ふたりの言い分

ジャスミンが、アリスの食事を偵察しに来た。
ん？　ジャスミ～ン、気が付いた？



そう、今アリスが使っているのは、元ジャスミンが使っていた器。　「ＣＡＴ」と書いてある。

アリスの犬用食器は、食べやすいように底がカーブしてある。
食べやす過ぎて、いつも数秒で完食。　しかも、ボロボロ四方にこぼしながら食べている。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは犬用

試しにジャスミンの器にしてみたが、所要時間はさほど変わらず。こぼすのも同じだった。

それにしてもジャスミンは、アリスが自分の器を使っているとわかってやって来たのだろうか？

ところで、最近アリスが関所を破って、再三私のベッドにやって来る。
柔らかな毛布の感触を覆ってしまえどうかと、早々にベッドカバーを被せておいた。

・・・・



何の効果もなし。



それでも、私に見つかるとビクビクしているところがいじらしい
でも、だめだからね。　と、抱きかかえてリビングに連れて行く。

３分後。



さっさと戻っているところが小憎らしい。



足なんか舐めたりして、知らんぷりを決め込んでいる。
また抱きかかえてリビングに戻し……、３０分後……。



今度は、犬なのにタヌキ寝入りをしている。



アリスッ！　何度言ったらわかるんですか！



そんなやりとりを、ジャスミンは寝室の入り口で見ていた。
そして昨日のこと。

陽だまりでウトウトしていたアリスに、ジャスミンが音もなく近づいていた！



ひゃぁ～！　文句でも言いに行くつもりなのだろうか？
飛び起きるか？と思っていたアリスはポヮ～ンとしたままだ。



ビビリのジャスミンが自分から近づいて行った☆
それはもしかしたら、ベッドに付いたアリスの匂いを嗅いで、怒ったというよりも仲間意識が湧いた
のではないか？

私は、コーヒーの入ったマグカップを持ったままふたりの動向を見守っていた。
残念ながら、ジャスミンはそのままス～っと離れて行ってしまったけれど……。

そして今朝のこと。

ベッドを直そうと寝室に入ると、ありゃ



う～ん……、どうするかなぁ……アリスを抱えて下ろそうか……と考えていると、



消極的なジャスミンが、一歩前に出た☆
やはり、「アタシの場所。」と主張したいのだろうか？



アリスはわかっていても退く気はないらしい。



むしろ、退かないもんね～と言っているような態度を取る。

あぁ、困った困った。
却って私が介入しないで、今後の解決はふたりに任せようか……。

そんな今夜。

ケージの入り口の所で、アリスが妙に興奮してクルクル回っている。
何興奮しているんだ？と目を向けると、

ジャスミンがアリスのケージの中に入っていて、しかもアリスのベッドの中を覗き込んでいたのだ！

それは、仕返しというよりも、なんだか近づきたいと思ったのではないか♪？
心配しながらも、ちょっとだけ楽しみに見守っている外野な私。


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