弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

サッカー批評「Jリーグ批評」

2007-10-25 21:51:40 | サッカー
季刊「サッカー批評」36は、「サッカー誌が書かないJリーグ批評」という特集です。
サッカー批評 issue36―季刊 (36) (双葉社スーパームック)

双葉社

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[直撃インタビュー]セルジオ越後はなぜ批評を繰り替えするか?というインタビュー記事があります。インダビュアーは宇都宮徹壱氏です。
前書き「本誌は一貫して適正な目でオシムを評価していこうと呼びかけてきた。結論を急ぐのではなく中長期的視野で議論をしなければならないと思うからだ。その点で本誌と、オシム解任論まで唱えるセルジオ越後氏とのスタンスは明らかに異なる。なぜセルジオ越後氏は批判を繰り返すのか。疑問をぶつけるべく、本人を直撃した。」

「サッカー批評」と名乗る雑誌が、「評論家が批評することがおかしい」ということ自体がすでにおかしいのですが、サッカー批評誌はオシムを積極的に支持してきたという経緯があるので、オシム批評を繰り返すセルジオ氏は「決して看過すべきものではなかった」ということのようです。やっぱり変だ。

そして記事の最後に「終わってみれば、ほとんど完敗といえるインタビューであった。ボールは常に相手側にあり、こちらは防戦一方。いいたいことは山ほどあるのに、いざ切り出そうとすると反論が10倍になって返ってくる。しかも、その半分くらいは理不尽なものだったりするから、なおさら悔しく、もどかしい。」
一体何なんでしょうか。

インタビューで語るセルジオ氏の言説は、決しておかしな内容ではありません。世の中、いろんな意見を出し合って適正な方向を見いだしていくのであって、セルジオ氏のこの言説を遮るようではとても批評誌とは言えません。

アジアカップを4位で終わった日本代表について、セルジオ氏がオシム批判を繰り広げます。これに反論があるのであれば、「今の日本代表選手の力が○○である中、オシム監督は○○という対応を取ることによって代表をいい方向に進化させているではないか」と具体的に反駁すればいいだけのことです。それができていないのですから、一方的に押し切られても致し方ありません。

「セルジオさんは、何か具体的なJリーグの改革案をお持ちでしょうか?」
「たとえばJ1リーグのクラブの数、4チーム減らしてみてください。いい選手はみんなJ1に来るよ。レベル上がるよね。弱い相手との試合では、強化にならないのよ。何のためにJリーグを作ったのか。勝つために作ったんでしょ?儲けるためじゃない。でも、最近は興行に走っているよ。」との応答です。
それに対し、「今度、鬼武(健二)チェアマンにお会いするので、聞いておきます」としか答えられません。

同じ雑誌の中で、宇都宮徹壱氏が「Jリーグへの警鐘」と題して鬼武チェアマンと対談しています。その中で、「J1のチーム数ですが、2年前に16チームから18チームになったことで、ゲーム内容が薄まったように思えてなりません。」と切り込んでいますが、チェアマンが「Jは今のところ18にしているけど、適切な数だと思っています。」「16チームになったからおもしろいゲームが増えるいとうわけでもない。むしろ18でそれをやらないと。」と応答され、それっきりです。

結局、サッカー批評誌としての意見、それも明確な理屈に裏付けられた意見がないのですね。せっかく「サッカー批評」という雑誌名をつけ、税抜き933円という値段で販売しているのに、残念なことです。


先日記載したように、「日本人はなぜシュートを打たないのか?」を書いた湯浅健二氏は、サッカーに対する自分の考え方を明らかにし、なぜそのような考え方に到ったのか、具体的な経験をもとに説明し、その考え方をもとに、オシム監督の指導方針について論評(賛成意見)を述べています。
このような説得性のある意見を、他のサッカー批評家もぜひ身につけて欲しいものです。

今回のサッカー批評誌には他に、「加藤久からのメッセージ」「クラマーとともに歩み、戦った日本代表の物語」「ヤスダの復活」といった記事があり、こちらは興味深く読むことができました。
ヤスダとは以前記事にしたあの安田です。
コメント (2)
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