真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
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駄楽ひまなときブログ
行きつけのお店のブログ、下戸なのに。しかも閉めたんだけどね
ツイッタ
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友松直之監督のブログ、激しくエモーショナル
影への隠遁Blog
山﨑邦紀監督のブログ
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歴戦のピンクス、キルゴア二等兵氏のブログ
こびりつき映画記
サイボク氏のブログ、ピンク映画に関するエントリー多し
BATTLE BABES HC
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そのまんまです
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自己紹介
福岡市在住のピンクス。ピンクスとは、ピンク映画愛好の士、を意味する造語である。
仮名遣ひは正仮名を使用。
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実写本番ONANIE/DMM戦
さ行
/
2017年01月03日
「
実写本番ONANIE
」(1991/製作・配給:新東宝映画/脚本・監督:鈴木敬晴/撮影:三浦忠/照明:斎藤久晃/編集:酒井正次/音楽:雄龍舎/助監督:上野茶我丸/演出助手:石田薫/撮影助手:今井裕二・小林嘉弘/照明助手:大島孝/メイク:俵典子/スチール:児玉健二/制作:谷中康子/録音:ニューメグロスタジオ/効果:協立音響/現像:東映化学/撮影協力:スタジオキャビン・クリスタル映像/出演:五島めぐ・南野千夏・伊藤清美・清水大敬・牧村耕治・小林節彦・さとうあきこ・早川誠・一輝郁雄)。出演者中牧村耕治が、VHSジャケ―去年発売されたDVDでも―では牧村耕次に、
どうしても間違へておかないと気が済まないのか
。
キョロキョロするアップの目元に、他人の手でアイシャドウが施される。ビートの利いたインストとクレジット起動、めぐ(大体ハーセルフ)がメイクさん(さとう)に綺麗にして貰つてゐる楽屋に、監督の沖田(清水)が―めぐ曰くアダルトなのに―台本を手に現れる。台本の中身にめぐがゴネ始めると、男優の一輝君(概ねヒムセルフ/本名義は一騎郁雄か)、マイクも持つ助監督の小林(小林)、めぐのマネージャー・西村(牧村)を矢継ぎ早に顔見せ。シャワーを浴びるめぐが完璧な乳尻を軽く披露した上で、停電に伴ふ暗転とともに鈴木敬晴のクレジット。ブレーカーを落とした小林が怒られて、ビデオ題の「FカップONANIE 巨乳いぢり」でタイトル・イン。作為の欠片も窺へない即物的なビデオ題が、それはそれでそれなりに内容にはジャスト・フィットしてもゐる一方、“本番”と“ONANIE”に関しては本気自慰といふことだらうと好意的に解釈するとして、“実写”が輝かしいほどに意味不明な元題ではある、マンガか小説の原作でもあるのかよ。
とりあへず他愛ないインタビューから撮影開始、早川誠がカメラマンの早川。「
ドキュメンタリーといふのは、事実を何度も再構成したフィクションなんだ
」だとかめぐに画期的な演出を施す沖田に、妻のかおりから離婚を切り出す電話がかゝつて来る。挫けかけつつ沖田がなほも撮影を続行するスタジオに、制作会社に場所を訊いたかおり(南野)が離婚届を手に訪ねて来る。かおりは、妊娠してゐた。
「サヨナラホームランは絶対に打つ」、「欲しいのはそのきつかけだけなんだ」だなどと沖田に仕方のない台詞を吐かせながらのめぐの本番ONANIEの撮影中。配役残り、決定力が爆裂する五島めぐの自乳舐めの最中に飛び込んで来る伊藤清美は、沖田の不倫相手・奈津子。沖田を捨てた奈津子が選んだ、きれいな江頭2:50みたいな男は不明。
佐々木乃武良
と同時進行中の鈴木敬晴映画祭、1991年第三作。あくまで本当に撮りたいのは映画な男が監督するAVの、現場を舞台としたメロドラマ。おためごかしな映画愛には甘酸つぱさも通り越した居た堪れなさを禁じ得ず、誰が演じたところで変らない結果となつたやうに苦笑しながらも、敢て、といふかより直截には選りにも選つて沖田役に清水大敬を据ゑた真向中の真向勝負のキャスティングに、殆どやぶれかぶれな潔さを感じるものでもある。「映画もやつてる人も大嫌ひ」、「世界の中心みたいに馬鹿みたいに本気になつて」と一旦下げるだけ下げておいて、最終的には「映画撮つて欲しい」と今でいふツンデレを華麗に決め最後の夫婦生活に突入する沖田とかおりの物語は、如何ともし難い臭さ、あるいは北極経由でグルッと一周した南風の惰弱ささへ一旦さて措けば、尺も十二分に費やし最低限形になつてゐなくもない、南野千夏は殆ど脱がないが。対して裸映画的にも劇映画的にも正しく対照的に、回想風のイメージの乱打を通して伊藤清美の裸は潤沢に見せ、ある意味伊藤清美らしいグジャグジャした熱演を撃ち抜く見せ場も与へられはするものの、奈津子の言ひ分あるいはエモーションがてんで伝はらない沖田と奈津子の物語は、木に竹すら接ぎ損なふ。いはゆる濡れ場要員の存在を回避しようとした節は肯けなくもないにせよ、改めて南野千夏が殆ど脱がない点まで踏まへると、今回果敢に勝負を挑みはした鈴木敬晴が、基本的にピンク映画初期設定の三本柱フォーマットに玉と砕けた様は否めまい。そもそもが話を戻すとラスト沖田との別れ際、主演女優に「今度映画撮ろ!」なんていはせてのける、要は調子よく自分で自分の背中を押してみせたレス・ザン・ゼロに射程の短い自己憐憫は所詮煮ても焼いても到底食へない代物で、それならばいつそ寧ろ、清水大敬の闇雲な熱量でゴリ押しでもされた方が、ツッコミの楽しさにも満ち溢れまだしもマシなのではなからうかとすら思へた。
但し、この際男優部には頼らずオナニー・シーンを多用する秀逸な戦略も功を奏し、五島めぐを美しく、そしてどエロく撮ることには大成功してゐる。五島めぐにお世話になつたメモリーのある御仁にはマストで必見と畳語も省みずお薦め出来るし、余程偏狭な琴線の持ち主でなければ、博く何時の時代に見るなり観ても勃つと断言しよう。
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