弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

城彰二の引退

2006-12-23 20:34:24 | サッカー
サッカーの城彰二が引退するということで、テレビ番組を見、新聞記事を読むにつけ、特にフランスワールドカップの頃を思い出して感慨が湧きます。

フランスワールドカップアジア最終予選の頃、エースとされていた三浦知良は不調でした。不調にもかかわらず先発を指名され続けます。当時、城は「今の自分は絶好調なのだが、試合には出してもらえない」と述懐していました。
加茂監督が更迭されて岡田監督に代わっても、その状況はなかなか変わりませんでした。
例のジョホールバルの最終戦では、カズと中山が先発しますが、途中で城とロペスに交替します。そこで城はヘディングで貴重な2点目をゲットしました。その映像も最近繰り返し流れました。あの交替は岡田監督の名采配ということになっていますが、私から見ればなぜもっと早くできなかったのか、ということです。

フランス本大会となると、カズが代表から外れ、今度は城がエースに指名されます。しかし本大会が始まってみると、城は決して好調とはいえない状況でした。それでも今度は城が使い続けられます。城と中山のツートップだったでしょうか。
私は、「なぜロペスを使わないのか」と不思議でした。アジア最終予選で日本は崖っぷちに追い詰められていましたが、なんとか踏ん張って崖から転げ落ちずに済んだのは、ロペスのゴールによって引き分けで終われた試合があったからです。ロペスはフランス本大会前の3月に国士舘大との練習試合で頬骨を骨折しており、それが尾を引いていたのかもしれませんが。
ジャマイカとの最終戦では、城に変わってロペスが投入された後、左サイドの相馬からのセンタリングをロペスが折り返し、中山がゴールしてやっと1点返したのでした。

日本代表が帰国して成田空港に到着したとき、城がファンから水をかけられるという事件が発生しました。調子が悪い選手を使い続けたのは監督の責任ですから、城には気の毒なことでした。

12月23日の日経新聞に城彰二に関する記事が載っています。
(前略)
「サッカー以前の問題。ぼろぼろだった」。引き金はフランスW杯直前の三浦知良の代表落選。代わってFWの柱に指名されたが「カズさんは僕にとっては絶対的な存在で精神的な支え。その人がいなくなりパニックになった」。誰にも相談できず眠れない夜が続き、部屋で嘔吐することもあった。
 3戦全敗。ノーゴールのエースは戦犯の責めを負わされた。体の変調を悟られまいと試合中に無理につくった笑顔はバッシングの対象となり、帰国した成田空港でファンに水をかけられた。「これがカズさんが背負ってきた重圧なのか。あらためて偉大さを知りました」
(後略)------引用終わり---------

代表監督の采配の難しさを本当に感じます。エースが不調でサブが好調でも、監督はなかなかエースを下げることができないのですね。そのエースを今度は代表からも外してしまいました。しかしそれによってチームは精神的支柱を失い、次に指名したエースの調子を狂わせてしまったということです。

フランスワールドカップの後、城は檜舞台から姿を消します。最近の番組によると、膝の故障を抱えて苦しんでいたようです。

しかし、現役引退を決意した今年、J2の横浜FCでやってくれましたね。横浜FCのJ2優勝とJ1昇格の牽引役となり、それを実現したのですから。それも、フランスワールドカップ予選と本戦でそれぞれエースとして苦悩したカズと一緒に。

最近の映像で見る城彰二は、本当にいい顔をしています。現役時代の栄光と苦悩の経験が、いい顔を作ったのでしょうか。
これからの人生を応援しています。
コメント
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