真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
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福岡市在住のピンクス。ピンクスとは、ピンク映画愛好の士、を意味する造語である。
仮名遣ひは正仮名を使用。
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新人OL 婦人科検診
池島ゆたか
/
2014年07月14日
「
新人女子社員 淫乱《秘》検診
」(1993『新人OL 婦人科検診』の2014年旧作改題版/企画:セメントマッチ/製作:BREAK IN/提供:Xces Film/監督:池島ゆたか/脚本:五代響子/撮影:稲吉雅志/照明:井和手健/編集:酒井正次/スチール:津田一郎/助監督:高田宝重/監督助手:征木愛造/撮影助手:村川聡/照明助手:広瀬寛巳/録音:銀座サウンド/現像:東映化学/出演:川原みずき・杉原みさを・井上あんり・平賀勘一・杉本まこと・山本竜二・神戸顕一・池島ゆたか・山ノ手ぐり子、ほか若干名・伊東健太郎・獄門党)。出演者中、山ノ手ぐり子以降は本篇クレジットのみで、杉原みさをが、ポスターには杉原みさお。仮名遣ひ上は、本来“みさを”が正しい。
サンライズ製薬の産業医、ではなく恐らく研究開発部門の一員・小山(平賀)が、新商品の被験者となつた女子社員の女陰を診察する。芳しくない成果に首を傾げた小山が、一転カメラ目線で御陽気に次の人間を呼び込んだところでタイトル・イン。開発主任の吉岡(山本)以下、サンライズの新宿研究所。同僚の彼氏・末永(杉本)との情事に際し、男根に塗るタイプの避妊薬「バース・コントロール・オイル」を試してみた新人OLの葉月あゆみ(川原)は発熱通り越してチンコが煙を噴いた―確かにそれなら精子も死なう―のに完全に閉口、要は社員をモルモットにするサンライズに半ば以上匙を投げる。対してあゆみ同期の西村佐知子(杉原)は、テレクラを介し会つても男に逃げられる自身の不美人を悩んでゐた。そんな中、サンライズはスプレー状避妊薬「ヴァギナコート」の開発に着手、その情報を聞きつけたライバル会社「ミヤコ製薬」の日下部(池島)は、男女の仲にもある部下・小林百合絵(井上)をサンライズに潜入させる。
配役残り、手が出せるところから山ノ手ぐり子(=五代響子/現:五代暁子)は、サンライズの「ヴァギナコート」発売のニュースを伝へる、TVキャスター・小宮ではなく多分小峰か小峯。となると伊東健太郎が、何故かスタジオで盛り上がり小峰が尺八を吹き始める同じく久米?神戸顕一は佐知子のテレクラ劇中二戦目、必至に隠す首から上に何てエッチな顔なんだと惚れるタカシ。
獄門党
の皆さんには手も足も出せないが、声に裏切られたと待ち合はせた佐知子を振るタカシが、何故か白衣のあゆみと佐知子が試供品を配布する現場にも通りすがるのと、ディレクターが高田宝重で、ADは征木愛造(a.k.a.梶野考)のあゆみを起用したCM撮影現場にも更に若干名が見切れる、こちらは実スタッフの線が濃厚。問題は、妙に詳細な新日本公式には鈴木さおり・青木裕子・富田真澄が先輩OLとされるものの、そもそも頭数が一人多い。更には小山の診察室の看護婦は茂木澄子、赤池なるみと鈴木洋子がその他とされる。その他て何よ、さうなると今度は名前が余る。
池島ゆたか1993年第一作にして、通算第七作。八ヶ月弱後の浜野佐知による「
失神OL 婦人科検診2
」(主演:西野美緒)と、今作との間にOLが検診を受ける以外―小山が婦人科医であるのかどうかすら疑はしい―に連関が一切全く一欠片も存在しない気軽か適当なナンバリングに関してはは、改めようと改めまいと触れるまでもなからう。サンライズ社内風土の底の抜け具合にさへ目を瞑れば、夢の新商品を巡るチン騒動は一時間の尺にキッカリ納まり、量産型娯楽映画としての仕上がりは抜群。但し首から下は超絶美麗なプロポーションを誇りつつ、隣に杉原みさをを従へてゐながら主演女優も主演女優で、逆の意味で綺麗にヒン曲がつた面相は間違つても美人ではない。それゆゑ何だかんだで悩みを抜け最終的には再起するあゆみの姿は若干輝きに欠け、寧ろ佐知子が目出度く寿退社に漕ぎつける件の方が鋭角のキャスティング込みで物語的な出来栄えも堅く、十全なハッピーエンドを成就する。
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