普請道楽

建築家との普請の記録のためのブログ。
しかしすでに家も建ち、今では徒然なるまま感じたことを書く「日日雑記」であります。

想い出の深いお酒

2006-11-14 04:33:23 | Weblog
普請道楽の趣旨とは少しはずれるけれど、ある日のコトリでの出来事である。

先日、仕事の同僚が家族一緒で夕食に来てくれた。
子どもは3人、上から8歳(女)、5歳(男)、3歳(女)。
ウチの愚息は、5歳の一人っ子なのだが、もう嬉しくてたまらない。
はしゃぎまくって、はしゃぎまくって、みんなが帰ったらコテンと寝た。
本当に楽しかったのだと思う。

その時、父親2人は、そんな幸せな光景を眺めながら、想い出の深いお酒を開けた。

その同僚とは、もう一人の仲間と2ヶ月ほどの長い出張をした。
出張先は、ある大学病院だった。
そこで幼くして病に冒され、小さなからだで戦い続ける子どもたちと出会った。
何人かは、残念ながら助からなかった。

一人の目の大きな赤ちゃんがいた。
宮崎から治療のために、ヘリで運ばれてきた。
本当にかわいい女の子だった。
僕らは、彼女とそしてその両親と、多くの時間を過ごした。
でも悲しいことに、この子は助からなかった。
お葬式には三人で行った。

それからしばらくして、その両親から焼酎が三本届いた。
みんなで飲んでくださいという。

あれから1年がすぎた。
そしてようやく飲む機会がきたのだった。
もう一人の仲間は、急遽仕事が入ってしまい一緒に飲めなかった。
出張には行かなかったが、強力なバックアップをしてくれたのは、
このブログにも出てくるアレカヤシを送ってくれたコーディだった。
彼も仕事でこれなかった。

4人の子どもがコトリの中ではしゃぎまくる中、2人でしんみりとその焼酎を飲んだ。

同僚の夫人は、おなかが大きくて、もうすぐ4人目の出産だという。

生きられなかった命とこれから生まれてくる命。
家族とか、子どもとか、人の命とか、柄にもなくそんな事を考えた。

M電気もコーディも、まだ手つかずが2本残してあるから、また飲みにきてください。

ハンガリアン・ラプソディ

2006-11-12 19:11:22 | Weblog
よくこのブログにコメントを寄せるバッジオという男がいる。
この男は、高校時代の悪友である。
一緒に授業を良くさぼったり、先輩に喧嘩ふっかけたりした仲。
一緒にいろいろ悪さをしたなぁ。
その腐れ縁、今も続いている。
そしてこの男は、現在、ハンガリーにすんでいる。

バッジオがしばらく前にこんなコメントをブログに寄せた。

『新築祝い (バッジオ)   なにやら背中がムズムズしていたのだが。。。この記事を見てようやくその原因が判ったです。そうです、僕は新築祝いを送っていなかったのだ。「雄牛の血」なる一瞬で終わってしまうワインなどではなく、なにやら送り主の存在感を常時見せ付けるようなもの。。。というわけで、おぬしの自宅住所をバッジオの自宅アドに連絡くれ給え。』

別に、贈り物シリーズをしているからといって「催促」していた訳ではないのだが、この男はなぜか気持ちが高まってしまったらしい。そういえば昔から身勝手な男なのであった。しかしまあ、この男に遠慮をすることもないので、たいした期待もせずに、素直に新住所をメールで知らせておいた。

すると・・・、
たった数日の間に、このハンガリー製の磁器が届いた。
「エレンド」という名門の磁器。
ネットで調べると曰く、『1826年の創立当時は民芸の窯でしたが、後にオーストリアの統治下でハプスブルグ家の磁器を手がけてからは、ウィーンの貴族達に使われだしました。華やかで、繊細な技法は独特の華麗さを見せてくれます。』らしい。

まあこんなこと書くのも恥ずかしいけど、モノももちろん嬉しいけれど、ほんの数日でこんな立派なものを手配してくれたという気持ちが嬉しい。
人の気持ちを測ることの出来るものは、言葉はなく、行動である。
バッジオ、君を少し見直した。
心より感謝します。

屋上からの眺め

2006-11-12 03:35:47 | Weblog
コトリの屋上からの新宿方面の夜景。
都庁、オペラシティ、東京タワー、ロクヒルなどが見える。

なぜかこのあたりには高い建物がない。
なぜか、と先日、我が家を訪れた地元・建築家I関くんに聞いてみた。

彼はおじいちゃんの代からコトリから数メートルところにすんでいる。
100坪を超えるお屋敷である。
そんな家がこのあたりにはゴロゴロある。
戦争時代は空襲を逃れ、焼かれることなく古くからの住宅が残ったらしい。
確かに古くからの八百屋だの肉屋だのソバ屋などが住宅街の中にやたらに点在する。
また80年代半ば、規制緩和が行われ、木造三階建てが建てられるようになった時にも、もう家は建ち並んでいるので、建てる場所がいない。
結構、代々住み次いでいる家が多いような気もする。
しかも「風致地区」の指定を受けているので、面倒くさい、などなど。

という訳で、このあたりは都心にほど近いにもかかわらず、なぜか下町のような不思議な場所なのである。

この夜景は、この50年、ずいぶんと変わったことだろうにねぇ。

みんなのいえ 続き

2006-11-09 10:11:06 | Weblog
「追加工事」の際に、もっとも八面六臂の活躍を見せたのは当然、アリメさん。
なにせ、僕らすんでいるものよりも、コトリに詳しい。

そしてなにより建築家という人種のアドバンテージなのかもしれないが、
「完成形を想像する力」が凄い。
これは素人には絶対にできない。

まず何かを作るとき、どんな形にそれを組み立てればいいのか、分からない。
見栄え、強度、そして手間。
その最善はどんな形状になるのか、さっぱりわからない。
アリメさんは、「パッ!」と形が見えるらしい。
それを頭の中で少しずつ改良しているようである。

一人悩んでいると、「簡単、簡単」と図を書いて説明してくれる。
しかし今度はディテールが分からない。
分からないが、言われるがままにやってみると、
「いいじゃーん」ということになるのである。

や、これはすごい能力である。
これをどんどん積み重ねていくと一軒の家ができあがると言うことである。

建築家、恐るべし。


赤富士

2006-11-08 17:32:11 | Weblog
この家に越してきて初めて富士山をみることになった。

夕焼けが綺麗だと、妻に誘われ、屋上に上がった。
山の稜線が綺麗だね、なんて話をしていると、
すっくと立ち上がったあの独特の形が夕焼けを背にに浮かび上がる。
富士であった。
感動的な瞬間である。
その折、なぜかバッハのミサ曲を聞いていた。
余計に神々しい気持ちで、向き合った。

思わず写真をパチリ。
今日でコトリで過ごす休暇も終わり。
最後になかなかいいもん、見せてもらいました。

でもこうして写真でみると、随分と遠いですねぇ。

みんなのいえ 続き

2006-11-08 10:47:26 | Weblog
H田くんとH間さん。
テレビの下の配線隠しを作ってくれた。

H田くんは、なぜか日曜大工の達人。
アリメさんと意味不明な言葉で会話をして分かり合っている。
一応、本職は別にあるらしいが。
H間さんは、H間夫妻とは縁もゆかりもないが、同じ姓。
いつもニコニコしながら、着実に事を片づける。

テレビの下が、お陰ですっきりとしました。
ありがとう。

なおこの2人は、3Fのベランダのウッドデッキのがたつきも直してくれました。
調子いいですよ。あれ以来。
今度は、もっと難工事が予想されます。
またよろしく・・・、とちゃっかり頼んでおく。


みんなのいえ 続き

2006-11-07 10:17:01 | Weblog
みんなのいえ 報告続き。

H間夫妻は、屋上、および3Fのベランダのウッドデッキの保護材塗布を担当。
特に屋上は、直射日光、風雨に晒されるため、保護材の塗布が不可欠である。

使ったのは、キシラデコールという保護材。
2度塗りする必要がある。
中野の島忠で、大量購入。

基本的には油性なので、手足をべたべたにしながらの難作業。
しかもシンナーのにおいがなかなか厳しいモノである。
一日がかりで塗ってくれた。
これで屋上のウッドデッキも長持ちすることでしょう。
感謝しています。

H間夫婦は、オープンハウスに駆けつけてくれ、祝い酒もいただいていた。
そのお酒を、今回開封し皆で楽しんだ。
何から何まですいません。。。

結局、この日の夜は、キシラデコールがまだ半乾きのために、
「屋上ビール」は、できなかった。
今度は、「屋上ビール」の会をやりましょう。
作業抜きで。

みんなのいえ

2006-11-06 11:25:43 | Weblog
という映画がある、という話はずーっと以前に書いた。
三谷幸喜の映画。
建築家と父親である大工との対立に悩み、家を建てていく若夫婦の物語。

それとは、似てもにつかぬ話だが、昨日はそんな言葉を何度も思った1日だった。
「コトリ」の追加工事をした。
植栽、ウッドデッキの保護材塗布、テレビ台の改良、棚作り、その他、もろもろ。
友人知人に声をかけたところ、多くの人が参加してくれた。

アリメさんを筆頭に、
実家が近所にあるということで知り合った若き建築家のI関くん、
会社の同僚のホンマ夫妻、ハラダくん、ホンマさん、サトムラさん
ヘアデザイナーのアカネさん、
そして最後に夕食だけ参加したインドから帰国したばかりのカネキチとその友人。

I関くんは午前中から、他のみんなも早い午後から参加。
プロ顔負けの技術を持つ人もいた。
とっぷり日が暮れるまで作業に没頭する。
私はといえば、その間を右往左往して、作業の進捗を見守りながら、
足りないモノの買い出し、夕食のお買い物などをしていただけだった。
まあ、なんというか情けない家主である。

終わった後は、みんなにお風呂に入ってもらってビールで乾杯。
ささやかな宴をした。

買うモノではなく、作るモノ。
アリメさんがよくいう言葉である。
その言葉の意味がよく分かった気がした。
「その割に、あなたは手を動かしていませんでしたね」と言われそうですが。。。

参加して頂いた皆さん、ありがとうございました。
ここに改めて感謝いたします。



アレカヤシ

2006-11-01 08:14:05 | Weblog
というらしい。

新築祝いに、仕事仲間からもらったもの。
アレカヤシという観葉植物。
高さ、2メートルはある。

送り主は、何度も修羅場を一緒にくぐってきたいわば仕事の上での戦友。
会社では、コーディという愛称で呼ばれている。
その彼からは、引っ越す前から、何が欲しいのか、尋ねられていた。
でも気を遣わせては悪いと、のらりくらりと断ってきた。
そうこうするうちに、引っ越し間近になった。
彼は、お茶を濁してばかりいる僕に聞いても無駄だという感じで、
「じゃあ、定番の観葉植物、送りますから」といってきた。

で、届いたのが、このアレカヤシ。
正直、届いたときは、大いに驚いた。
そしてコーディの狙い通りに驚いてしまったことに、
「コーディ、さすがなり」と変な感心をしてしまった。
その時から、すごい枝振りであるが、今も成長著しい。
我が家の寝室に、でーんと鎮座し、不動の観葉植物としての地位を確立している。

コーディ、今度、これを眺めながら飲みましょう。


久しぶりのアリメさん

2006-11-01 00:40:29 | Weblog
久しぶりにアリメさんに来てもらった。
まあなんとはなしの打ち合わせ兼食事。

駐車スペース、そして風呂の前の坪庭の植栽問題、
屋上のワイヤー張り、2Fのベランダの収納スペースなど、
僕が休暇のウチに、できることをやってしまおうという話し合い。

アリメさん、我が家の事を誰よりも知り尽くしている。
そして的確に冷静に議論を整理していく。
これは、さすがに妻と二人ではうまくいかない。
家のことは、ちょっとしたことでもかなりお金がかかるし、
それぞれの思い入れも強いので、夫婦だけでは議論が進まない。
他の家は知らないが、ウチは特にそうかもしれない。

話し合いの合間に、キッチンの収納など、細々した妻の悩みにも、
的確に冷静に、助言というか、何を考えばいいのか、をきちっと示してくれる。

建築家と家を建てると言うことは、家が建ったらお終いと言うことではない。
家をたてれば、実に様々なハプニングが起きる。
建て売りでもなければ、予算の都合で、植栽など外構の一部を残したりするし、子どもが大きくなれば、部屋の使い方も変わる。
相談したくなることは山のように出てくるのである。
家とつきあう年月と同じ長さ、建築家とおつきあいがあるのかもしれない。
家族みたいな感じもありますね。

そういえば、アリメさん、今日、我が家のお風呂に入っていただいたのですが、
その風呂上がりは、実に満足そうであり、楽しそうでした。

どんな気分なんですか?
自分で設計した家で過ごす時間というのは、アリメさん。


備前の皿

2006-11-01 00:26:02 | Weblog
引越祝いのもらい物シリーズ。

備前の皿。

妻の兄は、妻とともに、岡山の備前に移り住み、焼き物をやっている。
今は、修行を終え、独り立ちの準備中。
まもなく一児の親となる。
そして、こんなブログもやっている。
http://terracoya.seesaa.net/

ベルギーから帰国した夜、妻が私の好物のハンバーグを作り、
盛りつけたのがこの皿であった。
皿より団子の私は、しばらく目に入らなかった訳だが、
おなかがこなれてきた時分に、妻が説明してくれた。

なかなか控えめで、でもたっぷりとした、それでいて凛とした、いい皿だなぁ。
思わず料理がしたくなる。

どうもありがとう。
とても気に入っています。

安産をここにお祈りいたします。