後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔695〕清瀬市民が動き出しました! 「清瀬市立図書館の充実・発展の提案に関する請願書」提出へ。

2024年05月18日 | 市民運動

   澁谷桂司市政の「図書館を6館から2館へ」という暴挙に心ある市民が立ち上がりました。3月市議会の決定はすぐには覆せないということで、チラシにあるように新たに4つのことを提案しています。廃止する図書館の代わりに、地域文庫を充実させたいというのです。さらにそこには、自動貸出機を置いて欲しいという当然の要求などです。
   6月議会ではこうした請願が提出されます。近場の方の傍聴をお願いします。

 

 ◆沈思実行(193)
  過労死を考える(上)
  原因は交代制の深夜労働 疑う妻たちが発言

                   鎌田 慧

 トヨタ自動車で働いていて、過労死した労働者の妻が、初めて弁護士
に会ったとき「どうして車を夜、作らなければならないのですか」と聞
いた、という(「過労死」過労死弁護団全国連絡会議編)。
 それを読んで、ふいを衝かれたように驚かされた。過労死された妻に
してみれば、当然の発言である。それを当たり前にしている「世間」が
批判されている。昼に働いて、夜は寝るのが、普通の暮らしのはず
なのだ。

 実はわたしは出稼ぎ労働者の取材で、トヨタ自動車の本社工場で半年
働き、旭硝子船橋工場で2カ月(ガラス粉末が多く、喘息発作でダウン)
働いたことがある。
 トヨタでも旭硝子でも、交代制の深夜労働は当たり前だった。旭硝子
でのブラウ管製造のラインは、出稼ぎ労働者に任されていて、1時間45
分働いて15分間の休憩、というシステムだった。

 短時間でカネ稼ぎが魅力なので、18時間、24時間を連続して働く人は
珍しくなかった。それもあってか、2カ月で3人が過労死。腰痛、寮の
階段踏み外し、などで退職、故郷に帰った人たちがいた。わたし自身、
状況の酷さを体験記として書いたが、交代制の深夜労働を疑った事は
なかった。

 鉄鋼や窯業、石油産業など、加熱による業種は連続生産が必要だ。
 しかし、自動車の組み立てなどの交代制労働は、生産量を増やすため
だけのものなのだ。それも深夜労働など、人間的な体内時計を無視し、
人間の精神と肉体にいいわけがない。

 近所に住む知人の長男(当時43歳)が夜になっても自宅に帰らず、
翌朝、会社で死亡しているのが発見された。長時間労働とパワハラによ
る異常事態だったが、労基署が取り合わなかった。それで過労死弁護団
連絡会議を組織し、全国の過労死と取り組んでこられた、川人弁護士に
紹介した。その活躍によって労災認定をかちとった。

 大量殺人は戦争ばかりではない。経済戦争の犠牲者としての過労死、
職業病患者は一向に減らない。
 人間のいのちと健康を奪う非人間的生産を規制するのは、裁判ばかり
か、労働運動の役割だ。  (5月8日「週刊新社会」第1354号より)


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