平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

大河ドラマ「平清盛」 再考 その2~<野良犬>というアイデンティティを見出す清盛

2016年09月29日 | 大河ドラマ・時代劇
 「平清盛」はアイデンティティを探す物語でもある。

 まずは<もののけ>の血。
 白河法皇(伊東四朗)と白拍子・舞子(吹石一恵)の間に生まれた清盛(松山ケンイチ)は、白河法皇の呪われた血に恐れおののく。
 自分もあんな化け物になってしまうのではないか、と思うのだ。

 一方で、平家の御曹司である清盛は<武士>でもある。
 しかし、当時の武士は帝や貴族に媚びて生きていく<王家の犬>であった。
 <王家の犬>として出世していく父・忠盛(中井貴一)を見ていると、清盛には<武士>が嫌悪すべきものに思えてくる。
 清盛は忠盛を否定する。

「王家に媚び、出世をし、位をもろうて喜び、ありがたがる。
 かようなつまらぬ武士にはなりとうないのだ」

 忠盛が<王家の犬>としては振る舞っているのには、〝王家を利用して平氏を栄えさせる〟という理由があるのだが、若い清盛にはそれがわからない。
 そんな反抗期の清盛に忠盛はこう糺す。

「お前と血を分けた父は法皇様だ。
 だが、お前は平氏の子だ。平氏の子としてこの忠盛が育てたのだ。
 今のお前は平氏に飼われた犬だ。俺のもとにおらねば生きていけぬ、飼い犬だ」

 反抗する清盛を全否定する強い言葉だが、忠盛はこんな言葉をつけ加えるのも忘れない。

「死にたくなければ、強くなれ!」

 すごい! 忠盛、カッコいい!
 しかし、清盛も負けていない。
 忠盛になおも反抗する。

「俺は父上のようにはならぬ!
 貴族にも王家の犬にも!
 平氏の犬にもなる気はない!
 いっそたくましい野良犬になって生きていく!」

 清盛の<野良犬>宣言だ。
 清盛は<野良犬>というアイデンティティーを見出した。
 清盛の持っている膨大なエネルギーは、安定した<飼い犬>という境遇を否定するのだ。
 これに対する忠盛の返事もすごい。

「左様か……好きにせよ。
 お前と次に会うは賭博場か?
 それとも盗賊の隠れ家か?
 言うておくが、わしは容赦せぬぞ!」

 これまた<野良犬>宣言の完全否定だが、実は忠盛は自分を乗り越えようとしている清盛のことがうれしくてしょうがないのだ。
 上手いせりふだ。
 そして立派な父親。

 <野良犬>というアイデンティティーを見出した清盛は、<おもしろく生きたい>という願いをつけ加えてこう語る。

「俺は父上のようにはならぬ。
 王家の犬にも、平氏の犬にもならぬ。
 野良犬の声が、このおもしろうない世を変えるまで、おもしろう生きてやる」 

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大河ドラマ「平清盛」 再考 その1~面白く生きるとはどういうことか?

2016年09月28日 | 大河ドラマ・時代劇
 大河ドラマ「平清盛」で、こんなやりとりがある。
 将来の夢を語る清盛(松山ケンイチ)、源義朝(玉木宏)、佐藤義清(藤木直人)の会話だ。

 源義朝は言う。
「俺はますます強さを磨き、王家に武士の力を思い知らせたい」
 佐藤義清は、
「いかなる世においても美しく生きることが私の志だ」
 そして清盛は、
「俺は……おもしろう生きたい!」

 三人三様。
 若者らしい夢だ。
 源義朝の「俺はますます強さを磨き、王家に武士の力を思い知らせたい」はかなり具体的。
〝美しく〟〝おもしろく〟といった形容詞を使っている佐藤義清と清盛とは大きく違う。
 この発言の根底には、王家や貴族の下で犬のように扱われている<武士>の鬱屈がある。

 佐藤義清の〝美しく生きたい〟という願いは、いかにも義清らしい。
 後に義清は武士を捨て、古今和歌集などに名を連ねる<西行法師>として生きるのだが、和歌の世界こそは〝美しい世界〟。
 一方、義清が捨てた武士の世界(=宮廷)は欲と権謀術数が渦巻く醜い世界。
 美しく生きたい義清とっては、こうした醜い世界が我慢できなかったのだ。

 そして清盛。
「俺は……おもしろう生きたい!」
 先程、述べたように〝おもしろい〟は形容詞で、人によって様々に解釈できる抽象的な言葉だ。
 ある人にとってはおもしろいことが、ある人にとってはおもしろくない。
 では、清盛が言う〝おもしろく〟とは、どういうことなのか?
 以下のようなやりとりがある。
 清盛の母・舞子(吹石一恵)と、後に清盛をもらって息子にする平忠盛(中井貴一)の会話だ。

舞子 「遊びをせんとや生まれけむ。
    戯れせんとや生まれけん。
    遊ぶ子供の声聞けば、わが身さえこそ動(ゆる)がるれ」
忠盛 「遊ぶため、戯れるために生まれてきたとは……。
    生きることは子供の遊びのように楽しいことばかりではない」
舞子 「されど、苦しいことばかりでもありませぬ。
    うれしいとき、くるしいときさえも、子供が遊ぶときみたいに夢中になって生きたい。
    そういう歌だと思って、私は歌うております」
忠盛 「夢中で……生きる……」
舞子 「いつか、わかるのではござりませぬか。夢中で生きていれば。
    何のために太刀をふるっているのか。何故武士が今の世を生きているのか」

 清盛は母・舞子の言葉を受け継いでいる。(お腹の中で聞いていたのだろうか?)
 以後、清盛は〝夢中〟になって生き、〝何のために太刀をふるっているのか。何故武士が今の世を生きているのか〟を追及するために生きていく。

 やはり「平清盛」は名作だ。
 せりふのひとつひとつが実に深い。
 放送が終わって何年も経つのに、僕の中では、「遊びをせんとや生まれけむ」が残っている。

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真田丸 第38回「昌幸」~ひとりひとりが生きておる。ひとりひとりが思いを持っておる

2016年09月26日 | 大河ドラマ・時代劇
 九度山での蟄居生活。

・高梨内記(中原丈雄)は山菜摘み。
・きり(長澤まさみ)は村の長・長兵衛に菓子を持っていって挨拶。
・佐助(藤井隆)は、あっという間に家を建てる(素っ破ですから・笑)、絵も上手い!(素っ破ですから・笑)
・信繁(堺雅人)はきりと亡き妻・梅(黒木華)の話。
・現在の妻・春(松岡茉優)はこれに嫉妬。
 きりが、「お梅ちゃんもあなたも私みたいに垢抜けていないでしょう? 源次郎さんはそういう人が好みなの」(笑)とフォローするが、障子をぶすぶす(笑)
・兄・信之(大泉洋)は父親たちの九度山の生活を想像して、「何もせぬのは良いこと」。

 皆、それぞれに<現在の生活>と<平和>を受け入れている。
 板部岡江雪斎(山西惇)は信繁に
「眼差しの奥にくすぶっている熾火(おきび)が見える」
 と言っていたが、どうなのだろう?
 信繁には、徳川に反旗を翻す気などない。
 世の中の態勢はすでに徳川であり、自分にそれをひっくり返す力などないことはわかっている。
 人の心は柔軟で、収まるべき所に収まっていくのだ。

 しかし、唯一、くすぶっている男がいた。
 昌幸(草刈正雄)だ。
 彼は自らの戦場での教訓を記した「兵法奥義」をしたため、事あらば<徳川に勝つ方法>を考えていた。
 静かに尖っている昌幸。
 尖っていたと言えば、加藤清正(新井浩文)も尖っていた。
 結果、排除されることに。
 そして、長い歳月は人を変えていき、少しずつ牙を抜いていく。
 それは昌幸も例外ではない。
 村の長・長兵衛に20対50のいくさの仕方を尋ねられても、御法度(=平和な時代の産物)があるから答えるのを避ける。
 教えるのは、孫・大助へのケンカの仕方だけ。
 昌幸はご赦免を願い、故郷の信濃に帰ることを望むようになる。

 そんな昌幸のさまざまな思いが表れたのが、臨終の言葉だ。
「願わくば、もう一度いくさ場に出たかった」
「いずれ必ず豊臣と徳川がぶつかる。その時は、ここを抜けだし、豊臣につけ」
「徳川に勝つ策を授ける」
 策を授けた後は、
「信濃に帰りたかった。上田の城に……」
 一番、最後の言葉が「信濃に帰りたかった」という言葉だったのが泣ける。

 そして、信玄が現れる。
 武田勝頼の最期でも信玄が現れたが、信玄は何を意味するのだろう?
 おそらくは、
・故郷信濃の象徴
・戦国時代の象徴
・若き日の記憶
・志半ばで果てた戦国武将の無念、共感

 さて、くすぶっていた昌幸の熾火は信繁に受け継がれた。
 その炎はまだ小さくて消えそうなものだが、大きく燃え盛るのはいつか?
 その心に点火するのは聡明な豊臣秀頼(中川大志)か?


※追記
 昌幸の次の言葉も深いですね。
「軍勢をひとつの塊と思うな。
 ひとりひとりが生きておる。
 ひとりひとりが思いを持っておる」
 いくさでの心得を述べたものだが、「ひとりひとりが生きておる」「ひとりひとりが思いを持っておる」は人間や社会を見る際に大切な視点。
 価値観がひとつしかない息苦しい社会になりませんように。
 ひとつの価値観しか許されず、それ以外は排除される社会になりませんように。

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笑撃、安倍首相はリベラル?~北方領土二島返還、移民受け入れ。鳩山元首相と同じことを言ってる!

2016年09月25日 | 事件・出来事
 ネトウヨの人はどう考えているのだろうか?

 安倍首相、
<ロシアとの北方領土問題の交渉で、歯舞群島、色丹島の2島引き渡しを最低条件とする方針を固めた>
 んだってさ!
 四島返還じゃないんだ?
 一応、〝最低条件とする〟という但し書きがあるけど、これじゃあ、歯舞群島、色丹島の2島返還で決着が着くよね。
 外交ってそういうもの。
 交渉前に、こちらの手の内を明かすなんて愚の骨頂。
 今までは、北方四島は日本固有の領土で、終戦のどさくさに紛れてソ連が奪ったもので、絶対に譲らないというのが日本の主張だったのに、「2島でいい」と言っている(笑)
 安倍ちゃん、そんなに<ロシアとの平和条約を結んだ総理大臣>として名前を残したいのか?

 だから、ネトウヨと呼ばれる安倍応援団がこの件をどう思っているのか、知りたい。
 何しろ<竹島>というあんな小さな島で激怒してるんだから、北方領土でも怒るのが当然。
 筋が通っているとはそういうこと。

 アメリカでの講演では、<移民受け入れ>に関して、こんな発言をしたらしい。
「一定の条件を満たせば世界最速級のスピードで永住権を獲得できる国になる。乞うご期待です!」
 これも、いつものインチキで、〝一定の条件を満たせば〟という前提つきだけど、<世界最速級のスピードで永住権を獲得できる国になる>のだそうだ。
 ヨーロッパの保守層は、<難民>だけでなく<移民受け入れ>にも反対しているのにね。
 アメリカのトランプもそう。
 なのに、安倍ちゃんは……。
 いつの間にこんなふうになったのか?
 彼は保守政治家ではなかったのか?
 これじゃあ、<友愛>の鳩山由紀夫元首相と同じだよ!(笑)

 まあ、要するに<外国でカッコいい発言をしたい>のと、<経済成長>から来ている発言なんだろうけど、移民の積極的な受け入れなんて、我々、国民は何も聞いていない。
 結構、国論を二分する重要なテーマだと思うけど。
 いつも、この人はこうなんだよな。
 国内では何も言っていないのに海外で勝手に約束してくる。
 で、保守層はこの発言をどう受け入れたんだろう?
 すごく知りたい。

 憲法といい、戦後民主主義といい、安倍首相はいろいろなものを壊している。
 10年後、20年後、この国はどうなっているのだろう?


※関連記事
 北方領土、2島返還が最低限(読売新聞)

 安倍首相「高齢化は重荷ではなくボーナス」(日テレニュース)

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超高速! 参勤交代~雲隠段蔵、内藤政醇、コメディなのに<カッコいい男たち>が出てくる新時代劇!

2016年09月24日 | 邦画
 4日間で参勤交代しなければ藩がお取りつぶしになる!
 だから、江戸までを四日間で走り抜ける、超高速! 参勤交代(笑)
 そんなコメディでありながら、この作品にはたくさんの<カッコいい男たち>が登場する。

 まずは忍びの雲隠段蔵(井原剛志)。
 段蔵は<雇われ忍者>だ。
 カネで繋がった関係で、湯長谷藩に何の義理もない。
 参勤交代を阻止しようとする隠密と対峙した時には、「わしは牛久でいなくなるから一行を襲うならその後にしてくれ」と裏切りを宣言する。
 しかし、湯長谷藩の殿や家臣たちの人の良さや民を思う気持ちに魅入られて最終的には加勢してしまう。
 その時のせりふがこれだ。
 隠密の首領に「牛久でいなくなると言ったではないか!」と問われて、
「わしは雲よ。
 好きな時に好きな場所に行く」

 カ、カ、カッケーーー!
 自由人の段蔵らしいせりふだ。
 おまけに、世の中を斜に構えて見ていると思いきや、実は<熱い心>を持っている。

 隠密と戦って、しびれ薬を塗った手裏剣が足に刺さった時はこう言う。
「わしに毒は効かん。
 効くのは酒だけよ」

 カ、カ、カッケーーー!
 何だ、このカッコ良さは!
 先程の「わしは雲よ」もそうだけど、一度は言ってみたいせりふだ。
 おまけに段蔵は戦う時、必ず葉っぱを口にくわえている。
 どんなピンチの時にも離さない。
 口に葉っぱと言えば「ドカベン」の岩城だが、段蔵は岩城を超えた。
 ……………………………

 湯長谷藩の殿・内藤政醇(佐々木蔵之介)もカッコいい。
 内藤政醇は、言葉は田舎訛りだし、お人好しだし、閉所恐怖症だし、一見、いいところが全然ない。
 ところが、実は物凄い<居合いの達人>なのだ。
 襲ってくる隠密を居合いの技で切りまくる。
 その技の美しいこと。
 これを見るだけで、この作品を見る価値がある。
 しかもメチャクチャやさしい。
 遊女のお咲(深田恭子)が折檻で木に縛られているのを見て気の毒に思い、お咲を買う。
 しかしエッチなことはしない。
 肩や背中を揉ませながら話を聞いてやる。
 咲が隠密に捕まって人質にされた時は刀を捨てる。
 これで、固く閉ざされていたお咲の心はとろけてしまった。
 身分にもこだわりがない。
 侍も百姓もないと思っている内藤の信条はこうだ。
「時に侍、時に百姓。
 移りゆく世を楽しく生きるのみじゃ」

 ネタバレになるので書かないが、こんな内藤が、自分たちを苦しめた悪の老中・松平信祝(陣内孝則)に対して最後に何を言うのかは大きな見所。

 湯長谷藩の7人の侍たちもカッコいい。
・西村雅彦
・寺脇康文
・上地雄輔
・知念侑李(Hey! Say! JUMP)
・柄本時生
・六角精児
・近藤公園
 基本ボケで、ふんどし姿で道を走りまわるようなキャラでありながら、実は彼らは<一騎当千の強者>ばかりなのだ。
 まさにギャップ萌え!

 コメディなのにカッコいい男たちが出てくる「超高速! 参勤交代」。
 参勤交代に着目してコメディドラマにした所もお見事。
 新しい時代劇が誕生した!

 
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「三谷幸喜 創作を語る」(講談社)~人気脚本家の葛藤とこだわり。創作を目指す方にお薦めの本!

2016年09月23日 | 監督・俳優・歌手・芸人
「三谷幸喜 創作を語る」(三谷幸喜/松野大介・著 講談社)
 ここでは、三谷さんの創作に対する姿勢や葛藤が語られている。
 たとえば、製作側から無理難題を言われた時、三谷さんはこう対応する。

「ピンチが大好きなんです。遊び心なのかな。
 『振り返れば奴がいる』のスペシャル版では、織田裕二さんと鹿賀丈史さんをそれぞれ立たせたいから、ふたりをなるべく別のシーンに立たせたいとスタッフから注文がきたんです。そういうのはわかるけど、脚本家からすれば作品のクオリティとは関係ない話。〝そんなこと言われても無理です〟と思うのが普通だけど、僕はそういう注文を聞くとうれしくなっちゃう。それじゃあと、同じ病院内で鹿賀丈史さんがエレベーターに閉じ込められた話にした。加賀さんは全編、エレベーターの中だから織田さんと絡まないんです。そういうアイデアを考えるのが好きですね」

 映画監督を始めた理由のひとつには、演出家が自分の脚本をイメージどおりに作ってくれなかったことがあったらしい。

「映画監督を始めた理由はいくつかあって、まず『竜馬におまかせ!』とか、コメディドラマに関しては自分の〝間〟があるんです。でも僕が書いてる時に想定したテンポと、出来あがった作品とにテンポの違いが多々あった。
 仮に1時間ドラマのために書いたものは僕の考えるテンポでやれば確実に収まるのに、演出家が読むと、「異常にページ数が多いからカットしてくれ」と。
「僕はカットしたくない、全部が大事なシーンの台詞だから、これが収まる速いテンポで撮ってください」とお願いするけど、「撮ってみたが、尺がオーバしたので編集でこれとこのシーンをカットしました」とか結局言われるわけです。こっちは全部を計算して書いた台本なのに、大事なシーンや台詞が抜けてしまっている。そのストレスがすごくて。
 具体的に言うと、あれだけど、『竜馬…』に関しては、なんでこんなにチンタラしてるんだろうと思ってた。笑える台詞が抜かれて、ストーリーだけを追いかけてる仕上がりになっているんですよね。いい悪いは別にして、僕の計算と演出が合っていない」

 大河ドラマに関しては、こんなこだわり。

「そんなにみんな戦が観たいのかな? でも、戦にドラマはないからなあ。
 もしまた大河をやらせてもらえることがあったとしたらの話だけど、たとえば戦国ものだとしたら、戦のシーンを少なくして、もしどうしても必要なら、ただ戦ってるんじゃなく、なぜ一方が勝ち、なぜ一方が負けたのかを、丁寧に描きたい。僕は理数系だから、作戦をきっちり書きたいなあ。ワーツと合戦になって、圧勝みたいな展開は観ていてつまらない」

 このことは現在、「真田丸」で実現されていますね。
 この本「三谷幸喜 創作を語る」では、現在、脚本家をやっている方、脚本家を目指されている方が知っておきたい姿勢やノウハウがいっぱい語られています。
 イチローさんが「古畑任三郎」に出演した時は、イチローさん、顔合わせの本読みの時、自分のセリフをすでに全部覚えて来てたんですって。
 理由は、「自分はド素人なので、これくらいして準備してこないとみなさんに申し訳ないから」
 興味のある方はぜひご一読を。

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福島第一原発~凍土壁は失敗し、台風で地下水が地上に……。そして原子力ムラの復活!

2016年09月22日 | 原子力発電・反対
 福島第一原発。
 先日の大型台風で水位があがり、地下水が地上に出てきたそうだ。
 果たして、この水は大丈夫なのか?
 汚染されていないのか?
 地下水を食い止める<凍土壁>は完全に失敗。
 これに掛けた400億のお金はムダに。
 安倍首相はオリンピック招致の時、「福島第一原発はアンダーコントロールされている」と演説したが、どこが<アンダーコントロール>なのか?

 一度、暴走したら制御できない原発。
 それなのに現在、原子力ムラは復活している。
 テレビでは石坂浩二さんを使った電力各社によって構成される電事連(電気事業者連合会)のCM。
 脱原発で当選した鹿児島県の三反園知事は、現在稼働中の川内原発の停止を二度にわたって求めるも九州電力にはねつけられる。
 反原発の新潟県の泉田知事は今度の知事選でなぜか不出馬。

 昨日のニュースではこんなことが。
 政府内で、福島第一原発の廃炉費用や除染、賠償費用を確保するために、東電管内の送電網の利用料金(託送料金)に上乗せする案が検討中。
 安倍ちゃん、どこまで電力業界とベッタリなんだよ!
 そんなもの、最後まで東京電力に負担させろよ!
 あの事故は安全対策を怠った東電の責任だろう?
 東電はすでに完全に黒字化して、幹部はいい給料もらってるんだろう?

 この負担は、東京電力利用者だけでなく、auや東京ガスなどから電力を買っている<新電力の利用者>も対象になるらしい。
 何しろ名目は<送電網の利用料金>なのだから。
 送電網は新電力も使っている。
 何と巧妙な……。
 これは、いずれ、どんどん拡大されていくんだろうな。
 福島第一原発だけでなく、関西電力や九州電力など、すべての原発の廃炉費用に適用される。
 かくして、われわれ国民はどんどん搾り取られ、電力会社は肥え太る。

 昨日は、高速増殖炉もんじゅの廃炉が検討される、というニュースが流れたが、果たしてどうなるか?
 もんじゅはその維持費に年間200億かかる金食い虫で、建設費を含めて今まで1兆のお金が投入されたにもかかわらず、ほとんど電力を生み出さなかった究極のムダだから、大きな問題になる前に見切りをつけたということか?
 しかし、核燃料サイクルの研究は維持され、新しい高速増殖炉が造られる可能性があるという。
 世界では<核燃料サイクル>はとっくに見放され、<自然再生エネルギー>に舵を切っているというのに、日本はどうしてこれにこだわるのか?

 すべては政治家・官僚・電力会社・原子力ムラの癒着のせいである。
 政治家は献金をもらい、経産省の官僚は天下る。
 これが政治家・官僚・電力業界の関係だ。
 それと、自民党は電力会社や大手企業の味方なのに、それを支持し続ける国民って……。
 原発に関しては、あってはならないことだけど、もう一度、重大事故が起きないと目が覚めないのだろうか?
 その時、日本は終わりだと思うけど。
 福島の教訓があったにも関わらず、地震大国の列島で50基もの原発を持ち続けた現在の日本人を、後の人類は愚かだと笑うだろう。

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辺野古基地のトンデモ判決~裁判長は行政寄り、沖縄・北方大臣は「早く片づけてほしい」と暴言!

2016年09月21日 | 事件・出来事
 司法は行政に屈したのか?
 沖縄の辺野古移設基地をめぐる裁判で、福岡高裁は<国を全面的に支持する判決>を出した。

 その判決内容のポイントは以下のようなもの。
・前知事の埋め立て承認時の環境汚染対策は十分で、判断に不合理な面があるとは思えない。
・翁長知事の承認取消処分、国の是正指示に従わなかったことは違法。
・普天間基地の危険除去には辺野古移設以外になく、それによって県全体の基地負担が軽減される。
・国防外交の事項では国の判断を県が尊重すべき。

 ひどいね。
 何だ、この一方的な判決は?
<前知事の埋め立て承認の判断に不合理な面があるとは思えない>と判決は言うが、前知事は沖縄振興予算を散らつかされて承認した。
 完全に<恣意的><不合理>じゃないか?
<普天間基地の危険除去には辺野古移設以外にない>と判決は言うが、そんなことを軍事の専門家でもない司法が判断できるのか?
 裁判官が<辺野古移設以外にない>という結論に至った理由を聞きたいものだ。
 そもそも、この裁判は承認取り消しの是非を問う裁判ではなかったのか?
<国防外交の事項では国の判断を県が尊重すべき>という判決はメチャクチャ怖い。
 判例として残ってしまったため、以後はこれが全国各地でまかり通る。
 何しろ<国防外交の事項では国の判断を県が尊重すべき>なのだから、国は自分の望む場所に基地をつくり放題だ。
 …………………………

 国を一方的に支持する福岡高裁の判決。
 情報サイト・リテラによると、
 この判決を出した多見谷寿郎裁判長は、“行政訴訟では体制寄りの判決を下す”と評判の裁判官らしい。
 行政訴訟では9割を行政に勝たせている。
 福岡高裁に異動した経緯も胡散臭い。
 それまで多見谷寿郎氏は東京地裁立川支部にいたのだが、急遽、福岡高裁那覇支部長に異動したのだ。
 通常、裁判官の異動は3年ごとらしい。
 なのに多見谷氏の場合は立川支部の在任期間が1年2カ月。
 今回の辺野古裁判のために異動したと考えるのが妥当だ。

 今回の人事について、ある司法記者は実例をあげて、こう分析している。
「前任の須田氏は『薬害C型肝炎九州訴訟』で国と製薬会社の責任を厳しく指弾して賠償を命じるなど、リベラルな判決を出した“過去”があるので、外されたと見るべきでしょう。
 そこへいくと多見谷氏は“アンチ住民”の態度が鮮明です。
 有名なのは2013年の成田空港訴訟で、成田空港用地内の農家の住民に空港会社が土地と建物の明け渡しを求めた裁判でしたが、住民側に明け渡しを命じる判決を出した。
 住民は『国は農家をやめて、死ねと言うのか』と訴えたが、裁判長は聞く耳を持たず、住民側の証人申請はほとんど却下されました。
 他にも行政訴訟では、建設工事を進める残土処理場を巡った千葉県の許可取り消しを住民が求めた裁判で訴えを棄却したりしています」
 …………………………

 現在の安倍晋三という総理大臣は何でもやって来るね。
・集団的自衛権では、それを容認する横畠裕介氏を内閣法制局長官に。
・NHKでは、「政府が右と言ったことを左だとは言えない」と語る<お友達>の籾井勝人氏を会長に。
・マスコミに対しては、テレビ局や新聞社の幹部と食事。
・そして今回は、住民を無視し行政側に有利な判決をする裁判官の異動。
 久々に書こう。
<戦後民主主義を無視する独裁者・安倍>
<安倍自民党はやりたい放題>
<口利きは明らかなのに甘利明は無罪放免>←甘利さん、調査結果を報告するって言ってたけど、どうなったの?
 …………………………

 話を沖縄の基地問題に戻すと、
 鶴保庸介・沖縄北方担当大臣は今回の判決結果を記者に問われて、こう発言した。
「注文はたったひとつ。(この問題を)早く片づけてほしい」
 そして高笑い。
 僕もその映像を見たけど、信じられない。
 人間性を疑う。
 要するに、政治家の本音なんてこんなものなのだろう。
 日頃から「沖縄に寄り添う」言っている安倍首相は、こんな暴言を吐いた鶴保大臣を更迭せよ。
 野党は臨時国会でこれを追及せよ。

※関連サイト
「辺野古トンデモ判決の裏に裁判所の露骨人事。リベラルな裁判官を異動させ、行政べったりの裁判官を抜擢」(リテラ)

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真田丸 第37回「信之」~いずれ会える日を楽しみにしておるぞ。では、おのおの、抜かりなく

2016年09月19日 | 大河ドラマ・時代劇
「いくさには勝ったのに、なぜこのような目に遭わねばならぬのか。
 さぞ理不尽と思うておろう。
 その理不尽な思い、さらに膨らませてやる。
 わしは、おぬしから、一切の兵と馬と武具と金と城と今後いくさに出る一切の機会を奪う。
 この生き地獄、たっぷりと味わうがよい」

 家康(内野聖陽)が昌幸(草刈正雄)に言ったせりふだ。
 生きていると理不尽なことが多い。
 正義はおこなわれないし、巨大な権力は黒を白にしてしまう。
 そんな現実を前にして、人は愚痴を言ったり、いらだったりする。
 昌幸でさえも
「信長がいた頃は苦労も多かったが、生きているという実感があった。わしは長生きしすぎた」
 と愚痴を言い、
「この役立たずが! 何のために徳川についた!?」
 と信幸(大泉洋)に当たってしまう。

 だが、理不尽な現実の中、人はそれでも声をあげ、戦うのだ。
<意地>
<反抗>
<不屈>
 信幸は、父親との縁を切るため「名を捨てよ」と家康に命じられたが、〝信幸〟を〝信之〟に変えることで意地を見せた。
 昌幸は、「いずれ会える日を楽しみにしておるぞ」と言った後、「では、おのおの、抜かりなく」。
 出浦昌相(寺島進)は重傷で動けない体でありながら、なおも家康を討つ策を考え、あきらめない。
 これに対して昌幸も「あいわかった」
 石田三成(山本耕史)の妻は、汚名を着せられた夫の名誉回復のために「あのお方は豊臣家のことしか考えていませんでした!」と何度も叫び続ける。
 彼らは屈していない。
 理不尽な現実に自分なりの方法で立ち向かっている。

 真田家の女性たちもそうだ。
 つらい現実を<当たり前の日常>にすることで乗り越えている。
 姉の松(木村佳乃)は、あたかも普通の旅立ちであるかのように「いってらっしゃいませ! 道中ご無事で」
 きり(長澤まさみ)は九度山に来てくれ、と言われて、「行くとしますか」(笑)
 明るいですね、彼女たちは。
 彼女たちの明るさは救いであっただろう。

 信繁(堺雅人)も娘すえと最後に心を通わせた。
 すえは、堀田作兵衛(藤本隆宏)が自分の父親だと思っている、と語った後にこう言った。
「またお会いできる日を心待ちにしております」

 というわけで、
 今回のサブタイトルは「信之」でしたが、「不屈」というタイトルもふさわしいように思いました。
 三成の妻の叫びは迫力があったなぁ。
 おそらく、こう叫ばずにはいられなかったのだろう。
 昌幸の「おのおの、抜かりなく」も深い言葉だ。
 昌幸はあきらめていない。まだ立ち向かおうとしている。

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ブラタモリ 「高尾山」~高尾山の豊かさ。1598種の植物、小仏層群の地盤、神仏習合の薬王院

2016年09月18日 | ドキュメンタリー
 ブラタモリで<高尾山>を特集していた。
 高尾山は豊かな山である。
 番組に拠ると、植物の種類は1598種で、総面積の比率で比べると世界一らしい。
 植生も北斜面と南斜面で違っているそうだ。
 北斜面ではブナなどの落葉広葉樹。
 南斜面ではヒイラギ、カシなどの常緑広葉樹。
 高尾山は落葉広葉樹と常緑広葉樹の植生の境界線にある山らしい。
 山頂の薬王院も面白い。
 神仏習合のまま残されていて、お寺と神社が混在し、お寺なのに鳥居がある。
 水も豊かだ。
 高尾山を登る時、僕は必ず<六号路のびわ滝コース>を往路か復路に入れるのだが、ここを歩いていると、この山が水で満杯な山であることが、よくわかる。(まだ、このコースを試されていない方、お薦めです!)
 堅い砂岩と泥岩の小仏層群の地盤が地下水を蓄えている。

 番組に拠ると、高尾山はさまざまな人に愛されてきたらしい。
 戦国時代は北条氏。
 北条氏照・氏政は、北条家の安寧と隆盛を願って薬王院に寄進し、保護した。
 江戸時代は、参拝する庶民。
 富士山に行けない庶民は高尾山を登って参拝した。
 近代になると、高尾山のそばに天皇の御陵(大正天皇陵/現在は昭和天皇陵も)がつくられて、これまた、たくさんの人が参拝した。
 それらの人を運んだのが、京王御陵線。
 僕は、子供の頃、どうして京王線の正式名称は<京王帝都電鉄>なのだろうと思っていたが、理由はこれなんですよね。
 帝都と天皇の御陵を結ぶ鉄道だから<京王帝都電鉄>。
 京王線に<聖蹟桜ヶ丘>なんて駅があるのもその名残。
 天皇の御陵は<聖>であり、人間が住む東京は<不浄>。
『帝都・東京』(宝島社)という本を読んで「そうだったのか」と感動したことがある。
(※追記/この件に関しては風太郎さんからご指摘をいただきました。コメント欄参照)

 話が脱線してしまったが、改めて言うと、高尾山は豊かな山である。
 登るたびに、さまざまな発見がある。
 しかし、一時、高尾山の下にトンネルを通すというプランがあったらしい。
 この計画は結局、地元の人や自然保護団体の猛烈な反対でなくなったそうだが、もし実行されていたら危なかった。
 高尾山が蓄えている地下水が抜けて、山の豊さが失われてしまうからだ。
 番組に拠ると、高尾山周辺の山々は、すべて杉やヒノキで覆われた<人工林>らしい。←花粉症の原因!
 一方、高尾山は1598種の植物がある世界一の<自然林>。
 よくぞ守られたものだと思う。
 守られた結果、高尾山は現代人にも愛される山になった。

 こうして見ていくと、<開発>って何なんでしょうね?
 大切なものを失くしている気がします。

コメント (2)
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