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元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ヘブン・アンド・アース」

2010-05-25 06:40:40 | 映画の感想(は行)
 (原題:天地英雄)2003年製作。7世紀末の中国西部を舞台に、宝物を運ぶ隊商とそれを狙う突厥族との追撃戦を描くフー・ピン監督作品。驚くほど内容が韓国=中国合作の「MUSA/武士」に似ている。アメリカの西部劇や黒澤明作品の影響を受けているところもそっくりだ。

 ただし、出来は「MUSA」ほどではない。だいたい活劇編にもかかわらず話を詰め込みすぎ。元遣唐使で帰国の許しを得るために謀反人を討つ旅に出る剣客(中井貴一)のエピソードがメインになるのかと思ったら、その謀反人(チアン・ウェン)の生い立ちが物語の大部分を占めるようになり、彼が仲間を集めて「荒野の七人」みたいな展開になったのも束の間、何やら「レイダース/失われたアーク」ばりに宝物の“霊力”が強調されたりもする。これではラストが尻切れトンボみたいになるのも当然だ。

 しかし、それでも観ている間は面白い。A・R・ラフマンによる勇壮な音楽に乗って展開されるアクション場面はスリル満点だ。主人公達が狭い渓谷に逃げ込み、敵をおびき出して倒していくシーンに代表されるように、活劇の段取りが実に上手い。映像や衣装も言うことなし。それだけに絞り込みの足りない脚本が惜しまれる。なお、ヒロイン役のヴィッキー・チャオは相変わらず可愛い。

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