ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国の食べ物]うーん、この「トンパン」、食欲をそそられる!? ①「ttong」への偏愛

2012-07-17 15:08:28 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 2ヵ月ばかり前のことですが、サークル仲間のS氏からソウル家族旅行のおみやげをいただきました。パンの袋です。といっても中身は空っぽ。
 しかし、袋だけでも(きっと喜ぶだろう、と踏んだのでしょう。私ヌルボの関心の向け方をきっちり読まれてました。

 その紙袋というのが下の写真。

          
   【この絵は世界共通なんですかねー? 英語サイトで画像検索しましたが今ひとつわからず。】

 その名も똥빵(トンパン)」。絵を見ればわかるように、日本語にすると「うんこパン」です。
 う~ん、このようなものを食べるのかー。

 S氏の話によれば、形状はとぐろを巻いてはいなくて、平べったくて鯛焼きのようなものだったとのこと。

 韓国サイトを探索すると、すぐ見つかりました。

      
       【もし日本でこういうのを発売したらどうでしょうねー?】

 以前から私ヌルボ、韓国語で「똥」がつく言葉をよく見聞きするなあと思ってきました。
 「똥개(トンケ)」=野良犬、映画「息もできない」の原題「똥파리(トンパリ)」=糞バエ、「개똥벌레(ケトンポルレ)」=ホタル(犬糞虫)、「별똥별(ピョルトンビョル)」=流れ星、「개똥지빠귀(ケトンチパグィ)」=ツグミ、「개똥조개(ケトンチョゲ)」=バカガイ等々。「朝鮮語辞典」には、「개똥번역(ケトンポニョク)」=犬糞翻訳というのもありました。誤訳だらけの翻訳のことだそうです。
※ネイティブ韓国人の先生が最近韓国に帰った時に、犬に噛まれた娘さんを診てもらったお医者さんは野良犬のことを「유기개(ユギゲ)」と言ってたそうですが・・・。え、有機犬?と思ったら遺棄犬ね。

 「똥」がつく言葉の中で、日本人には抵抗がありそうなのが「똥머리(トンモリ)」。電子辞書には載ってませんが、髪型のおだんごのこと。うーむ、「うんこヘア」なんてね(笑)。「만두머리(マンドゥモリ)」=ギョウザヘア、「상투머리(サントゥモリ)」=ちょんまげヘア、「당고머리(ダンゴモリ)」=おだんごヘア等のよび方もあるそうですが、google検索のヒット件数はギョウザ222万件、ちょんまげ86万件、おだんご19万件に対してうんこヘアは658万件と他を圧倒してます。

 ことわざでは「똥 묻은 개가 겨 묻은 개 나무란다.(糞まみれの犬がぬかまみれの犬を笑う。)」=目糞鼻糞を笑う、「똥 친 막대기(糞を突っついた棒)」=取り柄のない人、価値のない者。その他いっぱい。あらら、→コチラのブログでは똥で始まることわざをなんと41も並べてますよ。

 私ヌルボも感じていたことですが、どうも韓国の人たちは「똥」に対する偏愛(?)のようなものがあるみたいですね。先生も話していましたが、「汚い」というよりも「かわいい」というイメージが強いようで、おばあさんたちが孫を「똥강아지(トンカンアジ.糞子犬)」と読んだりもするとか。
※この「똥강아지」は、子ども衣料品店の名前にもなっています。→コチラ参照。
 また今年3月、光州に低所得者層の子どものための「トンカンアジおもちゃ図書館」が設けられました。これを伝えた「中央日報」の記事(→コチラ)にも、おばあさんたちが孫を「トンカンアジ」とよぶように、子どもに対する無限の愛を表現したのが図書館名の意味であると記されています。

 絵本の世界からも韓国の「똥」への愛着がうかがわれる、かな?
 日本でも翻訳されて(たぶん)好評なのがこいぬのうんち(강아지똥)」。ヌルボの敬愛する故・権正生(クォン・ジョンセン)の作です。(絵はチョン・スンガク。) 
 アマゾンの読者レビューでは、多くの高評価レビュー中に交じって、「子供に読ませたくない」と強い拒否感が込められた★1つのものもありましたが・・・。

 この分野(?)の日本の絵本では、五味太郎の「みんなうんち」がステディセラー。「누구나 눈다(だれもがうんこをする)」の題で1992年から刊行され、今に至っています。

     
   【「こいぬのうんち」の日本版(左)と、五味太郎「みんなうんち」の韓国版。】

 <楽天ブックス>のサイト中に「うんち、おしっこの絵本特集」という記事があって、そこに上記の2作も紹介されています。

 しかし、やっぱり韓国ではこの分野の本は昔話から現代に絵本に至るまで質・量ともに充実しているようで、教保文庫のサイトで「똥」で検索すると、国内図書(翻訳書を含む)でなんと368点がヒット。いろんな本が出ていることがわかります。

 「똥」の幼児語が「응가(ウンガ)」。日本語と同じく擬音語でしょう、たぶん。
 数ある韓国のうんこ本の中で、この語を題名に用いたチェ・ミノ응가하자 끙끙(ウンガハジャ クンクン.うんこをしよう うんうん)」(2004)はとくに評価が高いようです。私ヌルボ、最近川崎市立図書館で現物を読みましたが、先の2作と比べると絵が少し過激に思われたので、画像は表紙だけにしておきます。

       
  【五味太郎「みんなうんち」同様いろんな動物が登場。日本語翻訳本が出ていない理由はわかるような気がします。】

 その「少し」過激な画像を見てみたい方は→コチラ

 この教保文庫のサイトの読者レビューには「うんこ本の古典」とか「気持ちのいいうんこ遊び」等の★5つのついた賛辞が並んでいます。う~ん・・・。

 ここで記事冒頭に戻ってトンパンを売ってる屋台を見ると、一緒に「タルギパン(いちごパン)」というのも売っています。「なんでうんこパンといちごパンなんだ?」と見ると、うんこキャラの「トンチミ」は屋台に描かれている人物群の1人で、むしろいちご(タルギ)キャラの女の子がメインなんですね。
 ・・・ということで、続きはそのタルギに注目。

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2 コメント

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排泄 (前川健一)
2012-07-17 23:14:29
 その方面に興味のある方は、韓国ドラマの「ぶどう畑のあの男」をごらんください。汲み取り便所、おまる、野グソなど、その種の話題が豊富で、ストーリー上重要でもあります。
返信する
このドラマは・・・ (ヌルボ)
2012-07-17 23:44:00
ドラマには疎く、知っててもタイトルだけといった感じです。このドラマはタイトルも知りませんでした。

とくに「その方面」に興味があるというわけではありませんが(笑)、レンタルショップにあったら観てみようと思います。
返信する

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