真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「どスケベ坊主 美姉妹いただきます」(2005/製作:関根プロダクション/提供:オーピー映画/監督:関根和美/脚本:関根和美・宮崎剛/撮影:下元哲/照明:代田橋男/音楽:ザ・リハビリテーションズ/助監督:宮崎剛/撮影助手:中村拓/照明助手:高田宝重/監督助手:水上晃太/選曲:梅沢身知子/出演:朝丘まりん・持田さつき・三井かおり・綺羅一馬・松浦祐也・中川大輔・亜希いずみ・城春樹)。今作も、リハビリの名前がありながら梅沢身知子が選曲としてクレジットされてゐる。要はリハビリにしてもレインボーにしても、在り物の音源を使つてゐながら、それを選曲してゐるのが梅沢身知子、といふことなのか。出演者中、関根和美の愛妻・亜希いずみは本篇クレジットのみ。
 元々は公務員をしてゐたものの、婿入りして寺を継いだ自他共に認める生臭坊主の才門(城)が、僧籍の肌に合はぬ生活に耐へかね家出し放浪してゐたところ、フとした弾みでトラブルを抱へた美人姉妹の家に転がり込む。例によつて十本中八、九本の、関根和美の石化コメディである。関根和美には最早、といふかとうの昔から、夢オチは回避すべきだなどといふ羞恥心は欠片も持ち合はせない。一体城春樹―又は町田政則―の、夢オチがこれまで幾度繰り返されたことか。映画自体が古臭いと、下元哲の撮る画までが何故か古びて見えてしまふ。関根和美の放つ磁場に絡め取られたのか、そのフォースの暗黒面に引き摺り込まれてしまつたに違ひない。加へてどうでもいいのが、城春樹は三十年を優に越すキャリアも誇りながら、本当に何時まで経つても大根である。
 十本中八、九本の内では、これでもダレてゐない方といへるのかも知れない。タイトルにある美姉妹は、朝丘まりんが妹の美沙。持田さつきが姉のエリ。全く似てゐないが、美人は兎も角さりげなく巨乳姉妹でもある。ところで持田さつきは、本当に杉原みさおに声がソックリだ。
 綺羅一馬は姉妹のトラブルの元凶、悪徳リフォーム業者の岩本。岩本と才門とが、同じ弱味を抱へてゐるといふのは如何にも脚本の底の浅さかもしくは芸の無さが露呈してしまふが、そもそもそのやうなものを要求すること自体が、大人気なからうこともいふまでもない。三井かおりは、岩本がうつつを抜かす風俗嬢・美也子。次作「未亡人女将 我慢できないの」(2005)同様三番手の濡れ場要員ではあるが、重ねて同じく一見足が地に着いてゐないやうに見せて、絶妙に手堅い仕事を見せる。
 持田さつきと同級生には絶対的に見えない松浦祐也は、同窓会にて再会した設定のエリの不倫相手・巌。中川大輔は、美沙彼氏の平川。オーラスを締める亜希いずみは、逃げた夫を追ふ才門の妻・冴子。ひよつとすると、あるいはあはよくば、才門が別の何処かに再び姿を現す続篇を作る気があるのかも知れない。さう感じさせなくもない幕の引き方を見せる、別にそのことを望んでゐる訳では特にないが。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


« うす濡れパン... 未亡人女将 ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。