風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

ハイティンクが引退

2019-06-13 00:41:37 | クラシック音楽

BERNARD HAITINK: THIS WILL BE MY LAST CONCERT

The venerable conductor has told the Volkskrant newspaper that he will conduct in Amsterdam for the last time this Saturday and for the last time ever in Lucerne in September.

At the start of the year Haitink, 90, said he was taking a sabbatical. Now, he says, it is his finale.

“Listen,” says Haitink in his London home. “I’m 90. And when I say I’m taking a sabbatical, it’s because I don’t want to say, I’m stopping. I don’t feel like all those official goodbyes, but the fact is that I will no longer conduct. “

The interview will be published in full on Friday.

Haitink first raised a baton with the Netherlands radio orchestra in 1954. He became chief conductor of the Concertgebouw in 1961, of the London Philharmonic in 1967, of Glyndebourne in 1978 and of Covent Garden in 1987.

Other chief conductor posts include the Dresden Staatskapelle (2002-4) and Chicago Symphony (2006-7).

For 65 years he has been the hardest-working and most reliable member of his vocation, unfailingly well-prepared, frequently inspirational. He will be universally missed.

Slipped Disc, On June 12, 2019)


私の最も好きな指揮者であるベルナルト・ハイティンクが、今年9月で引退されるとのこと。
ロンドンの自宅でインタビューに答えたところによると、「私は90です。サバティカルを取ると言うのは、終わりにすると言いたくないから。私はそういう正式なさよならを好みません。でも実際は、私が指揮をすることはもうないでしょう」と。
永遠に続くものなんてないし、「サバティカルに入る」と仰っていたのは実質引退なのだろうと理解していたので驚きはないけれど、、、こうして聞くとやっぱり寂しい。。。
シカゴ響との『モーツァルト ピアノ協奏曲24番(pf. ペライア)』、『ショスタコーヴィチ4番』、ロンドン響との『モーツァルト ピアノ協奏曲24番(pf. ペライア)』、『ブルックナー7番』、『パーセル メアリー女王のための葬送音楽』、『ベートーヴェン ピアノ協奏曲4番(pf. ペライア)』、『ブラームス1番』、コンセルトヘボウ管との『マーラー9番』。
私が実演を聴くことができたのはこれだけだったけれど、心の底から、人生の宝物です。
ハイティンクがペライアのピアノを聴くと「Life is ok.と感じる」と仰っていたことは、私にとってそのままハイティンクの音楽にも通じるものでした。ロンドンで、東京で、アムステルダムで、あなたの音楽を聴くことが出来て本当に幸せでした。感謝の言葉しかありません。

9月6日のルツェルン音楽祭でのウィーンフィルの指揮が最後とのこと。曲目は、ペライアとのベートーヴェンのピアノ協奏曲4番とブルックナー7番なんですね。その直前の8月30、31日のザルツブルク音楽祭も9月3日のロンドン・プロムスも同じプログラム。現在の状況ではハイティンクと同じくらいペライアの健康状態が心配だけれど、、、きっとどちらにとっても特別な演奏会になることと思うから、無事にその日を迎えられますようにと祈っています。
ハイティンクのブルックナー7番は私にとって特別な曲目ですが、ハイティンクご自身も「ブルックナーの中でも特に気に入っている曲」と仰っていましたよね。最後がこの曲なのはとてもハイティンクらしいように思います。
こんな風にジメジメされるのを最も嫌がる人であろうことはわかっているけれど、、、、、はあ。。。。でもやっぱり寂しい。。。。。。
ところで上の記事、ハイティンクがシカゴ響でPrincipal Conductorだったのは2006-2010ですよね。

Mozart - Piano Concerto No 24 in C minor, K491 by Murray Perahia, Haitink,CSO


何度かここに載せている、私が初めて生で聴いたクラシックの演奏です。
2008年のロンドンプロムスより、シカゴ響×ハイティンク×ペライア。ペライアが20年ぶりにプロムスに帰ってきた夜の演奏でもあります。ハイティンクとペライアの二人の真摯で誠実な音楽作りが大好きです。
この曲ってモーツァルトだけどベートーヴェンぽいんですよね。ベートーヴェンがこの曲を好きだったというエピソードがよくわかる。そしてペライアはこういう曲がよく似合うと思う。ペライア自身によるカデンツァも大好きです。
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