アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

カラムシと毛虫 - 閲覧注意!

2020-09-30 19:02:57 | みんなの花図鑑
最後に 毛虫が出てきますので ご注意を!


デンパークに行ったら、火曜日で定休日でした(ToT)
そのままUターンして帰るのも何なので、そういえばと、デンパークの横を流れている川の堤防を散策してみることにしました。
いろいろ川の土手らしい植物に出会いましたが、よく見るのだけど名前の分からない植物にも出会いました。
これ、何でしたっけ?
例によって スマホの Google Lensアプリで検索してみました。
そしたら、候補に ヤブマオ、メヤブマオ、カラムシなどイラクサ科とトウゴマが候補に出てきました。





トウゴマではないのでこれは除外して、イラクサ科のどれかがよく分かりません。
仕方ないので掲示板にお尋ねしました。
しばらくして常連回答者の方から
「葉の裏が白く見えているのでカラムシだと 思います。」
と答えてもらえました。
「葉の裏が白く見えているので」という見方はとても参考になりました(^^♪




果実だけ写すと、確かにトウゴマ そっくりです。

   ▼ トウゴマ






つぎは 毛虫が出てきますので ご注意を!


3


2



1



0
ある株では 何匹もの毛虫がおいしそうに葉をぼりぼりかじっていました。
ちょうどお蚕さんが桑の葉を食べる、あんな感じです。

面白いことに カメラを近づけたら、食うのを止めて、上の画像のように仁王立ち(?)するんです。それも カメラを向けた個体だけでなく その株のあちこちで葉を食んでいたすべての虫が、一斉に、こういう警戒姿勢をとるんですよ。これには驚きました!
それで、食べているところは 撮れませんでした (ToT)
フクラスズメの幼虫は カラムシやイラクサの葉を食べて育つのだそうです。

追記
(フクラスズメの)幼虫は、とても派手な色をしています。動きの遅いイモムシ型の幼虫の多くは、鳥の格好の餌になりますが、多くの幼虫は、大きく分けて3つの戦略で捕食を回避します。(中略)もう一つの戦略が、毒や不味い物質を体に作り、体色を派手にすることによって、天敵に自分を印象づけ、不味いことを覚えてもらう方法です。フクラスズメは、この後者の戦略をとることにより、天敵からの捕食を回避しています。見た目は、毒々しく、長い毛も生えているため、いかにも、刺されそうですが、触れても無害です。(BIOME「派手に生きる蛾、フクラスズメ」)

イボクサ - かわいい水田雑草

2020-09-30 14:55:18 | みんなの花図鑑
こんなこと言ったら農家の方に叱られそうですが「水田雑草のイボクサは可愛い」のです。


水田の畦に こんな感じで生えています。3枚ある花弁の先がほんのり赤紫色で、ハニカミながら咲いているようです。




葉はツユクサみたいな葉です。調べたら、やっぱりツユクサ科でした (^^)/
細菌の最近の関心は シベなのですが、拡大して見ると 花粉がいっぱい付いた おしべが3つ、それより背の低い 花粉は出てないけれどおしべのようなシベがあります。




めしべがはっきりしませんが、柱頭が見えないだけで 白っぽいラッキョウのようなのがめしべの子房です。




こちらのほうが めしべが分かりやすいかな?




先ほどの小さい おしべは「仮雄しべ」でした。
まとめると 花弁が3枚、おしべが3個、仮おしべが3個、めしべが1個だけど 子房は 3室あって 果実が実ると3個の種子ができる。
3数性(3の倍数からなる)なんですね \(^o^)/



ヨモギ - キク科

2020-09-29 20:06:29 | みんなの花図鑑

いきなりアップですが、キク科のヨモギ(蓬)の花です。




ヨモギといったら 春に若菜をてんぷらにしたりよもぎ餅をつくったりするあの ヨモギ属(アルテミシア属)のヨモギですが、たくさんの種類があります。




ハーブの王様ですが、それどころか「東洋医学(漢方)で古来から薬としてもちいられることもある、ヨモギから抽出される、アルテミシニン(artemisinin)と呼ばれる成分が、健康的な細胞1つに対して、1万2,000個もの癌細胞を死滅させたと報告しています。」(ソフィアウッズ・インステュートのブログ「よもぎの成分ががん細胞を死滅」)




「ヨモギの花は両性花と雌花がある
両性花は雄性期と雌性期がある」(神戸の花と木「ヨモギを見ながら・・・」)




「花を見ると黄色に見えているのがおしべだ
まず雄しべが出てきて(雄性期)
やがて雌しべが伸びてくる
やがて雄蕊が役割を終えて
花は雌性期を迎える
ヨモギの両性花はおしべ先熟の花なのだ」(同上)




「ヨモギの花をよく見ると雌しべの柱頭が2種類ある
先が2本、紐のように伸びているのは雌花の雌しべの柱頭である
くるりと丸くなっているのが両性花の雌しべの柱頭である
どちらかが不稔なのかなぁ・・・。
それは調べていない私だ」(同上)



アオツヅラフジ、エビヅル - ブドウですか(´∀`)

2020-09-29 12:04:52 | みんなの花図鑑
見出し画像は アオツヅラフジの青い果実です。

アオツヅラフジ

アオツヅラフジはツヅラフジ科アオツヅラフジ属の落葉つる性木本で青黒い実を付け、このつるから葛篭を作ることから「アオツヅラフジ」と名前が付いたというのが一般的なようです。




同じ日同じ場所で 花がまだ咲いていましたので、説明にちょうどいいと 撮ってきました。花と実の大きさを比べてください。




雌雄異株で、果実が生っているからこの花は 雌花です。雄花雌花とも花弁と萼片は6個です。
ひとつの雌花には雌しべ6個あります(松江の花図鑑)。
雌しべ6個という表現には少し違和感がのこりますが、いずれにしても雌しべの子房は6つの部屋がありいま白緑色をしています。




受粉するとその1つ1つが次第に膨らんでこのように6つの実が付きます。




ひとつの花に 6つの実が付くのですから、付き始めはにぎやかです。




でも、6つ全部が最後まで大きくなるわけではありません。熟すと 青黒い色になり、まさしく小さいブドウの房のようになります。でも有毒ですから 良い子は食べないでね (^_-)-☆




エビヅル

エビヅルは ブドウ科ブドウ属のつる性植物。やはり雌雄異株です。




この葉の裏面に毛が密生した様子をエビの色に見立てたとか。 また、果実が熟すと黒くなるが、その色に似た色を「葡萄(えび)色」というのだそうである。(エビヅル (海老蔓): 花々のよもやま話)




エビヅルの実は まさにブドウです。 今は マスカットですね




黒紫色に熟した実はとてもおいしい
ブドウより少し小さいけれどブドウに負けずに甘くておいしい (神戸の花と木「エビヅル」)


ミズヒキ、キンミズヒキ - めでたい?!

2020-09-28 22:17:49 | みんなの花図鑑
ミズヒキ

ミズヒキは タデ科の植物ですが、見つけたときはたいてい受粉後の状態で、なかなか花の状態のミズヒキに出会えないです。
名前は 「紅白に見える花序が水引に似ていることに由来する」(wiki「ミズヒキ」)とあります。



これが 水引ですが、紙縒り(こより)に糊を引き、乾かして固めた飾り紐のことで、贈り物(プレゼント、ギフト)、贈答品を包んだ紙の上から結んだりします。
水を引いた後は清々しくなることから、 水引には物事を浄化し清め、邪気を払う力がある と言われてます。



ミズヒキは花のとき、花弁のように見える花被片が、上の3枚は赤く、下の1枚は白いのです。




それで、花のときは、たしかに 「紅白」の水引なのですが・・・果実になると 紅 だけになってしまいます。




受粉後の花被片はつぼんで果実をおおい、雌しべ2本が伸びてカギ状になり他にくっつきやすくなります。




お寺の植物園にあったのですが、やぶ蚊がわっと出て来て血を吸うので、早々に退散しました。



キンミズヒキ

科名:バラ科/属名:キンミズヒキ属
和名:金水引/学名:Aqrimonia pilosa
本州、四国、九州などの林の縁、原野、路傍に普通に見られる多年草。
(薬用植物一覧表「キンミズヒキ」)



和名のキンミズヒキの由来は、「金水引」の意で、細長い黄色の花穂を「金色のミズヒキ(タデ科)」にたとえたものである。(wiki「キンミズヒキ」)




花は、夏から秋にかけ、長くのびた茎の上部に黄色5弁の小さなものを穂状につけます。(薬用植物一覧表「キンミズヒキ」)




果実は宿存がくの内側にでき、そのがくの縁には鋭くて内側に曲がった刺毛が多数でき、この刺毛が衣類等に附着して散布に役立っています。(同上)

ミズヒキ と キンミズヒキ に共通するのは 果実が何らかの形で ひっつき虫になってるところですね (^^♪


午後のアサガオ

2020-09-28 17:50:46 | みんなの花図鑑
午後の紅茶、午後のツユクサ、午後の ノアサガオ。


午後4時の撮影です。




アサガオというと 朝咲くから 朝顔なんでしょうが、この亜熱帯地域から来たノアサガオは 午後4時になってもこんなに元気。




別名 宿根アサガオ、リュウキュウアサガオ、オーシャンブルーなどいろいろ。




しかも、本来は一日花のアサガオですが、気温が低くなる秋になれば、前日に咲いた花が翌日も咲き残っています。1日目の花色は青紫で、2日目には赤紫に変化するため、2色の花色が同時に楽しめます。(住友化学園芸「ノアサガオの育て方」)



タカサブロウ - 人名みたいな名前

2020-09-27 22:41:31 | みんなの花図鑑

「タカサブロウ」という人名みたいな名前の由来はハッキリしないようですが、古くはタタラビと呼ばれていたのが、タタラビサウになり、それがタカサブロウになったのではないかと、語源研究家の深津氏は述べています。(Fild Watching 『②秋野の山を歩く』より)




典型的なキク科の花序で、中央が筒状花の集合、周囲の花弁のような一枚一枚が 舌状花。




エノコログサと花の大きさを比べてみました。




筒状花ですが、黒っぽい部分が雄しべで「集約雄しべ」といって5個の雄しべの葯が合着して筒状になり、その中から雌しべが伸びて、充分に伸びきったら柱頭が2つに開きます。この小花たちは 柱頭に黄色い花粉が乗っていますので、すでに受粉しているのではないかと思います。




舌状花のほうは 2列になって筒状花の周りを囲んでいます。この画像でははっきり分かりませんが、舌状花は 雄しべがなく 雌しべだけが伸びて2つの割れています。




筒状花が痩果(そうか)になったところです。初めは緑色です。そう果は種子の両側に翼が付いているので、上から見ると目のような形に見えるといいますが・・・




よく分からないので、筒状花の端っこのほうをバラしてみました。白い部分が翼ですね。
よく似た植物に アメリカタカサブロウ がありますが、アメリカタカサブロウには翼がありません。


ヒロハフウリンホオズキ - センナリホオズキでない

2020-09-27 17:30:07 | みんなの花図鑑

ヒロハフウリンホオズキ と センナリホオズキ。
一年経つと どう区別するのか、すぐ忘れてしまいます。いちばんはじめ掲示板で質問した時、「ヒロハフウリンホオズキ または センナリホオズキ」と回答をもらったので、「あれ?おかしいぞ!」と自力で調べたのに・・ (ToT)




ネット上には まだまだ混乱があるようですが、ほおずきがぶら下がっていれば、この2つの区別は チョー簡単です (^^)/




でも、花しか咲いてないときは どこで区別するか?
いちおう、花の中を見て ▼こんな風に 濃い紫色の 梅の花状の班があれば、

センナリホオズキ です。
(ヒロハフウリンのほうは あっても ぼやっとした色の模様しかありません。)




さっき言ったように、ホオズキが生っていれば、一目瞭然で分かります。どこをみるのかというと、
ホオズキを包んでいる袋(これを「宿存萼」といいます)を見ます。
ヒロハフウリンホオズキの宿存萼の脈は褐色に色づきます。
センナリのほうは熟しても緑のままです。
(私のブログ記事には 一度も センナリのほうは登場しません。当地で ホオズキは ヒロハフウリンホオズキばかりです)

「過去に、学名の当て違いがあったということです。
従来、原色日本帰化植物図鑑(保育社)を含めて、センナリホオズキ (Physalis angulata L.) とされてきた植物は、Physalis pubescens L.であることが明らかになりました。
 そこで、 センナリホオズキの学名を Physalis pubescens L.としました。
 そして、Physalis angulata L. には、新しく和名が必要になり、ヒロハフウリンホオズキとしたものです。」
(FILE85  ヒロハフウリンホオズキ Physalis angulata L. より)

コミカンソウ - 販売促進中

2020-09-27 08:29:53 | みんなの花図鑑

トウダイグサ科のコミカンソウの実がだいぶ色づいてきましたよ (^^)/
右から5つが果実、つづいて3つが雌花、それより枝先のほうは 雄花です(雄花は色が薄い)。




下から見上げたもの。
おもにアメリカ南東部、東南アジアや南アジアなどに分布し、日本では関東地方よりも西の各地に分布します。畑や道端などでよく目にする雑草で、直径2~3mm程度の赤色の実をつける姿がミカンに似ていることから、この和名がつけられたと考えられています。(暮らしーの > ガーデニング > コミカンソウとは?その特徴や意外に知らない薬草としての効果なども解説!)




実の中にはたくさんの種が入っていて、熟すと種が落ちていき、勢いよく繁殖していきます。(同上)




コミカンソウの花は数mm程度の小さな花です。葉の付け根に花をつけるので、よく見ないと気づかないこともあります。コミカンソウの学名はPhyllanthus urinariaですが、このPhyllanthusとは「葉に花が咲く」ことを意味するのだとか。花の色は白く、枝の裏側に列を作るように咲きます。(同上)




コミカンソウは、日本では繁殖力が強い雑草として知られていますが、海外では、英名をChamber bitterとし、さまざまな薬効があることで知られています。日本ではあまり知られていないかもしれませんが、特定の国では伝統的なハーブとして多くの症状に利用されています。ただし、食べるミカンとは異なるため、そのまま実を食べるのではなく、葉を煎じて飲むような使われ方をしています。(同上)




コミカンソウの花は、雄花が枝先のほうにつき、雌花は茎から中央あたりにつきます。花びらは6枚で、中央にうっすらと赤い筋が入ります。雄花のほうが白っぽく、雌花のほうがわずかに赤くなります。(同上)




果実と雌花です。雌花からは蜜が溢れ出ています。



午後のツユクサ

2020-09-26 17:58:47 | みんなの花図鑑

虫の複眼のように見えますが・・・
実際は 午後のツユクサの花です(下から見上げています)。




順を追ってみていきましょう。そう複雑ではないですよ (^_-)-☆
ツユクサは午後になるとシベをクルっと巻いて閉じだします。ツユクサのおしべは3種類ありますが、クルっと巻きだすのは 一番長い白い花糸のおしべと同じ長さの めしべ です。




黄色いおしべが見えますが、昆虫のエサになる雄しべなので 巻き取り動作はしません。




一番長いおしべと 同じ長さのめしべが 一緒になって巻き取られていくとき、自家受粉が起きます。




同時に 青い花弁がパラシュートが閉じるように丸まってきて 巻き取られて小さくなったおしべとめしべを包み込みます。
でも、花弁の外面は プラスティックのように つるつるです(←これが不思議)。




ツユクサは蜜腺をもたないそうで、蜜目当てで訪れる昆虫はいません。花粉で勝負です。黄色いタイプの一番短い雄しべは 訪虫昆虫の餌としてのみ存在してます。
色々考えて進化してきたのですが、やはり花粉目当ての昆虫による媒介だけでは 他家受粉率がよくありません。




そういうわけで、まず開く前の つぼみの段階で 自家受粉し、午後に閉じるときまた自家受粉するという入念な受粉作業をしているのです (^^♪

↓ これに関して すばらしい動画あります。

ツユクサの授粉のしかた