 首根っこを押さえておかないととんでもないことをする。
 とんでもねえ、化け物じゃ」

 人の欲望は果てしない。
 現状に満足せずに、もっともっとと求めてしまう。
 普通の人間なら、ある段階で欲望の追求に疲れてしまうのだが、
 秀吉のような、一部の人間はそうはならない。

 母・仲は外に出て畑仕事ができれば満足できる人間だ。
 足るを知る。
 これが人の素朴で崇高な生き方だと思うのだが、
 世の中には『欲望の怪物』がいて、民を苦しめる。
 ……………………………………………………

 石田三成(中村七之助)は夜空に星座を見るロマンチストとして描かれた。
 こういう人は政治家に向かないと思うのだが、能吏であるがゆえに抜擢されたのだろう。

 家康は、夜空に星座を見る三成に共感した様子。
 このふたりの物語はどのように描かれていくのだろう?
 三成はどのように掘り下げられていくのだろう?

 掘り下げと言えば「真田」を掘り下げるようだ。
 まあ、大坂冬の陣で「真田丸」を築くので、描いておかないとドラマにならない。
 さて今作では、どのような「真田丸」が描かれるのか?

 三成の描写といい、真田昌幸(佐藤浩市)の描写といい、本多忠勝の娘・稲(鳴海唯)の登場といい、ちょっと予測不可能だ。
 ……………………………………………………

 浜松の民とは和解した。
 浜松の民は家康を「立派な殿様」と認め、家康はかつての自分への悪口を笑って認めた。
「よいよい、情けない姿を曝したのは事実じゃ。存分に笑うがよい」

 家康、すっかり肩の力が抜けた様子。
 夜空に星座を見て、民と笑い合う。
 解放された家康。
 これが人の幸せなんでしょうね。

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「最高の教師」~この作品の話題づくり上手い! そして東風谷さんは天使だ!

2023年09月17日 | 学園・青春ドラマ
 芦田プロ(芦田愛菜)、子供店長(加藤清史郎)、演技上手い!
 教祖の娘(茅島みずき)がついに泣いた!
 カンパネラ(詩羽)とひぃちゃん(本田仁美)が仲良くしてる!
 吉田羊のセーラー服姿は見られないのか……。
 東風谷さん(當真あみ)、絶対ショック受けてる……。
 でも東風谷さん、かわいい!
 東風谷さんマジ天使!

『最高の教師』がクライマックスを迎えて盛り上がっている。
 昨日放送された第9話では、5ちゃんねるの実況スレが5つ立った。
 X(ツイッター)でもトレンド入り。

 この作品、話題づくりが上手い。

・放送日の午後に隣の3年C組を描いた『最高の生徒』というスピンオフ作品を放送。
・auとタイアップして、ドラマのその後の『3年後の私たち』を配信。
・東京ガールズコレクションに生徒たちが登場。
・ミステリー要素でYouTubeの「考察」も過熱。
・3年D組の生徒たちの中から、役者としての未来の原石探し。
・校長は誰なのか? 菅田将暉さんなのか?
・ツッコミ所も結構あって、
「里奈先生のだんな(松下 洸平 )、家に居過ぎ問題」←里奈(松岡茉優)が帰ると必ずいる。笑
「里奈先生のだんなの打った蕎麦はどうなったのか問題」笑
「里奈先生の親友、優秀過ぎる問題」笑
「学校に盗撮カメラ仕掛けられ過ぎ問題」笑
「自習時間、多過ぎ問題」笑
「人が転落するには柵が高すぎる問題」
「バカリズムさんに登場してもらいたい問題」←「ブラッシュアップライフ」笑
 ドラマが破綻しない程度のツッコミ要素は大切だ。

 今の時代、作品の評価は視聴率では表せないんですよね。
・SNSでのバズり方
・TVerでの視聴者数、登録者数
 この点で『最高の教師』は『VIVANT』と並び上位にいる。
 制作費をかけなくても、視聴者の心に引っかかる作品を作ればバズるといういい例だ。

 さて、次回は最終回。
 最終的な犯人は見えて来たが、ラストをどう決着させるかは注目だ。
・3周目が始まるのか?
・里奈先生は助かるのか?
 でもそれだと鵜久森さん(芦田愛菜)が浮かばれない。
・里奈先生のだんながタイムリーパーですべてを丸く収める?
 この辻褄合わせは難しいぞ。

 それにして東風谷さんはかわいい!


※関連動画
『最高の教師』東京ガールズ・コレクション(YouTube)
 ランウェイを歩く生徒たち。
 茅島みずきさんら一軍カースト組はポケットに手を入れてツッパてる。
 みんな、自分の役になり切って歩いている。
 本田仁美さん、田中美久さんはやっぱアイドルだねえ。

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「ハヤブサ消防団」~おっさんばかりの、田舎の消防団のドラマがバズる時代

2023年09月16日 | 推理・サスペンスドラマ
 本日(16日)は僕の住んでいる街のお祭り。
 僕は自治会の理事をやっているので、御神輿の交通整理で駆り出される。
 その際、いっしょに交通整理をしてくれるのが、地元の消防団の皆さんだ。

 ドラマ『ハヤブサ消防団』
 巨大火災と立ち向かうカッコイイ消防員の話かと思っていたら、
 田舎の消防団の話だった。

 しかも登場するのは、岡部たかしさん、梶原善さん、橋本じゅんさん……。
 おっさんばかり……。
 主役の中村倫也さん、山本耕史さん、満島真之介さんはまだ若いが、おっさんに近い。
 そんな中、紅一点が川口春奈さん。
 川口春奈さん、おいしい役だ。

 おっさんばかりのドラマは『ファーストペンギン』などがあったが、
 今は「おっさんばかり」でも成り立ってしまう時代だ。
 逆にイケメンばかりのドラマ『真夏のシンデレラ』は低視聴率。
 ツッコミ所満載でそれが話題になっていたが……。

 やはりテレビドラマのニーズも変わって来ている。
 イケメンを出せば視聴率を取れるという時代ではなくなった。
 しっかりした「ドラマ」と二番煎じでない「オリジナリティ」と「考察」の対象になるミステリー要素が求められている。
 …………………………………………………………………………

 犯人の目的は次の2点ですぐにわかった。
・宗教団体・アビゲイル騎士団
・太陽光発電を手掛ける「ルミナスソーラー」が太陽光発電に不向きな土地も買い占めていた。
 このふたつの点を掛け合わせれば。

 そう言えば日曜劇場『VIVANT』のテントも土地の買い占めを行なっていたな。
 テントの土地買い占めがわかった時、「アビゲイル騎士団かよ!」とツッコんだのは僕だけではないはず。

 主人公の推理作家・三馬太郎(中村倫也)が放火犯を推理するくだりはミステリーとしては弱い。
 何しろその推理の根拠が、車のエンジン音とベンジン。
「音」で推理するというのはミステリの古典『ブラウン神父』シリーズの中にあった。
 ベンジンが車にあったというのもなあ……。
 普通、処分するだろう。

 怖ろしいのは『人間の二面性』。
 身近で心を通わせていた人は実は○○○だった、というのは実に怖ろしい。
 あとはカルト宗教の熱狂、狂信。
 ラストの終わり方はまさにそれだった。
『アビゲイル騎士団』の女神は次々と登場するのだ……。

『ハヤブサ消防団』
 ドラマの特異性という点で面白いドラマだった。
 今までだったら「池井戸潤さんの原作だが、田舎の消防団の話か。地味だな……」と言われて、
 企画の段階で却下されていただろう。
 視聴者は今までに見たこともない作品を見たいのだ。
 それはサブスクで海外ドラマをいくらでも見られる現状では当たり前のこと。
 オリジナリティのあるドラマはサブスクの中にいくらでもある。
 過去の成功体験に囚われた同じようなドラマは誰も見ない。

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「すばらしい日々」 ユニコーン~別れは心の解放──それはすばらしい日々なのだ

2023年09月14日 | その他
 ユニコーンの『すばらしい日々』
 名曲である。

 すれ違い
 誤解
 弾まない会話
 ときめかない心
 この曲の恋人たちはつき合っていて、つらい思いをいっぱいして来たのだろう。
 激しいぶつかり合いもあったかもしれない。

 しかし別れた時、心は解放された。
 心に静寂が訪れ、気持ちが穏やかになった。
 吹き荒れていた感情の嵐が収まった。
 奥田民生はこれを「すばらしい日々」と表現している。

 文学ですね。
 普通の別れの曲だと「哀しい」「つらい」と表現するのに
 何と「すばらしい日々」と前向きに表現している。

 文学はさらに続く。

♪ 君は僕を忘れるから、そうすればもうすぐに君に会いに行ける ♪

 お互いを忘れた頃に恋人たちがふたたび再会したら──
 ふたりは真っ白な気持ちで、もう一度向き合えるかもしれない。
 昔はあんなことがあったねえ、と笑い合えるかもしれない。

 そんな「未来の希望」を想像させてくれる。

 これだけの内容をわずかな歌詞の中で表現してしまうのだから、たいしたものだ。

 なお、この曲はユニコーンの最後のシングル。
 奥田民生は別れゆくメンバーに宛てたメッセージかもしれない。


※動画はこちら
 すばらしい日々(YouTube)

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