弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

プロフェッショナル~祖母井秀隆氏

2008-04-01 23:35:02 | サッカー
私が祖母井秀隆氏の名前をはじめて見たのは、昨年の「サッカー批評 issue36―季刊 (36)」でです。その雑誌のセルジオ氏と宇都宮徹壱氏の対談の中で、ジェフ市原のGM(ゼネラルマネージャー)だった祖母井氏とオシム監督との関係が話題になっていました。
次に祖母井氏の名前を見たのは、そのオシム氏が脳梗塞で倒れたときです。倒れた当日の夜半、オシム氏の長男であるアマル・オシム氏が救急車を呼ぼうとしたとき、間に立って日本語で119番してくれる人が、フランスに在住する祖母井氏しかいなかったという話でした

先日の3月4日、NHK番組「プロフェッショナル~仕事の流儀」で祖母井さんが取り上げられていました。
祖母井さんという人、ドイツのプロサッカーコーチの道を経てきたような話でした。Wikipediaで調べると、「読売サッカークラブで選手としてプレーした後、西ドイツのケルン体育大学でコーチ学を学ぶ。帰国後は大阪体育大学サッカー部および同好会チームの体大蹴鞠団(佐川急便大阪SCの前身)でコーチを担当。1995年からジェフユナイテッド市原(現市原・千葉)育成部長、1997年から2006年までゼネラルマネージャーに就任。」ということです。
ケルン体育大学ということは、湯浅健二氏と同じ途ですね。

ジェフ市原のGM時代、チームは中々勝てず、スタジアムの観客席に「ウバ害」の横断幕を出されたこともあるそうです。そういった中、ヨーロッパで監督として実力を認められていたイビチャ・オシム氏を招聘することを考えます。
オシム氏に対しては、イタリアの主要チームが招聘しても応じませんでした。祖母井氏は「お金では応じない人なのだ。だったら、熱意と誠意で来てもらおう」と考え、毎日のようにオシム氏に電話をかけ続けます。そうしたら、オシム氏が来ることになったのです。オシム氏は契約書にサインしようとしません。「契約だから仕事するのではない。お前を信頼して仕事するのだ」と祖母井氏に言ったそうです。

現在祖母井氏は、フランス二部リーグのグルノーブルでGMの仕事をしています。
監督は自分の考えで選んで招聘し、現場については監督に任せて祖母井氏は口出ししません。しかし練習は最初から最後まで見守っています。
GMの重要な仕事は選手の補強です。他チームに目を付けていた若手選手がおり、そのチームと移籍交渉がまとまりかけていたのですが、直近の試合でその選手が好成績を上げたために突然移籍金がつり上げられ、交渉は不成立でした。金の卵選手に目を付けたという点では祖母井さんの目は確かだったわけで、交渉不成立は残念でした。
しかし結果として、番組の中では今シーズンの有力な補強は成立せず、グルノーブルは現有選手で頑張ることとなりました。


祖母井さんの顔と立ち居振る舞いを、テレビ番組で確認できたことは収穫でした。
プロサッカーチームのGMとして常に功績を挙げることのできる実力を有しているのかどうかは判別できませんでしたが、これからも頑張って欲しいと思います。

湯浅健二氏にしろ祖母井氏にしろ、ドイツでサッカーコーチとして研鑽を積んだ日本人が、日本のサッカーシーンの中枢で注目されることが難しい気がします。なぜなのでしょうか。
このような人たちにこそ、日本サッカー協会の強化委員会のようなところで活躍して欲しいものです。
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