弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

「恐るべきさぬきうどん」その後

2008-12-31 15:08:53 | 趣味・読書
前報に書いたように、香川県下でご近所の人と一部マニアにしか知られていなかった怪しいうどん屋の数々は、T尾氏による連載ルポルタージュによって広く知られることになりました。2000年以降、「恐るべきさぬきうどん―麺地創造の巻 (新潮文庫)」「恐るべきさぬきうどん―麺地巡礼の巻 (新潮文庫)」の影響もあって県外からうどんツアーに訪れる人が増え、田んぼの真ん中の民家の納屋のようなところで営業するうどん屋に、客がどっと押し寄せてきたようです。

「恐るべきさぬきうどん」には以下のような探訪記が載っています。

琴南町の「谷川米穀店」
団長がバイクで林道ツーリングに出かけたおり、「琴南の方にすごいうどん屋があるらしいぞ」という噂を思い出し、通りかかった郵便配達のにいちゃんに聞いたら、目の前の納屋のようなところがうどん屋でした。「まさに感動もののうどん。素朴で、生き生きしてて、こんなうどんが食べられることを讃岐人として誇りに思いたい。」

坂出の「がもううどん」
T尾団長のレポートでは、「まったく感動的なロケーションでありました。文字では説明できませんと逃げておく、と。」とあり、よくわからないのですが、正面に田んぼが広がるとのことです。
店内には椅子が数個しかなく、客はみんな外で食べるとのこと。

綾上町の「山越」
ご主人、奥さん、近所の手伝いの人とおばあちゃんとでやっています。生地を練るところから、足で丹念に踏む、延ばす、切る、ゆでるという工程です。
D々「団長、これは香川一のさぬきうどんですよ」
団長「いや、日本一のさぬきうどんや。ひょっとしたら東洋一、いや、世界一のさぬきうどんかも知れんぞ」さぬきうどんに東洋一も世界一もあるかい。

以上が1990年頃の、怪しいうどん店の様子です。


それが2006年にはどうなっていたか。
「麺通団」というのは、タウン情報かがわの連載「ゲリラうどん通ごっこ」のためのチーム名からスタートしたのですが、現在は実際に「麺通団」という団体が活動しているのですね(こちら)。団長はあのT尾氏(田尾和俊氏)のようです。
そのサイトに、《◎麺通50人が白状した2006年「私の好きなうどん屋」ランキング、131位までを紹介!》という記事が載っています(pdf)。その3ページ目に、小さな写真が3枚掲載されています。あの「がもううどん」「谷川米穀店」「山越」のうどんを食べようと、ものすごく長い行列ができている写真です。
これですか!さぬきうどんブームというのは。

普通、こんなブームが到来したら、それまではいい味を出していた老舗店であっても、味が落ちるのではないかと気にかかるところです。
ところがこの記事のランキングでは、2006年の段階で、山越、がもううどん、谷川米穀店のいずれも、ベスト5の中に全部入っているのです。これだけのブームが押し寄せても、味を維持しているということですか。

ところで、記事の写真の説明をよくよく見ると、「2006年5月3日」とあります。ゴールデンウィークの真っ最中でした。だからあの行列ですか。
平日は、昔ながらの怪しいうどん屋を続けているのでしょうか。
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