書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「ファミリー・レス」奥田亜希子

2022年10月24日 13時42分29秒 | 読書
「ファミリー・レス」奥田亜希子


図書館で奥田英朗さんの小説を探していたら,「奥田」だけを認識して手に取ったのがこの本.
「ファミリー・レス」というタイトルも奥田英朗さんらしさが感じられるので,別の人の作品ということに気付くのが遅れたというわけ.

離れ離れになった家族との再会という基本軸のもとに,その後の自分の人生に起きた不幸や悲しみを経て,家族との再会で見いだされた一筋の光が感じられる,短編小説集.
女性作家ならではの細やかな感情表現が美しい.
同時に,文章の力をも感じさせる小説だ.

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「我が家のヒミツ」奥田英朗

2022年10月06日 11時37分03秒 | 読書
「我が家のヒミツ」奥田英朗


先日「コロナと潜水服」の感想をアップしたら,奥田英朗の他の本も読みたくなって,図書館で手にしたのがこの本.
6編からなる短編集.

どこにでもある普通の家庭が舞台.
普通の家庭でも何かしら,人に言えない秘密や悩みはあるもの.
そんな秘密を抱えた主人公は,なぜか皆,生真面目な性格で,抱えた秘密を持て余しつつ,日々の生活をやりくりしているわけ.
しかし,秘密がだんだん大きくなり,手に余るようになると...

6編はいずれも個性的で面白い作品ばかりだが,個人的には4作目の「手紙に乗せて」が好きだ.
若いサラリーマン,亨君が主人公で,最近母を病気で亡くしたのだけども,妻を亡くした父の憔悴ぶりが気になっている.
ただ,父にどんな言葉をかけてよいかもわからず,だまって見守るしかない亨だった.
ところが,意外な人が助っ人を買って出る.....

なかなか面白かったし,その助っ人と父との間の手紙を通した心の交流に胸が熱くなる.
ああ,小説っていいなあ,と思うのはこんな本を読んだ時だ.
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