平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

麒麟がくる 第38回「丹波攻略命令」~帰れ! 帰ります! 信長と光秀の亀裂が決定的になる時はいつか?

2020年12月28日 | 大河ドラマ・時代劇
 一君に仕えた三淵藤英(谷原章介)。
 土岐頼芸、道三、高政、竜興と主君を渡り歩いた稲葉一鉄(村田雄浩)。
 光秀が共感するのは三淵藤英の方だ。
 だから、稲葉の下ではやって行けないと訪ねてきた斎藤利三(須賀貴匡)のために助力した。
 次々と主君を変えた稲葉の生き方は戦国の古い武将にとっては当たり前のことだったのだろう。
 しかし、理想を追い求める光秀は一君に仕えることを是とする。

 信長(染谷将太)は理想など追い求めない現実主義者だ。
 斎藤利三を美濃に戻せという。
 稲葉がヘソを曲げれば、美濃が安定しなくなるからだ。
 斎藤利三の命より美濃の安定が大事。
 大のためには小は犠牲にしていい、と考えている。

 理想主義と現実主義。
 光秀と信長の間には亀裂がある。
 ………………

 信長は「力」で世の中を治めようとする。
 力こそすべて。力で敵をねじ伏せる。
 自分の力が足りなければ、将軍の名前を借り、帝の威光を利用する。
 そんなふうだから部下は怖れ、信長に直言できるのは光秀のみ。
 信長に関する頼み事がある時は、皆、光秀を頼って来る。

 一方、光秀は「仁」で世の中を治めようとする。
 愛情をもって事にあたれば、相手は心を開き、問題は解決する。
 斎藤利三を美濃に帰して見殺しにすれば部下は恐れおののくが、利三を救えば部下は「仁愛溢れるこの人のためなら」とついて来る。
 光秀はこう考えている。

 恐怖と仁愛。
 北風と太陽。
 信長と光秀の間には亀裂がある。

 まあ、信長の方が事を誤れば滅びに繋がるシビアな世界に生きてるから、現実主義者になるのは仕方がないのかな?
 理想主義の光秀はまだまだ甘い? 光秀の理想主義は平和な時代のもの?

 いずれにしても、信長と光秀の亀裂は水面下で進行している。
 木下藤吉郎(佐々木蔵之介)は、ひたすら信長の意に従い、現在ナンバー2の光秀の地位を狙っている感じ。
 正親町天皇(坂東玉三郎)は、状況の推移を見守っている感じ。
 見かけたネット記事に拠ると、本能寺の黒幕は正親町天皇になるのではないか、と書かれていたが、果たして?

 物語は「本能寺」に向かって進行していますね。
 この大河ドラマが始まった頃は、光秀が主人公だとネタ切れになるのではないかと言われていたが、なるほど、この手があったか!
 都に上洛した後の信長や本能寺に至る過程がていねいに描かれている。
 フツーの大河だと、頭を小突か、罵倒され、領地替えを命じられた光秀が恨み骨髄で「本能寺」を起こすというだけで終わるのだが、今作はその行間をしっかり描いている。

 さて、本能寺に至るまでにどんなドラマが描かれるのか?

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桜前夜祭補填疑惑~安倍晋三に言いたい「あんた無能だな。部下一人管理できないのか?」

2020年12月25日 | 事件・出来事
 桜を見る会前夜祭補填問題。
 安倍晋三が昨日、弁明記者会見をおこなった。

 要約すると──
・すべて秘書がやったこと。
・自分は知らなかった。
・秘書が本当のことを話してくれたら対処したのに……。

 これらを素直に受け取れば、僕が安倍ちゃんにかける言葉は──
「あんた、無能だな」
「たったひとりの部下の管理もできないのか?」

 もし民間企業で不祥事が起きた時、社長がこんな言い訳をしたら袋叩きにあうぞ。
 しかし、なぜか政治家の場合は許されてしまうんだよな。

 僕はあまり好きでないのだが、橋下徹がめずらしく的確なことを言っていた。
「いやー、これが通るんだったらおそらく企業の不祥事に関しても、もう日本の行政は何にも処分を下せませんよ」
「トップが全部(部下に)任せてたんだから、トップ責任取らないよ、って言うんであれば、もう日本の社会、終わりかな。企業、不祥事やりたい放題だね」

 まあ、安倍の言ってることはウソだろう。
 以前も書いたが、秘書が報告していないわけがない。
 仮にパーティの時に知らなくても、国会で問題になった時に、秘書は安倍に「すみません。実は補填していました」と報告しているはず。
 こんなこと、社会人なら当たり前のこと。
 ……………………

 新たな事実も出て来た。

 補填した5年間の総額の800万(これ以上の金額という報道もある)。
 これは安倍の個人口座から引き出されたものらしいのだ。

 安倍はプライベートに近い飲食・会食費用や自宅の出費などを払う個人の銀行口座を持っていて、
 当該秘書はこの口座から支払っていた。
 前夜祭の補填のお金もここから。

 秘書が支払いを代行するというのはわからなくはないが、1回の前夜祭の補填金額は150万~200万だぞ。
 金額が大きいから「この金額は何だ?」と尋ねるはず。
 しかし、安倍はこんな言い訳。
「そういう支出について年1回、説明があるが、それ以上の詳しい説明はなかった。私もそれで了とした。責任者に任せていた」

 安倍がいくらお坊ちゃんとはいえ、ずいぶんルーズだねえ。
 地検特捜部は、この口座の支出をしっかり確認したのかね?
 前夜祭の補填費200万がプライベートに近い飲食・会食にあたるのかね?

 こんなふうにツッコめば、いろいろ疑問が出て来る安倍晋三の釈明会見。
 疑問が出て来るのは、要するに安倍が本当のことを言っていないからだろう。

 さて、ウソつき安倍は本日の国会で何を語る?


※関連記事
 橋下徹氏 安倍前総理の主張に「これが通るなら企業の不祥事を行政は何も処分できない」(テイリースポーツ)

 桜夕食会の穴埋め「手持ち資金」とは 安倍前首相の説明(朝日新聞)

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安倍はウソつき、菅はしゃべらない~日本の政治から「言葉」が失われて久しい……

2020年12月23日 | 事件・出来事
 日本の政治から『言葉』が失われて久しい。

 安倍晋三はウソつき。
 桜を見る会の答弁で100回以上も虚偽答弁。

 菅義偉は語らない。
 この3波のコロナ禍で、国民に何らメッセージなし。
 語ったかと思えば、
「ガースです」
 疲れるなあ……。
 最近ではこんなのも。
「来年の夏に人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として東京で五輪・パラリンピックを開催する」
 響かないなあ……。
 安倍が語っていたことの踏襲。
 おそらくワクチンに期待しているんだろうけど、お花畑のような気がする。
 もし、それが可能なら、菅さん、そうなる根拠と道筋を語ってくれよ。
 そうしたら国民はもう少し我慢して頑張ろうって気になる。

 コンパニオンを伴って14人の忘年会をおこなった愛知県西尾市の自民系議員の言い訳がこれ。
「忘年会ではなく反省会」
 コンパニオンを伴って反省会するのかよ!(笑)
「議員が立ったり座ったりするのは感染しやすいのではということで、席を立たずにコンパニオンにビールや焼酎を運んでもらうことで、以前のようにマスクなしではなく、議員がコロナにならないようにという配慮でした」
 すごい言い訳だな! 自分で手酌じゃダメなのか?(笑)

 脱力……。
 空虚……。
 ある意味、絶望……。

 マトモな言葉を語れる政治家はいないのか?
 ………………

 安倍晋三は、桜を見る会前夜祭の補填問題で不起訴になるらしい。
 東京地検特捜部、『秋霜烈日』のバッジが泣いてるぞ。
 野党は、少なくとも安倍の予算委員会での参考人招致を勝ち取れ。
 非公開の議院運営委員会でやられても意味がない。
 もし、これで日和るようなら野党は終わりだ。

 支持率激減の菅義偉に支持率回復の方法を教えてあげましょうか?
『政界の膿を出す』という旗印のもと、
『安倍の過去の悪事を徹底的に再調査し、暴き出す』んだ。
 そうすれば、正義の清廉潔白な総理大臣というイメージが生まれる。
 コロナ対策の失敗を覆い隠すことが出来る。
 安倍と麻生は反菅に舵を切りそうだが、やればそれらの力を削ぐことが出来る。

 まあ、出来ないだろうな。
 安倍内閣では官房長官だったし、やれば自分もダメージを受ける。
 二階派が後ろ盾になってくれればいいが、それがなければ党内で派閥を持たない菅は孤立無援になる。
 でも小泉純一郎は郵政民営化で「自民党をぶっ潰す」と言って、それをやったんだよな。
 これに国民は拍手喝采した。

 まあ、菅にそんな胆力はなさそう。
 携帯料金とかハンコ廃止とか学術会議とか、自分の意のままにできる相手にネチネチと絡むだけ。

 下には権力をふるって恫喝し、上にはペコペコするのが菅義偉だ。


※関連記事
 ”宴会”した議員らが謝罪「コンパニオンはコロナ感染対策のため」と説明 愛知県西尾市(メーテレ)

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麒麟がくる 第37回「信長公と蘭奢待」~天下をほぼ手中にした信長が求めたのは「権威」だった

2020年12月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 武田信玄(石橋凌)病死。
 浅井・朝倉滅亡。
 将軍・義昭(滝藤賢一)、捕らえられ、室町幕府終わる。

 歴史が一気に進んだ。
 近畿を制圧して、ほぼ天下を手中におさめた信長は『権威』を求めた。
 今井宗久(陣内孝則)の言葉を借りれば、
「自分の値打ちを知りたい」と思った。

 それが、香木・蘭奢待(らんじゃたい)だった。
 大きなことを成し遂げた者のみが見ることができる正倉院の秘宝。

 信長さん、そこなのかい!?
 とツッコミを入れたくなってしまうが、信長が欲したのは、権威や地位だった。
 そこには、どんな社会をつくりたいかという構想がない。
 旧い秩序や既得権を壊したのはいいが、壊した後に何をつくるかを考えていない。
 今作の信長は、ただ褒められたいだけの『ビジョンのない人物』として描かれている。
『天正』を『天は正しい』と信長は読んだが、信長の社会構想は「帝が頂点にいて自分が支える」くらいのものだろう。
 それを危惧する光秀(長谷川博己)。
 信長がたどり着いたのは、山の中腹。山頂にはまだ遠い。

 余談だが、安倍晋三氏も憲法を改正して、その後にどんな国をつくるかというビジョンがない。
 野党時代につくった自民党の憲法草案は否定しているし、
 9条に自衛隊を書き込んでも「何も変わらない」と言ってる。
 要するに「憲法を改正した宰相」として名前を残したかっただけではないのか?

 さて信長。
 自我がどんどん肥大化している。
 将軍・義昭を追い落とし、自分の上にいるのは帝のみ。
 武田信玄もいなくなり、浅井・朝倉が滅びて、当座、大きな脅威もなくなった。
 こうなると万能感に囚われて狂い出す。
 これが権力の誘惑だ。
 それは義昭も免れず、駒(門脇麦)に「将軍をおやめください」と言われても、
 自分にはまだ力があると思い、囚われている。
 義昭は、駒が言うとおり、半径100メートルを幸せにする人物で大きな力を振るう器ではなかった。

 さて、光秀はこんな信長とどう従い、向き合うのか?
 三淵藤英(谷原章介)の言う『家臣の器』が試されている。

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安倍晋三、桜を見る会前夜祭で不起訴!~法律は権力者に有利にできている

2020年12月19日 | 事件・出来事
 桜を見る会前夜祭で安倍事務所がパーティ費を補填していた件。
 安倍晋三は不起訴になるそうだ。

 おかしくないか?

 フツーに考えれば買収だろう?
 でも弁護士先生に拠れば、
「接待された側に買収されたという認識がなければ公式選挙法違反にはならない」
 んだって。
 今回は安倍の秘書が「政治資金規正法違反」で略式起訴されて終わりそう。

『ドラゴン桜』でも言っていた。
 法律は権力者に有利にできている。

 今回の件は、元気になってふたたび発言力を持ち始めた安倍を牽制するために、菅義偉が検察の行動を黙認したものだと僕は考えているんだけど、官邸と検察で手を握ったのかね?
「まあ、今回の落とし所はこんな所にしましょう」
「これで安倍さんも少しおとなしくなってくれればいい」
 みたいな感じ。

 まあ、こんなふうなら東京地検特捜部なんて要らねえ。
 この10年で何人巨悪を告発したんだよ?
 ゴーンには逃げられるし、忖度はするし、税金の無駄遣いな組織。
 少なくとも安倍事務所をガサ入れしたら、いろいろ出て来るだろう。
 それをしない時点で、特捜部は不要。
 ……………

 安倍は補填を知ってたよな。

 仮にパーティの時点で知らなかったとしても、
 国会で問題になった時、秘書は安倍に「実は補填していました」と報告しているはず。
 これが組織というものだ。
 これがリスク管理ということだ。
 でなければ、安倍は秘書ひとり管理できない無能ということになる。

 その上で、国会で「安倍事務所はパーティの出金にいっさい関与していない」と答弁した安倍はウソつき。
 僕はもう政治には何も期待していないんだけど、ほんと情けなくなる。
 政治家ならもっとこちらが驚くような悪いことをしろよ。
 あまりにも低レベルすぎる。
 病気で辞めた件もわずか3ヶ月で元気になるなんて、やっぱり仮病?

 年内中に安倍の国会招致がおこなわれるようだが、
「秘書がやったこと」
「検察の捜査でクリアになっている」
「道義的責任は感じる」
「でも辞めない」
 で終わるんだろうな。
 これでミソギは終わり。

 これを許してしまうこの国もほんと低レベルだ。


※関連記事
 安倍前首相を不起訴処分へ 本人聴取踏まえ、年内にも最終判断 東京地検特捜部(毎日新聞)

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相棒19 「超・新生」~内村部長、これからは正義のために働くぞ~!←今までやっていなかったんかい!

2020年12月17日 | 推理・サスペンスドラマ
 金属バットで殴られた次のシーンで、頭蓋骨のレントゲン写真。
 これで今回のオチはわかりました。
 だって深刻なエピソードなら、こんなカット入れるはずがないし。
 …………………

 今作はギャグエピソードとして見ればいいと思うんだけど、敢えて社会問題として捉えれば──

・ヤクザと半グレの贋作市場の奪い合い。
 資本主義だねえ。
 ひとつの市場をめぐって争っている。
 裏家業も規制が激しくなって、どんどんシノギの市場が小さくなっている。
 時代だねえ。
 過去の遺物となりつつあるヤクザ稼業。

・内村刑事部長(片桐竜次)の臨死体験による人格変貌・覚醒。
 これからは正義のために働くぞ~!
 これは、安倍ちゃんの秘書起訴、元農水大臣の収賄疑惑とか、最近ちょっと頑張っている東京地検特捜部の隠喩か?
 東京地検が目覚めたように内村刑事部長も目覚めた?

「ヤクザはかつては必要悪だったが、現在はただの悪でしかないから排除する」っていう考え方もね……。
 必要悪うんぬん関係なく、法律にもとづいて捜査しろよ、と言いたくなるし、
 こういう社会の裏側の部分をなくしていって、社会が無菌社会になったらどうなってしまうんだろう? という思いもある。
 内村刑事部長と扶桑武蔵桜の桑田圓丈(大石吾朗)の関係のように、ヤクザならある程度、警察の管理下に置ける。
 しかし、それがなくなってしまったら、行き場をなくてしまった者は半グレとかに走るのか?
 これもまた時代だねえ。

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支持率が下がったからGOTO中止~菅義偉ってほんと「人治主義」だよな……

2020年12月16日 | 事件・出来事
 菅義偉が年末年始のGOTO中止を発表。
 その理由は、支持率が15~17%下がり、不支持が支持を逆転したからであろう。

 要するに彼の判断基準は、支持率=自らの権力維持なのである。
 ここには科学的な知見も法律もない。

 アイルランドはコロナの遺伝子解析をして、旅行が感染拡大に関連していることをを発表した。
 東大はGOTOを利用した人としない人のデータを取り、利用した人の方が2倍コロナに感染していることを発表した。
 しかし、菅政権はこれを無視。
 アイルランドのように遺伝子を調べることもせず、
 東大の発表は論文になる前の文書だから受け入れるに値しないと否定して、
 GOTOを継続しようとした。
 まったく、本当に学問や科学を無視する政権だな。
 太平洋戦争を始める時、アメリカとの圧倒的な国力差が数字で示されていたにも関わらず、精神論で乗り切ろうとしたのと同じ。

 法律に基づかない政治をおこなうのも安倍・菅政権の特徴で、
 自分の思い通りにするために、内閣法制局長官を意のままにできる人物に変えたり、法律を自分に都合のいいように解釈したりする。

 これはもう法治国家じゃないな。
 学問や科学的知見に基づく先進国でもないな。
 権力者個人の意思によって政策が決められる『人治国家』だ。
 で、その決定をするのがちっぽけな脳味噌の菅義偉とどの取り巻きだろう。
 あとは税金に群がる利権屋。
 もはやため息しか出ない。

 国民はこんな政治をいつまで放っておくのだろう?

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麒麟がくる 第36回「訣別」~信長の命運は尽きた。信長から離れろ、わしのために!

2020年12月14日 | 大河ドラマ・時代劇
 水をわたり花を愛でで歩いていたら、いつの間にか友の家についていた。

 これ万葉集の歌なのか。
 見事な心境だなあ。
 かく生きたいと、心をかわす光秀(長谷川博己)と正親町天皇(坂東玉三郎)。
 しかし現実は──

 道に迷い、岐路があればどちらに行くか悩む。
 あるいは、もっとハードになれば冥府魔道の修羅の道。

 今回の光秀がそうだった。
 坂本城のある近江は美濃と京の間にある。
 それを象徴するかのように、光秀は信長(染谷将太)と将軍・義昭(滝藤賢一)の間で悩む。
「もし、そのようなことがあれば、この十兵衛が食い止めてみせまする!」
 光秀は信長と義昭の連携にこだわるが、信長たちは亀裂が決定的であることを理解している様子。
 信長は言う。
「帰蝶が言っておった。十兵衛はどこまでも十兵衛じゃと」
 光秀は自らの信念(=信長と義昭の連携)に忠実で揺るがないのだ。
 時が経て状況が変わっても曲げることができない。

 義昭は信長と戦う気満々。
 自らすすんで剣術の稽古をおこなう。
 将軍の自覚・武士の自覚が生じたのはいいが、それは付け焼き刃。
 そして万民を救いたいという以前の義昭はいなくなってしまった。
 あるのは自分を蔑ろにする信長への私怨?
 義昭をそうさせてしまったのは『権力の魔力』だろう。
 自分が命じれば、武田・浅井・朝倉ら諸大名が動く。
 自分が一声かければ、信長を潰すことなど簡単。
 これが義昭に万能感を与えてしまった。

 信長は「公方様への遠慮が足りなかったのかもしれぬ」と反省していたが、もともと他人の気持ちなど理解できない男。
 自分の上にいて、松永・筒井の争いなど、あれこれ指図してくる義昭がそろそろ鬱陶しくなって来た。
 帝の信任が厚いことも信長を増長させた。

 ラストの義昭の涙は何だろう?
「信長の命運は尽きた。信長から離れろ、わしのために!」
 本来なら自分を振った光秀を「恩知らず」「裏切り者」と怒ってもいいのだが、涙を流して、
「いつか鳥のように戻ってくるやもしれぬ」
 複雑な感情だなあ。
 僕の人生経験だと、なかなかこういう感情に行き当たらない。
 この件はもう少しこだわってみたい。
 
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「こんにちは、ガースーです」~菅義偉、あんたにはほんと萎えるわ……!

2020年12月13日 | 事件・出来事
「皆さん、こんにちは、ガースーです」

 菅義偉がニコ生に出演して発した第一声がこれだ。

 まあ、これが菅の現状認識をあらわしているんだろうな。
・現状はまだ大したことない。
 死者はアメリカやヨーロッパほど出ていないじゃないか。
 アジアとくらべるとまずいけど。
・医療現場の逼迫。
 マスコミと一部の医療関係者が煽ってるだけだろう。
 みたいな感じ。

 真剣にヤバイと考えていたら、こんな発言は出てこない。
 というか、ニコ生になんか出ずに記者会見を開いて必死にヤバさを訴えてる。

 で、トップがこんな緩さだから、国民も弛む。
 ………………

 学者や専門家の意見に耳を傾けないのも菅義偉の特徴で、
 科学的知見を信用せずに、自分のちっぽけな脳味噌とお仲間の利権漁りの中で政治判断している。
 異論を唱える者を排除してきたから、広い目で物事を見ることもできない。
 菅さん、異論は大事だよ。
 耳に痛いことこそ重視すべき。
 耳に痛いことを言ってくれる人物こそ重用すべき。
 ………………

 僕たちは結構、疲れてると思うんだ。
 マスクして手洗いして、店に入る時はアルコール消毒して。
 外出はどうしてもという時以外は控えているし、外食もためらわれるし、
 この状況がずっと続くんじゃないかと思ってしまうし……。
 僕でさえこうなんだから、
 医療関係者の方や明日にも店や会社がつぶれそうな人、解雇されそうな人なら尚更。

 そんな中、「こんにちは、ガースーです」だもんな。
 ほんと萎えるわ。
 おまけに覇気はないし、目は死んでるみたいだし、
 お願いばかりで対策をしないし、全然メッセージを発信しないし。
 ほんと疲れるわ。

 もはや僕は政治に何も期待していない。
 菅義偉の望みどおり、『自助』でがんばっていくしかないと思ってる。
 でも、一方で『公助』を大切にする政治家がトップでさまざまな発信をしてくれたら、
 いっしょにがんばろうって気になり、社会も少しはよくなるんじゃないかとも思うんだ。

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相棒19 「匿名」~孤独で退屈なネット民を描いた、なかなかの佳作!

2020年12月11日 | 推理・サスペンスドラマ
 ネットで繋がり、性被害に苦しむ女性たちを助ける人たちがいる。
 ネットで繋がり、性被害に苦しむ女性たちを強請ってカネにするやつらがいる。

 ネットの使い方は人次第。
 こういうお話だった。

 今回、面白いのは登場人物たちの二面性だ。
・一見、平凡な主婦。
 しかしパソコンを使いこなし、SNSから個人を特定する能力に長けている。
・一見、有能な弁護士。
 しかし弱さをかかえ、自分は弁護士に向かないと悩んでいる。
・一見、性被害に苦しむ女性。
 実は強請屋。
・一見、横暴な女性の敵。
 実は強請屋の女に良いようにされている。

 オモテの仮面が剥がれて、裏の顔が明らかになっていく過程は、なかなか面白かった。
 ネットの裏表も含めて、ドラマはすべて『二面性』で語られていて、作劇はお洒落。

 事件の鍵を握る主婦は、孤独なネット民そのもの。
・日常生活が孤独で単調でネットに逃げ込む。
・ネットの中に生きがいや居場所や正義を見出す。
・肥大していく自我。
「あたしとあなたが組めば何でもできるわよ」

 極めて現代的なテーマのエピソードだった。

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