真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「ハイミスOL やり放題」(1994『性告白実話 ハイミスOL篇』の2002年旧作改題版)告白 熟女のやり放題」(1994『性告白実話 ハイミスOL篇』の2006年旧作改題版/製作:サカエ企画/配給:新東宝映画/監督:新田栄/脚本:岡輝男/企画中田新太郎撮影:千葉幸男/照明:高原賢一/音楽:レインボーサウンド/編集:酒井正次/助監督:高田宝重/撮影助手:石井克彦/照明助手:大平隆/現像:東映化学/録音:銀座サウンド/効果:時田グループ/出演:速水健二・石神一・太田始/インタビュアー:猪又太一)。
 レディース・コミックの編集部が、寄せられた投稿告白を基にした映画の製作を企画する。レポーター(猪又)はマイクを手に、詰まるところは実スタッフである撮影チームを引き連れ投稿者本人、といふ体の出演者の下を巡る。後にも先にも、ざつと全くそれだけのコンセプトのオムニバス篇である、実も蓋もなくなるけど。
 最初に登場するのは、石井佳代(28)OL(演:田口あゆみ)。根つから好色な佳代は、男優・西川(太田)とのプレイに狂喜する。太田始の色男ぶりが、画調に加へて時代を感じさせる。続けて一行は、秘蔵コレクションを誇る岸田恵(30)デパートガール(演:早瀬美奈)の下に向かふ。コレクションとは、新宿二丁目で買つて来たといふ薔薇族ビデオとジョイトイの数々であつた。薔薇族ビデオを見ながら、恵は名前までつけた淫具で派手な自慰に乱れる。三番手は結婚も考へないでもない彼氏・聖人(石神)が居ながら、性戯に長けた妻子持ちの健一郎(速見)との不倫が止められない、とかいふ関根令子(32)OL(演:西原知香)、この女が今作の負の遺産、あるいは致命傷。げんなり萎えさせられてしまふ重機で、元より大きくはない石神一の体躯が、まるで母親に抱かれる子供のやうに小さく見える。それがツボであるといふ御仁も世の中には居られるのかも知れないが、個人的には最大出力全速後進で有難くない。
 重機の令子のエピソードが右から極北へと流れ、もう一度西川とセクロスがしたいと猪又に連絡を入れて来た佳代の濡れ場挿んで、編集中の新田栄と高田宝重といふ、それはそれとして珍しい画面(ゑづら)がラスト・ショット。興味深いのはスタッフ・キャストのクレジットは開巻にて済ませた今作、最後の最後に、今作は寄せられた赤裸々な投稿告白を基に再現映画化したものである、といふ旨の字幕が入る。それゆゑ、投稿者本人が映画に出てゐるといふ体裁をとるためなのか、実は出演者として女優部の名前は一切クレジットされない。少なくとも新版ポスターには、堂々と普通に刷られてはゐるけれど。
 ついでにそのラスト・クレジットの文言に関して、“史実に再現したものである”とは何事だ、“史実に”とは。そこ、正しくは“忠実に”ぢやろ(;´Д`)

 冒頭の記述がゴチャゴチャしてゐるのは、今作、実は2002年既に一度改題新版公開済みなのである。二度はおろか、そもそも一度とてわざわざ旧作改題するほどの代物ではないことは、最早いふまでもなからう。余程新版公開する弾に窮してゐたのか、それとも単に忘れてゐたのか。それは幾ら何でもあんまりか。


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