風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 @サントリーホール(11月12日)

2017-11-14 20:21:26 | クラシック音楽




みなとみらいに続いて、行ってきました。
本日はブロムシュテットさんのお得意とするブルックナーの日なので、ほぼ満席のサントリーホール。

【メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
カヴァコスはのびのびと演奏していましたねえ。感情が音そのものになっている、素晴らしく美しい音色
そしてやっぱり、ソリストとオケの音が同じ属性だなぁと改めて感じました。
ただ、単なる個人的好みの問題なのですが、1~2楽章は非常~~~に美しかったのだけど、3楽章はもう少し華やかで軽やかな演奏の方が私は好きかも、でした。オケもソリストも、ちょっと演奏が重厚すぎて、、、。と聴いているときは思ったのだけど、先入観を取っ払って思い返すと、ああいう演奏もアリかも、と。考えてみればメンデルスゾーンってドイツの人で、この楽団の指揮者もやっていて、初演もこの楽団なわけで。意外と初演ってこういう演奏だったりしたのでは、と。いずれにしても、濃厚な熱い演奏でした。

演奏を終えた瞬間、両手を合わせてガッツポーズ(orありがとうのポーズ。いつもされますよね^^)のブロムさんと抱き合ったカヴァコスは、嬉しそうにはにかむ笑顔が少年のよう。それから彼も、オケに感謝の仕草。謙虚な感じの人だなあ。本当に外見から想像していたのと全然違う^^;。ヤンソンス&シャハムの姿にも癒されたものだったけど、ブロムシュテット&カヴァコスにも癒されました。


【バッハ:パルティータ第3番より「ガヴォット」(ヴァイオリン・アンコール)】
おお、先日聴いたばかりのシャハムのそれと全く違う個性の演奏!ピアノと同じで、ヴァイオリンも同じ曲を弾いてもこんなに変わるものなんですね~~~~。開放的で明るいシャハムのそれに対して、こちらはやはり内省的なガヴォットでした。


【ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノーヴァク版)】

「ブルックナーは、他の作曲家の誰よりも、時間と空間の永続性を音楽に表現することに成功した作曲家です。…(現実世界の負の面を音楽に曝け出したマーラーに対して)ブルックナーの世界は違います。自由な世界です。天国のようです。ブルックナーは私の人生です。この種の音楽は崇高さをもっています。…ブルックナーの世界は平和と美の世界です。しかしそれは脱力すると言う意味の平和ではありません。夢に満ちています。常にドラマの解決があります」
(ヘルベルト・ブロムシュテット @2012年バンベルク響来日公演プログラムより

先日のみなとみらいと同じく、オケがブロムシュテットのためにいい演奏をしたいと思っていることが強く伝わってきた演奏でした。ブロムさんがご高齢のせいもあるかもしれないけど、それだけじゃなく、ブロムさんのオケに対する敬意も素晴らしいのよね。演奏後に各パートを立たせる時、多くの指揮者は「よくできました」と褒め称える風なことが多いように思うのだけど(それが悪いということではなく)、ブロムシュテットはオケに心から感謝している表情と仕草をするのですよね。いい演奏をしてくれて本当にありがとう、と言うように。「奏者達は天使のように扱わなければいけませんとは、公演プログラムの中のブロムシュテットの言葉。

そしてこの人はブルックナーの音楽を本当に愛しているのだな、ということも強く伝わってきました。
正直に書くと、呼吸を忘れるくらい演奏に聴き入ってしまったのはみなとみらいのグレートの方でした。でもこのはっきりと「ドイツの音」のブルックナーには、ブルックナーの時代の演奏を聴いているような、そんな錯覚を覚えました。そして今日の演奏には、この演奏に何かを言うのはヤボ、と感じさせる何かが確かにありました。そういう意味でも、滅多に聴けないであろうブルックナーの演奏だったと思います。

そうそう。本日の聴衆はえらかったですねえ(^_^)。ブロムシュテットが手を完全に下ろしきるまでどれくらいだったろう、20秒くらい?完全な静寂が保たれました。ブロムさんはオケからはもちろん聴衆からも本当に愛されているのだな、と心から感じました。温かな、いい演奏会だった。ブロムさん、お利口だった客席に拍手してくれた

そういえば客席に小泉さん(元首相)がいらっしゃいましたね。この数ヶ月で、安倍首相やロシアの大臣や皇太子ご夫妻や、色んな人に遭遇するなあ。



kajimotoさんtwitterより。カテコの前のこの写真を撮ってるとき、私の席から見えていました笑。



ゲヴァントハウス管のtwitterより。ソロカテコでもP席まで挨拶してくれるブロムシュテットさん。この方がみんなに愛されている理由が本当によくわかります。



可愛いすぎるオジサンたち笑。

翌日はNHKホールに行ってきました。ブロムシュテット×ゲヴァントハウス管弦楽団来日ツアーの最終日。ドイツ・レクイエムです。

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