真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「欲情ヒッチハイク 求めた人妻」(2005/製作:小川企画プロダクション/提供:オーピー映画/プロデューサー:小川欽也/監督:竹洞哲也/脚本:小松公典/撮影監督:創優和/助監督:山口大輔/監督助手:絹張寛征/撮影助手:宮永昭典/効果:梅沢身知子/タイトル:ガルタイトル/音楽:與語一平/協力:加藤映像工房・ACE/出演:夏目今日子・華沢レモン・葉月螢・松浦祐也・石川雄也・那波隆史)。
 夫(竹洞哲也?)と喧嘩し衝動的に家を飛び出した西田幸美(夏目)は、捨て鉢にヒッチハイクで車を拾ふ。止まつて呉れた車を運転してゐた角谷(石川)は、妻が身重ですつかり御無沙汰であつた為、早速ヒッチハイクの対価に幸美を求める。一度は拒んだ幸美ではあつたが、送られて来た夫からのメールの素つ気無さにキレると、自暴自棄気味に角谷に抱かれる。事が済み、幸美が携帯を触りながらフと車を降りると、光二は幸美の荷物も降ろして走り去つてしまふ。続いて幸美を拾つて呉れた山里涼子(華沢)は、恋人の中西哲也(松浦)が住む長野を目指してゐた。長野は幸美の故郷でもあつた。長野まで乗せて行つて貰ひ、幸美は昔の恋人、山崎静男(那波)の営む民宿「静真」に転がり込む。次の日、静真を涼子と哲也とが客として訪れる。二人の関係は、哲也の両親からは反対されてゐた。
 竹洞哲也2005年三本目、通算では五作目である。因みに最新作は、東京でも先月封切られたばかりで、勿論未だ関門海峡の遠く東の彼方にある。竹洞哲也、相変らず不発。たとへどんなに薄つぺらくて安つぽくとも、愚直で瑞々しかつた「美少女図鑑 汚された制服」(2004/脚本:小松公典/主演:吉沢明歩)は、所詮ビギナーズ・ラックに過ぎなかつたのか。「美少女図鑑~」は二作目であるが。処女作の「人妻の秘密 覗き覗かれ」(2004/脚本は小松公典と共同/主演:吉沢明歩)は、オーソドックスでありながらも若々しいピンクで好感が持てたが、2005年の三作はどれも半端な映画ばかりで全滅である。若い恋人同士の二人を前にしながら、かつて恋人同士であつたもう若くはない男と女が、“もしも”の未来が有るだの無いだの、ラスト・ダンスがどうだのかうだのと、中身が無いやうで全く無いどうでもいい台詞をちんたらちんたらと捏ね繰り回す。何がラスト・ダンスだ、タコ。仕方の無いかつたるさが垂れ流されるばかりで、勿論エロスが炸裂して、どんなにろくでもない映画であつたとしても元だけは取らせて呉れる訳でもない。雑な物言ひにもなるが、本当にこんな映画、もうどうでもいいんだよ。大蔵に那波隆史なんぞ出すな、映画が閉塞する。さつさと撮影を切り上げて、家に帰つて一杯やる。ことだけを考へた、ルーチンワークの方がまだマシである。半端に志があるだけ、却つて罪が重いとはいへまいか。作家性に凝り固まりながらも最終的には全うな娯楽作品として仕上げるだけの、たとへば山邦紀の冷静なテクニックは、竹洞哲也にも国沢実にも、序に森山茂雄にも、後勿論荒木太郎にも、少なくとも未だ無からう。
 師匠の小川欽也はとりあへず、次は一回竹洞哲也に小松公典と縁を切らせてみてはどうか。

 葉月螢は、チェック・アウトの時間になつても起きて来ない、矢鱈と寝相の悪い客・米沢亜希。大胆不敵にも、亜希の濡れ場は妄想オチのみで片付ける。


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