書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「ふがいない僕は空を見た」窪美澄

2015年05月31日 17時04分50秒 | 読書
「ふがいない僕は空を見た」窪美澄


人は誰もが、自分の力ではどうしようもない人生を抱えていて、その事で責められる毎日を送っている。
その苦しみは自分だけが抱えていて、他の人も同じだということには思いが至らない。
ただ、人から受けた苦痛を、他の人にやり返す人とそれができない人がいる。
この小説はそれができないひとばかり、5人の主人公の物語である。
性に関わるシーンがたくさん出てくるが、それは性が人生の根元的な所に存在しているのだから当然かもしれない。

助産婦さんを母に持ち、どうしようもない同級生たちや友達と付き合い、人生の泥沼に足をとられてしまった斉藤卓巳くんを中心に彼を取り巻く人々のどうしようもない壮絶な人生の物語。
面白いと同時に、痛みに溢れた小説でした。
窪美澄さんの最初の作品。
他の作品も是非読んでみたい。
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5月29日(金)のつぶやき

2015年05月30日 02時53分20秒 | 日記
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「ハサミ男」殊能将之

2015年05月29日 14時09分35秒 | 読書
「ハサミ男」殊能将之




ミステリーとしてのテクニカルな意味で,とても面白かった.

いわゆる○○というジャンルの小説です.

○○を言ってしまうと,ネタバレで犯人がばれてしまうところがつらい.

ミステリーの書評は本当に難しいです.

美少女ばかりを狙う連続殺人犯が主人公,という一風変わったお話しだけど,そのシリアルキラーが狙いを付けた次のターゲットが,なんと別の人から殺されてしまう.
いったい誰が,俺のターゲットを横取りした?

っていうお話だが,他人の殺人の罪で捕まるのは嫌だから,取り敢えず逃げようとするが,その殺人にも興味を感じ結局いろいろと調べまわる羽目になる.

う~ん,これ以上は書けないな.

しかし,良くできた物語だ.

連続殺人犯の心理描写にも興味深いものがある.

哲学だの人生観だのとは離れたところにある小説だが,純粋にミステリー小説として面白い.
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5月23日(土)のつぶやき

2015年05月24日 02時46分48秒 | 日記
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「あざやかな結末」日本推理作家協会編

2015年05月23日 21時58分48秒 | 読書
「あざやかな結末」日本推理作家協会編




夏樹静子,三好徹,山崎洋子,佐野洋,高橋克彦,日下圭介等そうそうたる日本のミステリー界のベテラン達による,オムニバス形式の短編集.

いずれもピリッとスパイスが効いた小粋なミステリー作品集.

失礼な言い方だが,暇つぶしというか,忙しい仕事の合間のちょっとした時間を楽しく読書で過ごしたい時にはピッタリの作品集と言える.

伏線も人間模様も極めてシンプルに書かれているので,仕事に疲れた頭をさらに疲れさせる心配はいらない.
安心してついていける.と思う.

私は東京出張の時,飛行機や電車の中で読んだ.「旅のお供」としても申し分のない本だ.
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5月13日(水)のつぶやき

2015年05月14日 02時45分20秒 | 日記
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「物語のおわり」湊かなえ

2015年05月13日 15時19分44秒 | 読書
「物語のおわり」湊かなえ




湊かなえさんの小説は,「告白」,「境遇」,「望郷」と来て,4冊目がこの「物語のおわり」

1編の短編小説が次々と7人の手に渡って,最後に...

その短編小説が語るのは 「人の夢とそれを邪魔する誰か」 のストーリー.

その短編小説が,夢を諦めかけた人の手に渡り,もう一度心のエネルギーを満たしてくれると,次の人の手に渡る.

思うのだけど,たとえ挫折したとしても,一度は何かに夢見て頑張った経験のある人は夢を持たずに生きてきた人より,はるかに幸せではないかと思うのです.

「何かを目指して頑張る」ということ,これはその気になれば,誰にでも平等に与えられるものなのです.

邪魔が入るか否か,順調に夢まで到達できるかどうかは,ある意味その人の幸福度には関係ないような気がする.

夢が手に入ったことが必ずしも幸福につながるとも限らないしね.
成功者である一流のミュージシャンが麻薬におぼれてしまうなんてことはざらにある話ですよね.
彼は夢がかなったのに,幸せではなかったのでしょう.麻薬がないとその苦しみから逃れられないくらい不幸だった.

夢に向かって努力し続けている時が一番幸福なんです.

ここで,私の結論.

夢は,叶わない方が良い.
叶わない夢に向かって一生努力を続ければ,一生幸せです.

書評らしくない書評になりましたが,そんな「人生の意味」みたいなことを考えたくなる小説でした.
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5月8日(金)のつぶやき

2015年05月09日 02時50分37秒 | 日記

内館牧子さんの本は初読だなあ.意外や意外. goo.gl/zlMB2o


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「十二単衣を着た悪魔」内館牧子

2015年05月08日 08時33分49秒 | 読書
「十二単衣を着た悪魔」内館牧子



これは面白かった.
「源氏物語異聞」という副題が付いている.

さえない若者が平安時代にタイムスリップして光源氏とや周囲の人々と複雑かつ微妙に関わりながら人生を学んでいくというストーリー.
タイムスリップといっても源氏物語はフィクションだから,物語スリップってとこ.

テーマは「コンプレックス」かな.

主人公の名前は「雷」.彼のコンプレックスは優秀な弟.
頭脳優秀で,水泳の選手であり,イケメンな弟.
それに対して,すべてが「並」の雷.

雷が59社目の入社試験の不採用通知をもらった日,その優秀な弟が現役で京都大学の医学部に合格する.

雷としては家には帰りたくない.
家の周りをうろうろしているうちに知らない路地に気付き,ふと足を踏み入れた途端に雷が落ちて気を失う.
ここから奇想天外な物語が始まるが,とにかく面白い.

時の天皇桐壺帝の皇太子,春の宮の弟が光源氏だ.
春の宮はまあまあ優秀だが,光源氏はなんたって,超美形で短歌も超一流,才気煥発ああいえばこういう,かどうかは知らないが,とにかく周りの視線を一身に浴びるべく運命付けられたような人.
この兄弟の関係が,主人公雷のコンプレックスとぴったり一致し,雷は春の宮に親近感を抱く.
雷がこの時代を生きていく手段が,まあ,これが傑作なんだけと,,,ここで言ってはつまらないので,興味がある人は読んで下さい.

実は私は源氏物語は現代語訳・原本ともに読んだことがないが,この本を読んで,現代語訳くらいは読んでみたいなと思ってしまいました.

読まないと思うけど...
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5月4日(月)のつぶやき

2015年05月05日 02時46分11秒 | 日記
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島原初紀行

2015年05月04日 22時37分23秒 | 日記
今日,連休の中日にかみさんと日帰りで島原に行ってきた.

熊本に住んでいると,めったに海を見ることがないので,長洲から有明フェリーに乗った時,妙に嬉しかった.



島原についたら早速島原城へ.



詳しい解説を見ていると,島原の乱すらちゃんと知らない自分の知識の浅薄さが思い知らされた.

島原の乱に至るまでには長い歴史の経緯と伏線があり,単に天草四郎の殉教物語で済まされない,複雑かつ難しい問題が根っこにあることが良く分かった.
やはり勉強しないとだめだね.

お城を出ると,そろそろ昼食ということで,姫松屋という和食店で「具雑煮」なるものを食べた.
かみさんがガイドブックで見つけたメニューだが,期待しないで注文してみると,これが意外に旨い.
魚介系の出汁が強く効いている上,シイタケや高野豆腐等の具材からでる出汁と絡んで絶品といってよい.



お腹を満たした後は,武家屋敷を見学.




鹿児島の武家屋敷とは異なり,やや下級武士の屋敷で,庶民的なこじんまりした住宅で,逆に生活の匂いが感じられて楽しかった.

最後は,今日のメインイベント,「雲仙岳災害記念館」愛称:がまだすドームである.

写真は撮らなかったが,なかなか迫力あるアトラクションや展示でタップリと楽しめた.

見物後に「かんざらし」をおやつに.



これは白玉に甘い蜜をからめて食べるものだが,この蜜が美味しい.
単に甘いだけでなく,爽やかな香りが独特で,飽きない甘さだ.
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5月3日(日)のつぶやき

2015年05月04日 02時46分52秒 | 日記
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「疾風ロンド」東野圭吾

2015年05月03日 23時37分13秒 | 読書
「疾風ロンド」東野圭吾



ある企業で秘密裏に開発された生物兵器が誰かに盗み出され,スキー場に隠された.
「3億円を払わないと,この生物兵器をばら撒くぞ」,という脅迫のメールがその企業に届くところから物語は始まる...

ザッツエンタテーメント.
ミステリーには違いないが,如何に読者を楽しませるかに比重を置いた娯楽作品である.

人生論や哲学も必要だが,たまにはこういう疾風怒涛のひと時を味わうのも,読書の楽しみの一つではある,ということを,この本を読んで思い出した.

登場人物がいずれも憎めないキャラばかりなので,読んでいて不愉快感がない.

忙しい毎日でも,気楽にページを開き,時間の許す範囲で読み進め,次の会議の前には,パタンとページを閉じることに抵抗がない.

有難い存在である.

何となく誉めていないような気もするが,僕的には大いに満足した.
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