ういーくえんど・なちゅらりすと

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部分橙色型?

2023-03-31 13:23:34 | トンボ
失策だった。
帰って、画像をチェックするまで気がつかなかった。

年度末。
諸般の事情で突然の休暇。
車で15分ほどの細流へ向かった。

この場所は三浦半島でもカワトンボの発生の早い場所。
期待通り、きれいなアサヒナカワトンボに出会うことができた。
なかにはすでに成熟した体色の♀も。
こりゃあ20日前後にはもう発生していたかな?

自宅でデジカメの画像を確認していて気がついた。
無色型だと思っていた♂の翅の前縁がうっすら橙色に見える。

光の加減か?

あわてて他の画像も確認すると、やっぱり橙色。
こりゃあ・・・部分橙色型とでも呼ぶべき個体変異なのかもしれない。
これが成熟して体に白粉をまとっていたら、どんなだったんだろう?やっぱり無色と一緒かな?
去年、橙色型に近い中間型を撮影したことはあったが、これは無色型に近い中間型。
遺伝的な変異というのは面白いものだ。

しかし、今年の初トンボとはいえ現地で気がつかなかったのは痛恨。
かといってもう一度行ったからとしても出会える可能性は皆無に近いだろうが・・・こりゃあもう一度、行ってみるしかないか。

一昔前と・・・

2023-02-08 10:50:20 | トンボ
毎年のことではあるが、冬になると私は川へ入る。
何も禊をしたいわけではなく、ヤゴを求めて。
今年は自宅からほど近い川へ通っている。
この場所は三浦半島に引っ越してきた12年前に一度ヤゴを調べたことがあった。
水質や環境はそれなりだが、その時はけっこうな個体数が見られた川だった。
一昔前と比べてどうなっているのだろうという素朴な疑問だった。

12年前と見た目は変わらない川。
生活排水も相変わらずで水質もまあいいとは言えないが、劇的に悪いわけでもない。
だが・・・ヤゴが出ない。
とことん、少ない。



この日もずいぶん探してハグロトンボにダビドサナエ、ヤマサナエという有様だった。
もちろん、単にタイミングが悪かっただけかもしれない。
だが、どうにも生きもの全体が少ないように思えてならない。

この川、流域にはいくつか小さな牛舎がある。
最近は感染症の問題で、牛舎のまわりはどこも石灰で真っ白。地面など見えないくらいに石灰を撒いている。
当然、雨が降れば溶け出して川に流れ込む。水生生物はpHの変化に敏感なものもいるだろうから、あるいは・・・
そして、12年前と同じ場所に行っても、ヤゴが潜む隙間がない。
護岸が変わったわけでもないのに、とにかく水際の植物が減っている。
このところ、豪雨傾向が強くなっていることが、あるいは・・・
そして、自身の老化による能力低下・・・

理由はいくつもあるのだろうが、一昔というのは、予想以上に変わるものなのかもしれない。

縁紋が揃わないと・・・

2021-11-08 16:50:17 | トンボ
最近、仕事が無駄に忙しい。
それでも休みを見つけては野外を歩き回ってはいるものの、いかんせん体力不足。
二時間も歩くと疲れてしまう。
おまけに気力不足でブログ記事にするエネルギーもなく・・・
だがそんなときこそ余計なことをやるくらいの余裕が必要なんじゃなかろうか。
そう思い立って、久しぶりに、本当に久しぶりに更新。

晩秋。
茶色いイトトンボを見かければ、成虫越冬する可能性が高い。
その昔、種類を聞かれたときにはこう答えていた。
縁紋が揃っていたらホソミオツネン、ズレていたらオツネントンボ。
その頃は神奈川南部で成虫越冬をするトンボといえばこの2種類しかいなかったのだ。

ところが今は違う。
急激に増加したこのホソミイトトンボ。
そしてホソミイトトンボの縁紋は・・・あら、揃わないのか。
実際には他の種類とは体型的に全く違うから気にもしていなかった特徴だが、他人に伝達するのにはこれは良くなかった。
これから先はすごく細長いか、そこそこか、という選択枝をはじめに聞かないといけないな。


ちなみにこの個体は薄暗い林の中のスポットライトがあたるような場所に静止していた。
まだ越冬にはいる雰囲気ではないが、もう少し寒くなったらまた来てみるとしよう。
越冬態に出会えるかもしれない。

ついでに売られて・・・

2021-06-23 15:09:50 | トンボ

ハラボソトンボ。
日本でも九州以南に生息するシオカラトンボの仲間で、熱帯、亜熱帯域に広く生息する、まあ普通種である。
八重山まで行けば一年中見られるし、九州でも局地的ながら確認できる。
神奈川にはいないとはいえ、そんな普通種の未熟個体の画像を何のために貼ってるのかって?
それはこの個体がヤゴのときに神奈川で確認されたものだからだ。

温暖化による北上?
悪しき心の持ち主による人為的放逐?
いやいや、この個体は意図せずに購入されたものなのだ。

いろいろとあって息が詰まって、弟子を誘ってトンボを見に出かけた。全行程彼の運転で出かけられるというのは、年月というものを感じてしまう・・・それはともかく。
その時に見せられたのが、このトンボだった。
彼によると彼の祖母がホームセンターで購入した水草についていたものだそうで、前日に羽化したところだという。
見た目の通りハラボソトンボだが、沖縄でのお馴染みよりも少し淡色部が大きいように思える。
調べてみると数亜種に分けられるらしいから、その関係なのかもしれない。

トンボの世界ではこれまでも水草等の移動に伴うと考えられる人為的移入が報告されている。
だが、実際に販売されていた水草の中からヤゴが見つかった例は聞いたことがない。
もともと輸入水草は、植物検疫なんかの関係もあって生育時や出荷時に農薬(殺虫剤や抗菌剤?)を使っているというのが有名な話だそうで、農薬に弱いエビなどの水槽に入れると死んでしまうことも多いらしい。
今回、どうしてハラボソトンボのヤゴが生きていられたのかわからないが、もし、屋外の水槽や池にこの水草が入れられていたら・・・きっと関東まで飛来したってぬか喜びしたんだろうなぁ。
今回の教訓・・・本当にこういう事例はあるってことだ。全くあり得ないような種類ならば人為的移入を真っ先に疑うだろうが、ハラボソトンボのレベルだとむしろ自力での飛来って考えたくなる。
難しい世の中になったもんだ・・・



地元のレア系

2021-04-27 09:09:38 | トンボ
週末、地元ではちょっとレア系を立て続けに当てた。
とある谷戸底。
普通に乾いた草はらで、トンボの羽化殻を見つけた。
この場合、二つの可能性がある。
一つは近くの湿地から、ひたすら歩いてきた根性持ち。
もう一つは、一見乾燥していそうな、ここにいたトンボ。
こいつはおそらく、後者だろう。



サラサヤンマの羽化殻だった。
地下水位の高い湿った場所に生息するトンボ。
この冬、ヤゴを探してみたいが・・・こんなところ、どうやって探せばいいんだろう・・・
それくらい乾いていた。

とある水たまり。
そろそろアジアが羽化しているはず。
そんな気持ちでのぞきにいったら、なにやらがっちりした茶色いトンボが飛んでいる。
シオカラ・・・じゃない。デブだな。ん?




よく見ればヨツボシトンボだった。
正直、北方系トンボに私は疎い。
なにせ湘南では見ることもないし、北にいくより南にいった方がたのしいからだ。
だから一目で気がつかなかったのは仕方がないと自分に言い聞かせた。
そして改めて視線をあげると、けっこうな数が飛んでいる。
三浦半島でヨツボシトンボの発生記録はおそらくないはず。
これは、標本を普段捕らない私であっても、確保して博物館に上納せねば。
近いうちに捕虫網持参でやってくることが決定。
ただここ、けっこう歩くんだよな・・・