風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

Martin Luther King, Jr. - I Have A Dream 「私には夢がある」

2013-02-20 03:29:27 | テレビ

I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin, but by the content of their character.

私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。


(Washington, D.C., Autust 28, 1963)

肌の色で差別を受けてきた黒人の人達が今は黄色人種を差別する、という現状は非常に悲しいことです。
その裏には単純ではない事情や感情もあるのでしょう。
しかし、本人には全く謂れのない理由で他者から差別をされる痛みを誰よりも知っているのは、彼らではないのでしょうか。
それともその痛みは自分達だけの特別なもので、黄色人種は別だとでもいうのでしょうか。
キング牧師が命をかけて訴えたかったこと、変えたかったこと、行きたかった「約束の地」は、そんなものではなかったはずです。
また、黄色人種の間でも、同じ話です。
問題は、肌の色だけではありません。
「人格そのものによって評価される」、そんな世界に住むことが私の夢です。

※和訳はこちら(アメリカ大使館のサイト)

Martin Luther King - I Have A Dream



One day we will have to stand before the God of history, and we will talk in terms of things we've done. ……
It seems I can hear the God of history saying, "That was not enough! But I was hungry, and ye fed me not. …

(Washington, D.C., August 28, 1963)

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Martin Luther King's Last Speech: "I Have Been To The Mountaintop"

2013-02-20 03:28:57 | テレビ

二十世紀が終わる頃、TVでは激動の100年を振り返る番組がいくつも放送されていました。
なかでも特に秀逸だったのが、1995年にNHKが作成したドキュメンタリー『映像の世紀』。
私がキング牧師の最後のスピーチを初めて見たのは、このドキュメンタリーででした。
あのときTVから受けた衝撃は、今も忘れられません。
有名な"I have a dream"の映像は何度も見たことがありましたが、この映像を見たのはそのときが初めてでした。
キング牧師の1968年4月3日、暗殺される前日の演説です。
なんという表情でしょう。
なんという説得力でしょう。
演説を終えた後の、すべてを言い切ったというような、生き切ったというような、そんな姿も印象的でした。
キング牧師はこのとき39歳。
初めてこの映像を観てから18年。いつのまにか私もキング牧師の亡くなった歳に近づいてしまいました。
彼がその短い人生で成し遂げたことの重みを思うと、今の自分と比べて溜息が出ます。。。

アカデミー賞で映画『リンカーン』が話題になっているニュースを読み、久しぶりにこの映像を見たくなりyoutubeで検索したところ出てきたので、皆さんにも。
リンカーン。南北戦争の裏にあった事情は決して奴隷解放の綺麗事だけではなかったと言われていますが、そのあたりの部分が映画の中でどう描かれているかも、楽しみです。

※『映像の世紀』はNHKオンデマンドで観ることができます。ご興味のある方はぜひ。

Martin Luther King's Last Speech: "I've Been To The Mountaintop"



We've got some difficult days ahead. But it doesn't really matter with me now. Because I've been to the mountaintop. I don't mind.
Like anybody, I would like to live - a long life; longevity has its place.
But I'm not concerned about that now.
I just want to do God's will. And He's allowed me to go up to the mountain.
And I've looked over. And I've seen the Promised Land.
I may not get there with you. But I want you to know tonight, that we, as a people, will get to the Promised Land. So I'm happy, tonight.
I'm not worried about anything. I'm not fearing any man.
Mine eyes have seen the glory of the coming of the Lord.

前途に困難な日々が待っています。でも、もうどうでもよいのです。私は山の頂上に登ってきたのだから。
皆さんと同じように、私も長生きがしたい。
長生きをするのも悪くないが、今の私にはどうでもいいのです。
神の意志を実現したいだけです。
神は私が山に登るのを許され、
私は頂上から約束の地を見たのです。
私は皆さんと一緒に行けないかもしれないが、
ひとつの民として私たちはきっと約束の地に到達するでしょう。
今夜、私は幸せです。心配も恐れも何もない。
神の再臨の栄光をこの目でみたのですから。

(April 3, 1968, at the Mason Temple in Memphis, Tennessee)

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BS-TBS 『死ぬまでに一度はバレエを』

2013-02-10 23:27:28 | バレエ

「誰が言ってたかわかんないけど、人生は感動の歴史だと、感動の積み重ねが人生だからと。僕はその言葉がすごい好きで、感動して、自分の気持ちが動いて、積み重なって、構築されてきたものが人生なんだと。でも感動っていうのは喜怒哀楽だから、沢山の表現をすることだと思うし、それを味わえるのは劇場だと思うよ、俺からするとね」

(熊川哲也~『死ぬまでに一度はバレエを』より

熊哲、良いこと言うね~。
相変わらず口調はとってもエラそうだけど(^-^;
海老蔵と並んで、昔はほんとにほんとにこの俺様な態度が大嫌いで、けれどその舞台に感動してしまった今では、「こういう話し方をする人なんだな」と思えるようになってしまったヒト。
そう思えるようになると、その俺様ぶりがいっそあっぱれというか、もうそのまま突っ走っちゃって!という感じです。
だって彼らと現実世界で個人的付き合いをするわけではないのだから、どんなにエラそうであろうと何だろうと、彼らが思いっきり楽しい3時間の夢を見させてくれるなら、こちらはそれで大満足・大感謝なのですよ。
逆に日頃どんなに品行方正で感じが良くても、その役者が舞台で夢を見させてくれないなら、そのチケットを私は買おうとは思いません。
そしてもちろんその「夢」の裏には、彼らの才能だけでなく、限りない努力もあるわけですから。
(といってもさすがに海老蔵にはもう落ち着いてほしいと思いますが…)

さて、2012年1月放映のこの番組、先日の再放送でようやく見ることができました。
面白かった!
昨年『ドン・キホーテ』を観たときも思ったけど、この人はほんとにバレエが好きなんだなぁ。
本当に楽しそうに踊るんですよね。
観ているこっちまで楽しくなる。

もっとも、初心者のためのバレエ鑑賞のアドバイスとして彼が言う「初心者の人はまずは来て、観て、何か感じればいいだけの話だから、とにかく余分な知識なく観てみること」というのは、それはどうかな~?と私は思います。
いくら「大事なのは知識ではなく観る側の受信力」といっても、初心者の場合は限界があると思うのですよ。。
一切の下知識なく観に行くと「今何を騒いでるの?なんでこの二人別れたの?なんで死んじゃったの?あの悪そうな人は一体何をしたの??」と頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになることは必然で、それでも観終わった後何のモヤモヤもなく「面白い舞台だった!」と心から思える人って少ないのではないかと。
で、「なんだかバレエってよくわからない難しいもの」となり、二度と劇場に足を運ばなくなるのが関の山だと思うのです。
それでも二度目を試すには、チケット代が高すぎる。
私だったら初心者の人には「ストーリーの粗筋くらいは頭に入れてから観た方が楽しめるよ」とアドバイスします。
ていうか、私自身が初心者だからこそ感じてることですが。
ストーリーの粗筋なんて今の時代ネットで気軽に読めますし、5分もかからないもの。
これは歌舞伎の場合も同じ。

「観る側の人間に受信力がなければその文化だって絶えていくし、だからこそ敷居を下げますと、万人受けするんですと、誰もが観ても楽しいんですというのは育たない。なぜなら、敷居を下げればすぐ入ってくる、すぐ逃げてく。そこを乗り越えてごらんよ。そう簡単には出てこれないよ。嵌っちゃうんだから。フックしちゃうんだから。簡単にクリアできちゃうゲームだったらもうやらないだろうしさ。でも逆に難しすぎたらそれもぽいってなっちゃうから、すごい匙加減は難しいとは思う」

良く言った、熊哲!
これは私も本当にそう思う。
それは作品に関しても思うことで、クラシックあってこそのコンテンポラリーだと思うのですよ。
歌舞伎でも同じで、アクロバティックな演目は観ていて楽しいし誰にでもわかりやすいけど、『勧進帳』のような作品あってこその、そういうものだと思うのです。あるいは『勧進帳』なども、もし今後「じゃあ誰でもわかるように現代の言葉でやりましょう」なんてことになったら、私は観に行きませんよ。だって、私は夢が見たいのだもの。
そもそも歌舞伎の全盛期だった江戸や明治の人も、あの言葉がスラスラわかったとは思えないんですよね。
そんなところも含めて、彼らは劇場で、非日常の、鎌倉の夢を見たのだと思うのです。
世話物や舞踊と抱き合わせて、ちょうどいいバランスを保ちながら。
だからと言って全く意味がわからなかったら楽しめないから、歌舞伎でもバレエでも観る前には最低限の下知識はあった方がいい、というのが上で書いた私の意見なわけで。
その程度の敷居を越えることは、容易いことだと思います。特にこのネット社会においては。
そしてその最初の敷居を越えた後は、もう少し高い敷居を越えて(色んなダンサー&役者の演技の違いを味わうetc)、そんな風にして上がって行った一番高い場所から見える景色はきっと最高ですよ。
だから、作品の方から敷居を下げるということは、私達がそういう最高の景色を見る機会を一方的に奪うことになるわけで、あってはならないことです。
これはもちろんダンサー&役者自身にも言えること。新たなことに挑戦もいいけど、それは本来の古典をきちんと修得してからの話でしょ、と私は思う。

「バレエに限らずやっぱり歴史があるものに対しては高尚であるべきだと思うね。1500年代でしょ、シェイクスピアだったら。それだけの時代を人を惹きつけてきてる作品があり、演じてきた人間達がいるわけだから、それはやっぱり歴史の重みがあればあるほど蓄積された高みに上がっていくものがあるわけだと僕は思うわけ」

そうそう、そうなのよ~。
そして、そういう種類の「歴史」に対して、日本人はまだまだ鈍感だと思うのです。
バレエはイギリスやフランスがその文化を絶やすということは許さないと思うけど、問題は歌舞伎の方。
この我が国固有の素晴らしい伝統文化が今後絶えてしまうようなことだけは、絶対に起こらないでほしい……。
敷居を下げずに、いかに多くの観客を呼び込むか。がんばれ若手役者たち!

ところで熊哲、あたりまえですけど英語が上手ですね。そしてあたりまえですけどイギリス英語なのですね。

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The Adventures of Sherlock Holmes ~ITV Granada series & BBC radio series

2013-02-01 01:55:03 | テレビ

近所のツ〇ヤにGranada televisionのホームズシリーズが全巻揃っているのを発見し、歓び死にしそうです。
このオープニング!
何度観ても鳥肌モノ!
あぁ、Jeremy……(泣)

The Adventures of Sherlock Holmes (ITV Granada)



TVシリーズほど有名ではありませんが、このBBC radioシリーズ↓もかなりオススメですよ。
ホームズ&ワトソンの演技も素晴らしく、石畳を走る馬車の音から暖炉の炎のはぜる音、ティーカップの陶器の音まで、言うことなしの出来栄え。
映像はないのに、霧の街の様子や食べ物の匂いなどもはっきりと感じられちゃうからスゴイ。
イギリスのaudio bookは本当に侮れません。

The Adventures of Sherlock Holmes (BBC radio)



私はこの19世紀~20世紀初頭のロンドンの薄暗い雰囲気がたまらなく、ほんとにたまらなく好きで。。。
叶うものならBaker Street 221aに住んで、ワトソンとお友達になって、ホームズの日常の話なんかをいっぱい聞きたい(ホームズは絶対お友達になってくれないだろうから)。
ついでにロンドン留学中の漱石も、柱の陰からこっそり見たい(漱石も絶対お友達になってくれないだろうから)。
有名な話ですが、ホームズと漱石は同時代人なのですよ。
大英帝国の全盛期、ヴィクトリア朝の時代です。
ホームズは下宿の壁にヴィクトリア女王のVの字をピストルで撃ち、漱石は女王の葬列をハイドパークまで見に行っています。また漱石は、Baker Streetをしょっちゅうウロチョロしていました(師事していたクレイグ先生が住んでいたため)。
もちろんホームズはコナンドイルが生み出した架空の人物なわけですが、この事実(?)は両者のファンである私のような者のファン心理を非常に刺激するため、こんな小説まで書かれてしまったりしています。

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