日本がこんな状況の中で韓国に出張してきました。
まず,空港までの交通が不安。行きは日曜日の夕方なので余裕をもって出発すればいいとして,帰りが夜8時に成田に到着予定。そこから埼玉まで帰れるかどうかわかりません。それで,成田のホテルを予約しておきました。
日曜日は計画停電もなく,空港に出発の3時間半前に着いてしまいました。すると搭乗手続の窓口に長蛇の列ができている。
(早く出てきてよかったな)
ところが,長蛇の列は中国行きの航空会社でした。中国人が大脱出を試みているのですね。みなすごい荷物を持ち出そうとしていて,さながら避難民のごとしです。
一方,私が乗るアシアナ航空は,いつもに比べて多いわけでもなかった。でも,日本人は少なく,ほとんどが韓国人。首都圏からの韓国旅行はキャンセルした人が多く,その代わりに日本脱出組の韓国人が入れ代わって,飛行機は満席でした。
帰路はガラガラ。こんな状態の日本に行こうとする韓国人はいないのでしょう。
韓国では,会う人ごとにお見舞いの言葉をいただきました。韓国人の中には,弟が仙台に留学中の人がいて,ずいぶん気をもんだそうですが,無事が確認されてほっとしていました。
「今回の報道を聞いていておかしいなあ,と思ったことがあるんです。「ヒバク」っていう言葉が繰り返されるんですが,爆弾落とされたわけじゃないのになんで「ヒバク」なのかなあって」
「被曝は放射能を浴びるってことだよね」
「そうみたいですね。韓国では,日本のことを「ヒバク国」っていうんですけれど,それは「原爆」を落とされた国というふうに理解していました。」
「…」
私も混乱してきたので,ちょっと調べてみると…。
「ヒバク」には二種類あって,被爆と被曝。被爆は爆撃を受けること。被曝は放射能にさらされること。ただ,普通日本で被爆というと,原爆限定で使われる。東京大空襲にあった人を「被爆者」ということは少ないでしょう。それで,事実上,被爆者は被曝者になるので,話がややこしくなる。
一方,韓国語でも,被曝と被爆は日本語と同じで同音異義語(ピポク)。さらに,日本とは違って韓国ではふだん漢字を使わないので,文字に書いても区別がつかない。日本人以上に混同しやすいのかもしれません。
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21日は遅くまでおつきあいいただきありがとうございました。
下から7行目の「被曝は爆撃を受けること。」は、誤植でしょうか?
私は若かりし頃、沢登りが好きで、よく飛瀑の飛沫を受けました。
「飛瀑」という言葉は,いまだかつて使ったことがありません。
被爆と被曝。
メディアがこれをきちんとわけて報道・解説しないから、市民にはゴッチャになって、福島原発事故=広島・長崎原爆というイメージに直結します。
ここをきちんと認識しておくと、パニック度も下がります。
一素人、一市民としてこの点を疑問に思い、拙文書きました。
http://www.janjanblog.com/archives/34228
「被ばく」って何?
ご説の通りと思います。
今回,海外ではずいぶん大げさな報道がなされ,外国人の日本脱出が起こりました。
もしかすると,外国のマスコミが日本の情報を翻訳するさい,「被爆」と「被曝」を混同したんじゃないかなあ,と,記事を読んで思いました。