スピーチ

昨日はうちの大学の卒業式でした．
今年の学部の卒業生は学会の論文表彰や外部の各種コンテストでの表彰，また人命救助など対外的な活躍が目立ちました．
それらは全て卒業式で披露されるので，それを聞いていてとてもうれしい気持ちになりました．

全学の卒業式後，学部ごとに分かれて学位記伝達式を行いましたが，以下はその際の私のスピーチの要旨です．


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卒業おめでとう．

巣立って行く諸君に，何かの役に立つことを期待して，２つのことをお伝えしたい．

１．ライフワークをもつこと．
今までは，将来の夢，希望を問われることが多かったと思いますが，これから問われるのは「今」です．
自分が今打ち込める仕事，そして一生をかけて取り組めるものを見つけてください．
ライフワークを持っている人は，たとえ嫌なことや不運なことに出会っても，自分が選んだ好きな仕事という自覚があり，困難を乗り越えることができるものです．

２．文章力を鍛えること．
文章は自分の考えていることを的確に相手に伝える最大の手段であり，武器です．
これを持っているのと持っていないのとではその後の人生に大きな差が出ます．
文章力を鍛える方法はただ一つ，文章の上手な人に繰り返し添削を受けることです．
これ以外に上達の方法はありません．
新しい職場や環境で是非文章の上手な人を見つけて，その人に師事してください．
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この後，卒業記念パーティ会場に移動し，乾杯の前にスピーチということで短いメッセージを贈りました．

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私はロンドンオリンピックのテーマソング，いきものがかりの「風が吹いている」が好きです．
この歌の中で特に気に入っている歌詞は，「強さを手にするより，弱さを越えたいんだよ」というフレーズ．
人が挫折や困難に直面する原因は，「強さ」が足りないからではなく，「弱さ」が邪魔をするからなのです．
誰しも，自分の強みは知っていて，それを伸ばすことは楽しいことですから，誰でもやる．
つまり，自分の強さを伸ばすことは努力とは言えないのです．
しかし，自分の弱いところは，誰しもあまり触りたくないし，それを乗り越えようとすることには大変な努力が必要だから，結果的に何歳になっても弱みを抱えたままになりがちです．
そして，肝心な時にその弱さに邪魔をされてチャンスを逃してしまうのです．
是非，皆さん，自分の弱さ，欠点を自覚し，それを乗り越える努力をしてください．
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