書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「プリズントリック」遠藤武文

2018年06月30日 23時07分33秒 | 読書
「プリズントリック」遠藤武文


市原の交通刑務所で、受刑者が殺された。
被害者は発見された時、両腕を上げ、「前に倣え」の姿勢をとっていた。
また、現場が完全な密室状態であることや動機のある容疑者が現れないことから、捜査は困難を極める。

なかなか面白かったし、最後のどんでん返しも鮮やかなんですが、犯人に魅力が無いんだな。
殺人犯に魅力を要求するのはお門違いと言われるかもしれないけど、だってそうでしょ、密室殺人を計画するような知能犯が、単なる○○や、○○野郎だったら、がっかりしませんか?

おっと危ない。
ただ、物語の求心力と言えばいいんでしょうか、筆の力と言うんでしょうか、小説としての面白さは一級品だと思います。
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「リミット」五十嵐貴久

2018年06月11日 21時31分43秒 | 読書
「リミット」五十嵐貴久



深夜放送の番組に送られた自殺予告メール。
番組終了後に自殺する,という内容のメールだった。
苦悩する番組ディレクターとパーソナリティー。
この自殺予告メールのことを番組で取り上げるべきか否か。

番組終了までの2時間に繰り広げられる緊迫感溢れるノンストップミステリー。

作者の五十嵐貴久さんは刻々と迫るタイムリミットの中で、登場人物の葛藤や苦悩を描くことを得意とします。

この小説も五十嵐節満載のドキドキミステリーに仕上がっています。

冷房の効いた部屋で、ウイスキーのオンザロックでも傾けながら、お楽しみ下さい。
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「滔々と紅」志坂圭

2018年06月03日 10時19分50秒 | 読書
「滔々と紅」志坂圭




天保の世。

江戸吉原の大遊郭、「扇屋」に売られてきた駒乃の壮絶な半生。
生きて地獄、死んでも地獄といわれる吉原花魁だが、何とかして人間らしさを保とうとする駒乃と、吉原のしきたりの名の元に、それを踏みにじろうとする「大人」達の葛藤とせめぎあい。

しかし、時折訪れる絶対絶命の崖っぷちに、何故か神風が吹く。

気がつくと、花魁としての地位を確実に登り始めた駒乃だった。


いやあ、面白かった。
駒乃の人生哲学と土壇場におけるメンタルは、あらゆる職業に通用するものだ。

また、花魁を人間扱いせず、傍若無人に振る舞う武家の客に対して、駒乃が見舞う痛烈な仕返しは、心の底から「スッとする」。

さあ、駒乃は果たして真の幸せを掴むことができるのか?

気になる方はご一読を。

読んで後悔はしないと思います。
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