ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (2)

2015-07-06 23:49:09 | S氏の慶熙大学校10週間留学記
 <定年前退職S氏のソウル・慶熙大学校10週間留学記 (1)>の続きです。

 [ヌルボより] 前回の記事で、水のペットボトルの中身を「別の透明の液体」(!)に移し替えた(笑)という1件はどうしようかなと思いましたがそのまま書きました。たんにおもしろかったので・・・。
 クラス分けテストの結果は、他人事ながら気になっていましたが・・・。

◎3月31日(火)
 朝、衝撃を受けてしまった。クラス分けテストの結果をパソコンで確認しようと中級クラスの欄を探したが名前がない。おかしいなと思いながら初級クラスに移動するとそこに自分の名前があった。これはビギナークラスの次に位置するクラス。中級入りを目指していた自分にとってはちょっと不満でありショックであった。
 校舎の入り口にも結果が掲示してあったが、当然のことながら結果は同じだった。
 地下1階にある教室に入ると14、5人ほどが入れる広さだった。授業開始時間の9時前に先生が現れ、生徒もそろった。皆若い。点呼がありお決まりの自己紹介が始まる。13名のクラスらしいが、今日集まったのは自分を含め9人。国別では中国、マレーシア、スウェーデン、べトナム、タイ、サウジアラビア等。日本人は自分ひとりでほっとする。年齢別ではほとんど20代前半で、後半が1人。年齢差は歴然。まあこれはあらかじめ予測していたことで特に気にならなかったが、多くが冬コース(12~2月)の履修者であり、今回の春コース(3~6月)に引き続いて夏コース(6~8月)も受講することには正直びっくりした。若い人だから時間があるのはわかるが、「よく金が続くな」と親のご苦労にも思いが至る。
 11時過ぎからの入校式に参加する。ここでまた驚くのだが、どこから現れるのかいるわいるわ、大きな講堂が満杯になった。世界55ヵ国から922名が集まったと発表があった。式辞のなかで語学院長が「当校は学内の景色の美しさと国際化対応ではよく知られている」と話していたが、経営もうまいなとつくづく感じ入ってしまった。
 12時半には式が終わったが、人が多くなかなか出られない。やっと出られたが少し雨が降り出していた。教科書を買い行こうと思い校内の書店に行ったら、やはり皆考えは同じでレジは長蛇の列ができていたので、後にすることにして食事に向かう。正門前の食堂はどこも満席。やむなく引き返したところ、人影は引いていたので教科書を購入。文法(문법)、読み(읽기)、書き(쓰기)、会話(말하기)、聞き取り(듣기)の5冊に分かれ、しめて6万5千ウォン。中身を見ると写真や絵が多く使われていた。どうせ全冊買わせるならもう少し工夫して2冊くらいにまとめられないかと思う。ここでも経営上手かと勘繰らせる。内容もすでに7、8年前に習ったようなことが多く落胆する。帰り際に顔を見知った若者に「もう買ったか?」と声をかけたら、「高くて買えないよ」といっていた。大方の本音ではないかと思う。

      
【教材の<慶煕韓国語シリーズ>中の2冊。教保文庫のサイトを見ると1冊11,700ウォンと少し安くなってますが、それでもかなりのお値段になります。(ヌルボ) 】

◎4月1日(水)
 今日から本格的に授業開始。昨日来なかった3人が出席。授業開始前に生徒全員に先生から特別授業の話があった。週4日で、事業時間は3時から5時まで。4月一杯は25万ウォン。またお金がかかると思いつつも、一瞬「上達のためには必要か?」と思って申し込みを考えたが、その後すぐに毎週火曜日に韓国文化授業の一環としてタンソ(短簫.단소)という韓国の伝統的な楽器(縦笛)の講習があるとのこと。特別授業の先生も「特別授業よりこちらのほうがいいと思う」と言われたので文化授業を受けることにした。
 今日は文法と聞き取りの授業。文法は一応理解していたつもりであったが、整理をするのに好都合だった。聞き取りも内容的にはとくにむずかしくはないが、考える暇が与えられず早い速度で聞いて話すことが求められた。意外としんどかった上に、聞いたことを即座に書くことも求められた。つづりもわからない単語が多く、ほとんど書けなかった。若い連中はけっこう力を発揮してきちんとできていて、先生にほめられた生徒もいて感心させられた。
 今日初めて出席したうち、台湾人は授業にあまり協力的でなくスマホを触ったりしていたのでスマホは取り上げられ、先生から格好の集中砲火を浴びる対象となっていた。このクラスの女性陣は総じて元気がなくて先生の問いかけにも反応が薄く、叱咤されていた。
 今日の昼は昨日食べた隣の食堂で食べることにした。自動販売機に戸惑っていたら、入れたはずの千ウォンが出てこなくなった。実際3千ウォンの食事が4千ウォンになってしまった。取り戻すための交渉ができない自分がもどかしい。カレーに似たような料理にホットドックがついてボリュームは十分。味は普通。
 夜(眼鏡屋の)カンさんがカカオトークで電話してきてくれて、飲みに誘われる。近所のコンビニのおばちゃんにヘジャンクのおいしい店を教えてもらっていたので、フェギ駅で待ち合わせてその店に行く。結局食べたのはカムジャンタンだったが、なかなか旨い。具材として入っているシレギ(시래기)という白菜を天日干ししたものが甘みがあって味を引き立てていた。ジャガイモの量が少ない代わり、骨付きの豚肉がふんだんに入っていた。韓国のカムジャンタンはジャガイモはあまり入れないそうだ。

◎4月2日(木)
 学校への近道を見つけた。10分程度歩くと学校に着ける。途中の小学校(清涼初等学校)に桜が学校を取り巻くように植えられている。つぼみはかなり膨らみ、一部では咲き出し始めている。満開になるのが楽しみだ。
 文法の授業は動作動詞のテイグッパッチムの後にイウンがきたときの取り扱いと、勧誘のルレヨについての勉強。会話の授業は、道を訊いたり訊かれたりしたときの対応を勉強した。どちらの授業も何年も前に勉強した事柄。興は乗らないが、いつか人に韓国語を教える機会があればいい復習になると思い授業に臨んだ。

◎4月3日(金)
 今日は最初の1週間の終わる日。文法と読みの授業。文法は相変わらず習ったことの復習のような内容だが、けっこう基本的なことを忘れていててこずる。
 授業は1時限が50分で、それが1日に4コマある。9時に授業が始まり、最初の2時限は文法。後の2時限はその他の科目が行われる。時限の合間に10分の休憩があり、1時に授業が終了する。
 今日の3,4時限、つまり後の2時限は読み。学校生活に関する文章を読む。知らない単語はあまりないが、とりあえず早く読むことが要求される。早く読んでどれだけ内容が理解できているかが求められる。予習をしないとついていけない。
 宿題も長文筆記が求められる。しかも、なるべく多くの文法を使うよう指示がなされる。書くことが特に苦手な自分にとっては気が滅入る。宿題の題目は、「この週末に何をしたか?」である。
 午後はこの夏に日本に留学する学生と交流するイベントに参加。学生からは「日本との生活習慣の違い」、「両国の長所と短所」、「なぜ韓国語を学ぶのか」等の質問に応じることになった。一つの教室に6人くらいのチームが4つあり、日本人留学生が2人ずつペアになってそれぞれのチームに出向き、彼らの質問に答える形式だった。一緒に回ってくれたのは20歳の名古屋出身の女性。専門学校でパティシエの資格をとったので韓国で働く夢をかなえたいと話していた。たくましそうに見える彼女ならきっと夢はかなうだろう。
 学生たちの日本に対する関心はかなり強いものを感じた。自己紹介の中で自分の年齢を伝えると一同驚く。1人の学生から「その年齢で留学に来るとは尊敬します」と言われた。今まで尊敬を受けるなどとは無関係に生きてきたが、その言葉を聞いて来た甲斐があったのかなと思う。
 それにしても、宿題の長文作文をどうしようかとイマイチ気が重い。1週間の授業が終わったので夕飯は寿司でも食べようと思い立つ。通学路の途中に寿司屋があるので行ってみると、若い会社員風の人たちや学生らしき人で一杯。諦めて別の店を探そうと歩いていると、たまたま寿司屋が見つかった。ちらし寿司があったので注文する。彩りは日本のものと比べるとさほどではないが、まあよくできている。味は甘めのたれがかかっていたのが気になったが、結構おいしく食べられた。チャミスルを1本のみ、しめて9400ウォン。安く、お腹もふくれた。
 部屋へ帰ってテレビニュースを見ながらもう1本チャミスルをけっこう酔いが回ってしまった。明日は来る前に日本人の知人に紹介してもらった鐘閣にあるソウル日本クラブという団体の人に2時に会う予定。

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