風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

シカゴ交響楽団来日公演 @東京文化会館(1月18日)

2016-01-19 01:32:43 | クラシック音楽




8年ぶりのシカゴ響を聴きに雪の上野へ行ってきましたよ~
18時半に入場すると、すでに楽器の音が。始まる前からほぼ全員舞台に出てきて練習してるから、喧しいのなんのって(^_^;) トイレにまで聴こえてます。
どうせこの後たっぷり聴くことになるので、私は廊下に出て耳を休めていました。

【ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調op.67「運命」】
クラシックど素人なもので当然この曲を生で聴くのは初めてなんですけど、、、ものすごく珍しい運命を聴いたような・・・(^_^;)
てかシカゴ響、8年前より下手になってる気がするのは気のせい・・・?いや、上手いんですよ。ものすごく上手いんですけど、8年前の方がもっと一人一人が自由でのびやかな演奏をしていた気がするのよね・・・(記憶が美化されてるかしら。でもあの夜の演奏はあれから繰り返し聴いてるし・・・)。当時もコッテリ系な楽団ではなかったけれど。団員が入れ替わったりしてるのかなぁ。
そんなことを考えながら一~二楽章を聴いていたんですけど、三楽章になるともう笑えてきちゃって。明らかに最初から運命に打ち勝ってる運命なのだもの。暗から明へではなく、明から明へ。
四楽章もサクサク速い速い。前へ進んで進んで進みまくる。でもこういう所や爆音系の所は妙に上手くて、全く音が破綻していなくて、ちゃんと一つの楽器に聞こえて(この感じ気持ち良くて大好き!)。それがまた笑えてきちゃって。
ムーティもピョンピョン飛び跳ねて頑張ってたし、変わった運命を聴けたから、まいっか
客席は意外に熱かったですね。ムーティは何度も呼び戻されてて、さすがにこれで最後だろうと私は廊下に出たら、誰も出てこなくて、再び拍手の音が中から聴こえてきました。

【マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」】
8年前のシカゴ響はハイティンクのちょうど背中の後ろ辺りで立って聴いたのですけど(プロムスなのでスタンディング@アリーナなのです)、ショスタコーヴィチでは爆音の渦の中にいる気分でした。今日も5階から覗き込みながら、指揮者っていつもああいう中にいるのよね、ものすごく気分いいだろうな~と思った。でも耳悪くしないかな^^;

今日楽しみにしていたのは、運命よりもこちらの巨人。
うん、楽しかった!
ちょっと怖いようなお伽話的なグロテスクさはほぼ皆無だったけど(個人的好みとしてはこれはほしいところ)、楽しければいいやとつい思ってしまいそうになる妙な迫力と説得力。祝祭的な華やかさにはぞくっとさせてもらえた瞬間が何度かありました。いや~、あんな大音量でなんであんなに美しい音維持してるの?そして爆音が切れた瞬間の音ギレの良さ!!
ラストがまた見事なほど期待を裏切らなかったな~。なんなんだあの音の洪水は。あの金管の咆哮は(しかも超綺麗笑)。パーカッションも期待に違わず思いっきり盛り上げてくれましたね~。鼓膜が破れて東京文化会館がぶっ飛ぶかと思うほどの爆音なのに、音もフレーズも美しいまま全く崩れないとは。
気になる部分をあげればきりがないけど、最後はとても楽しかったし、興奮したし、美しかったからいいです。基本youtubeのムーティ×フィラデルフィア管の演奏の方が好きだったのですけど、ラストは今夜の方が満足感ありました。少なくともおそらく他のオケでは滅多に聴くことはできないであろうものを聴けた満足感はしっかりあった。
うっとり曲の世界に身を任せて酔わせてもらえた演奏ではなかったけれど、変なあざとさや手抜きは私は一切感じませんでした、少なくとも今夜は。誠実な演奏だったと思います。

ところで皇帝リッカルドさん、お花畑みたいな甘いメロディやムーディなメロディがなんともお似合い(ムーティだけに)。たっぷり歌ってる後ろ姿がステキ。の割に音は大してコッテリになってないところがまたなんとも・・いい味といっていいのか? この方、シカゴ響ではなく南イタリアあたりのコテコテ地元色系オケ(そういうオケがあるのかどうかは知らんが)の指揮者になったら案外面白かったのではないかなぁとか、でも下手なオケは(私が)許しがたいしああジレンマ(>_<)!とか、一秒くらい考えました笑。
そしてカテコでの「チャオ♪」なお手々のバイバイ 。。。なんですかあれ、可愛いじゃないの。。。(例えアンコールはないんだよ♪の意味であったとしても)

帰りの電車がトラブルで混み混みだったんですけど、あのマーラーのわけわからん迫力にわけわからんパワーをもらえたおかげでまったくイライラしないで帰宅できました笑。いやほんとに。また聴きたい。
やっぱり生はいい!

明日も楽しみ

あ、今夜の客席のマナーは恐ろしいほどよかったです。

※19日の感想はこちら

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