書く仕事

ご訪問ありがとう!!ミステリー小説の感想を中心に,読書,日々の雑感,映画の感想等を書き散らかしています.

「ボトルネック」米澤穂信

2015年01月31日 20時48分13秒 | 読書
「ボトルネック」米澤穂信



2015年版このミス大賞受賞作らしいが,ミステリーというより,構成としてはSFでしょう.
しかし,いずれにしても小説で扱われている題材は,人の運命や宿命という重いテーマです.

ネタバレになってはいけない(すでになっているかも)ので書けないけど,余り楽しい気持ちにしてくれる小説ではない.

しかし,物語のプロセスは息つく暇を与えない,とても面白いものになってます.

痛気持ちいい.
辛いけど面白い.
泣きたいけど夢中になる.

主人公の明日が気になる.

「天神のとなり」五條 瑛

2015年01月26日 16時21分32秒 | 読書
「天神のとなり」五條 瑛



元大学准教授でちょっとしたことで身を持ち崩し人生の裏街道に浸った主人公.
今は暴力団幹部に指示を受けて,闇探偵業を営む.

最初はハードボイルドかなと思ったけど,意外に良いやつらが出てきて,ホッコリさせられるし,しっかりとミステリも盛り込まれ,なかなか味わい深い小説になっている.
結構気に入った.

続編が出ていれば読んでみたい.

ちょっと,忙しいので,短文にて.

「金融探偵」池井戸潤

2015年01月21日 15時34分57秒 | 読書
「金融探偵」池井戸潤




半沢直樹の作者だけあって,金融とか融資とかには詳しいはずで,その知識をフルに活かした小説.

銀行をリストラされて求職中の次郎.

いろいろな企業の中途採用を狙うがことごとく落とされる毎日.

そんな中で,元銀行員ということを聞きつけて,中小企業の社長さんやその関係者からいろいろな相談を受ける.
その相談はどれも怪しげ.

それらを思わず引き受けてしまう,次郎だが...

なかなか面白かった.

「その女アレックス」ピエール・ルメートル 橘明美訳

2015年01月11日 11時05分06秒 | 読書
「その女アレックス」ピエール・ルメートル 橘明美訳



熊日新聞の日曜版の書評でべた褒めだったので,騙されたと思って買ってみました.

書評どおり凄い本でした.
形は警察小説で,警部とその仲間が,ある誘拐事件を追う所から始まるのだけど,,,
ネタバレになるからあらすじは書けないけど,読者をだますというレベルではなくて,世界が何度もひっくり返る展開になります.

ミステリー小説ではあるけど,優れた犯罪小説でもあり,社会派小説でもある.

ただし,読んでみようという方に一言だけ忠告.

文章ではありますが,残虐シーンが頻繁に出てきます.そういうのが苦手な方は避けた方がよいでしょう.

「疫病神」黒川博行

2015年01月06日 10時34分48秒 | 読書
「疫病神」黒川博行



産業廃棄物の最終処分場建設をめぐる土建業界の腐敗と,そこに集るハイエナのような腐った人々を,リアルに描いている.

当然ながら,ヤの付く人々が大勢出てくるが,一流企業と言われるゼネコンも彼らの働きなしにはビジネスが立ち行かないことがよくわかる.

ある意味,ヤの世界の啓蒙的な役割も果たしていたりして.
そのような体質は,決して良くないことは誰もが認めることではあります.
だけど,この業界に限って言えば,善悪は別にして,政治-ゼネコン-下請け業者-ヤ印業界の4階層が,まるでTCP/IPのようにうまく整合して機能していることがよくわかる.

この仕組みはいずれは壊されて,もっと透明な「正しい」構造に変わるとは思うが,これをゼロから作り直すのは結構大変かも.
例えば,IT業界とか,観光業界とかと根本的に違うことだけど,『地主からハンコをもらう』 という行為が必須である限り,相当時間がかかると思う.

物語の背景はさておき,基本的にはいわゆる「ハードボイルド小説」の類になるだろうが,物語の進展が速く,次から次に事件が起こり,目を離せない,ジェットコースター型の展開になっている.

主人公の建設コンサルタント二宮と,二宮が関わることになった最終処分場建設に金の匂いを嗅ぎつけて彼を助けることになったヤクザの桑原の掛け合いが面白い.

読んでいて,ふと思ったのは,この二人の関係は,池袋ウエストゲートパーク(石田衣良)のマコトと崇の関係に近いかもしれない.
IWGPシリーズのファンは,この本を気に入ると思う.

2014年に読んだ本

2015年01月02日 10時56分01秒 | 読書
2014年に読んだ本

恒例ですので,一応載せておきます.
左の数字は読んだ順.つまり下ほど古く,上が最近です.
足のけがのため,1月12日~3月29日は入院していましたので,この間に17冊読んでます.

54 「ナミヤ雑貨店の奇跡」 東野圭吾
53 「地獄の奇術師」 二階堂黎人
52 「模倣の殺意」 中町信
51 「あつあつを召し上がれ」 小川糸
50 「楽園のカンヴァス」 原田マハ
49 「才輝礼讃」 松任谷由実
48 「推定脅威」 須本有生(みすもとゆき)
47 「空の中」 有川浩
46 「笑う警官」 佐々木 譲
45 「慟哭」 貫井徳郎
44 「ピース」 樋口有介
43 「最後の一球」 島田荘司
42 「そして誰もいなくなった」 アガサ・クリスティ
41 「朝霧」 北村薫
40 「六の宮の姫君」 北村薫
39 「眠りの森」 東野圭吾
38 「夜の蝉」 北村薫
37 「鷺と雪」 北村薫
36 「飲めば都」 北村薫
35 「空飛ぶ馬」 北村薫
34 「眠れぬ真珠」 石田衣良
33 「呪いの時代」 内田樹
32 「龍神の雨」 道尾秀介
31 「ボックス!」 百田尚樹
30 「硝子の葦」 桜木紫乃
29 「穴」  小山田浩子
28 「首折り男のための協奏曲」  伊坂幸太郎
27 「村上海賊の娘」 上・下 和田竜
26 「レイクサイド」 東野圭吾
25 「プリズム」 百田尚樹
24 「果つる底なき」 池井戸潤
23 「テロリストのパラソル」 藤原伊織
22 「左手に告げるなかれ」 渡辺 容子
21 「ロスジェネの逆襲」 池井戸潤
20 「ノックス・マシン」 法月綸太郎
19 「サイコトパス」 山田正紀
18 「呼人」 野沢尚
17 「やっぱりミステリーが好き」 雨の会
16 「金閣寺」 三島由紀夫
15 「ロシア紅茶の謎」  有栖川有栖
14 「つくられた明日」 眉村卓
13 「誓いの夏から」 永瀬隼介
12 「女ともだち」 真梨幸子
11 「解決まではあと6人―5W1H殺人事件」 岡嶋二人
10 「父の詫び状」 向田邦子
9 「ウツボカズラの夢」 乃南 アサ
8 「鬼の足音」 道尾秀介
7 「教場」 長岡 弘樹
6 「曼荼羅道」 坂東 真砂子
5 「影法師」 百田尚樹
4 「火の壁」 井野上裕伸
3 「滅びのモノクローム」 三浦 明博
2 「MOMENT」 本多孝好
1 「空飛ぶタイヤ」 池井戸潤


これもまた,恒例ですが,昨年読んだ本のベスト5です.読んだ順ですが,以下の5冊を選びました.

7 「教場」 長岡 弘樹
31 「ボックス!」 百田尚樹
35 「空飛ぶ馬」 北村薫
51 「あつあつを召し上がれ」 小川糸
54 「ナミヤ雑貨店の奇跡」 東野圭吾

No book, no life!