書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「水鏡推理」松岡圭祐

2020年10月20日 15時00分54秒 | 読書
「水鏡推理」松岡圭祐


才能+美貌+辛い過去 の三拍子そろった「ニューヒロイン」誕生.

ベストセラー作家にも関わらず,松岡圭祐さんの小説は未読でした.
松岡さんの小説には,いずれも探偵,鑑定士,添乗員などちょっと変わった職業で活躍する,推理力に秀でたヒロインが登場します.
この「水鏡推理」では,一般職の国家公務員である水鏡瑞希(みかがみ みずき)が主人公です.
国家公務員が推理?という素朴な疑問は,彼女の所属部署を見れば解決するはず.
「文科省 “研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース”」という長ったらしい名前.
〇〇局△△部**課という所属ではなく,タスクフォースです.
半沢直樹でも出てきましたね.
文科省といえば,大学の先生なら,貰えたか貰えなかったかは別にして,一度は申請書を書いたことがある科研費の財布の紐を握っているお役所.
その科研費をはじめとする公的な研究資金の不正使用をチェックする役目を担っているのが,このタスクフォースです.

もちろん,フィクションなんですが,この小説には公的資金を搾取しようとする輩が出てくる出てくる.
世の中の研究者は全員詐欺師か?みたいな勢いです.

それらの悪い奴らをちぎっては投げ,ちぎっては投げ,,,快刀乱麻の活躍をします.

まあ,エンタテーメントですから,深いことは追求せずに,瑞希の魅力と推理に身を任せるのが,この本の正しい読み方でしょう.
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「胡蝶殺し」近藤史恵

2020年10月05日 20時51分57秒 | 読書
「胡蝶殺し」近藤史恵


なかなか面白かった.
歌舞伎界で生きることを運命づけられた二人の子役.
美しきライバル関係であるはずの二人だったが,一方に悲劇が襲う.

歌舞伎界に限らず,ある「世界」で生きていこうとするには「覚悟」が必要だ.
自分の人生の時間の大部分をつぎ込んでのめり込んでいくだけの覚悟がだ.

たとえ本人がその気になっても,周りの状況がそれを許さない場合もある.
そこに葛藤がうまれ,小説になるわけだ.
筋書きはあえて説明しませんが,この小説の最後のページの一文がすごく印象的で,かつこの小説の本質をうまく表わしているので紹介します.
「美しい夢ならば,夢の中だけでも生きる価値はある.」

梨園の基礎知識の習得にもなるかな?

近藤史恵さんの小説は過去に,清掃作業員キリコシリーズを2冊,「ときどき旅に出るカフェ」という長編の計3冊読んでます.
いずれも面白かった.
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