真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「介護SEX お義父さんやめて!」(2002/製作:サカエ企画/提供:Xces Film/監督:新田栄/脚本:岡輝男/企画:稲山悌二《エクセスフィルム》/撮影:千葉幸男/照明:高原賢一/編集:酒井正次/スチール:佐藤初太郎/助監督:加藤義一/音楽:レインボーサウンド/監督助手:北村隆/撮影助手:池宮直弘/照明助手:原康二/効果:中村半次郎/録音:シネキャビン/現像:東映化学/出演:安西なるみ・風間今日子・林由美香・なかみつせいじ・柳東史・螢雪次朗)。
 矢島亜希子(安西)は、夫・努(なかみつ)の父・恒夫(蛍)がリウマチを患ひ左半身の自由が利かなくなつてしまつたため、夫婦で郊外にある実家に引越し、恒夫の介護をすることになつた。オツムが弱いんぢやなからうか、とすら思はれるくらゐにお人好しの亜希子が、流れるやうにあれやこれやの色事にめくるめく、右から左に流れて行く桃色ホームドラマである。誤解なきやうお断り申し上げておきたいが、これは一欠片も腐してゐる訳では別にない。
 実家に引越して早々、とりあへず夫と夫婦生活。在宅介護の講習に訪れた介護師は、短大時代の先輩・春野桃子(風間)だつた。尿瓶の使ひ方を習ふ際に御丁寧にもわざわざ精巧な張形を用ゐ、入浴の介助の講習では、何故か亜希子はパンティ一枚の半裸に、そのまま桃子と百合を致す。月に一度の往診にやつて来た医師の若山友一(柳)からは、色々と貴女も大変でせう、ちよつと看て差し上げますよ、だとか何とかいはれながら最終的にはお医者さんゴッコ。そんな底の抜けた濡れ場にあつて、若山のバカ名台詞「ちよつと脱いで下さい」、「恥づかしがらなくて結構、私も脱ぎます」。本当に、バカだなあ   >岡輝男
 若山とのセックスを恒夫に見られてしまつた亜希子は、その時から、義父の自らを見る目に生じた変化を感じる。散歩をしてゐて、急に小用を催した恒夫の下の世話を、亜希子が木立の中にて。と同時に、恒夫に求められるまゝに亜希子は手コキをする。恒夫は、久方振りに射精する。一方努は、片道三時間の通勤に疲れ、家に帰らなくなる日が段々と増えて行き、部下の松下美幸(林)との浮気が始まつた。美幸がこれ見よがしに努の上着の胸ポケットに忍ばせたコンドームから、亜希子は夫の浮気を知る。嗚呼、何て安いシークエンスなんだ。だからそれはそれでもういい、これは決して諦めてゐる訳ではない、多分。恐ろしいほどに素晴らしい映画がある、それはそれでいい。恐ろしいほどに素晴らしい映画に戦慄すら伴ふ感動に震へる、それは何よりも換へ難い至福に違ひない。それと同時に、のんべんだらりとした映画を、のんべんだらりと楽しむ。途中の何処で手洗ひに中座しても別に全く構はないやうな映画を、いい加減にいい塩梅で楽しむ、さういふ体験も、時にさういふ日もあつていいのではなからうか。
 結局どうなるのかといふと(又やつちまつた・・・・)、恒夫は自分の体が良くなり亜希子も東京に戻れるやうになれば、努の浮気も已むであらう。と特別介護と称して義父と息子の嫁はセックスする、ジャンジャン♪どんな形であれ、といふかこんな形であれ、一応は亜希子と恒夫のセックスにまで筋が繋がつてゐる分、新田栄&岡輝男コンビの映画にしては、これでも十分上出来な部類に入る。

 以下は再見時の付記< 絡み初戦の夫婦生活を完遂した次のカットで風間今日子登場。風間今日子が退場したそのまた次のカットで、退院した螢雪次朗が帰宅する。一段落つく毎に小気味よく俳優部がリングもといフレーム・インする、序盤の何気に整へられたリズムが案外超絶。


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