アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ハツユキソウ - トウダイグサ科

2021-07-31 18:12:11 | みんなの花図鑑

トウダイグサ科の花の季節になりました。
ハツユキソウはユーフォルビアの仲間で、杯状花序という独特の咲き方をしています。
黒い虫が来て 盃(さかずき)型の腺体の中の蜜を夢中で(かどうかは判りませんが)飲んでいます。




夏に茎の上部が分枝して、緑の葉が白い覆輪となり、雪が積もったように見えることからハツユキソウ(初雪草)と呼ばれています。
学名を Euphorbia marginata といい、ユーフォルビア属の植物です。
種小名の marginata は 「 辺縁ある, 縁取りの, 覆輪の」という意味で、やはり白い覆輪に由来しています。




ユーフォルビア属の杯状花序とは この緑色の花瓶のような杯(カップ)の中から おしべ、めしべなど花の器官が産出される花序を言います。先ほど虫が蜜を飲んでいた盃状の器官は 腺体といい、周囲の白いエプロンは 腺体の付属体と呼ばれてます。




上に伸びて頭に抹茶色の球体を載せているのがおしべです。
花序には 雄花と両性花があり、これは 雄花のようです。





先ほどの虫がカップリングしながら、それぞれ別の腺体の蜜を飲んでいます!
忙しい、忙しい (´∀`)

おはよー!フヨウ!

2021-07-31 08:02:25 | みんなの花図鑑

朝の散歩で、川沿いのフヨウを撮っていたら・・・




突然、ハナバチ?がカメラの前に!




シベの付け根のところに蜜があるようで・・・




しばし動こうとしない。




私は シベの観察がしたいのだが・・・




つまり、こういうことです。
アオイ科の多くの花シベは 独特の構造をしていて、おしべの花糸は合着して丸い円筒を作っています。
雌しべは、その雄しべ筒の中を貫通して筒を抜けたところで 柱頭を展開しています。
おしべとめしべは一体となっているように見えますけど、雌雄の性を失ってはいないのです。
だから、 おしべ筒(外側)とめしべ棒(内側)の境界がどこかにあるはずなのです。
上の画像では おしべ筒の終端は ささくれ立って見える部分です。










そうこうするうちに、ハチ君、マクロレンズの真正面に (´∀`)





別のところで、赤いフヨウの観察。




やはり、おしべ筒の終点が観察の主題。




比較的 おしべ筒の終点が明瞭です。





それにしても、雌しべの柱頭についた このたくさんの花粉!
先ほどのハチが運んだのでしょうか (^_-)-☆




ルリヤナギ - 琉球ヤナギ

2021-07-30 20:07:32 | みんなの花図鑑

ナス科ソラヌム属の ルリヤナギ です。




元の分布域は 南米(ブラジル南部、ボリビア、アルゼンチン北部、パラグアイ、ウルグアイ)の日当たりの良い池や沼のほとりなのですが・・・




別名に「リュウキュウヤナギ(琉球柳)」があります。
これは、江戸時代に日本へ渡来したときに、琉球を経て入って来たことに由来するといわれてます。




「花は花冠が5裂しており、花冠中央部が白くなり、しばしば星形の模様が入ります。」(ガーデニングの図鑑「ルリヤナギの育て方」)




「雄しべは5本、黄色い葯が目立ちます。」(同上)

シベだけ見ると、ワルナスビのシベそっくりです。

 


おはよー!ノアサガオ!

2021-07-30 09:17:02 | みんなの花図鑑

おはよー!ノアサガオ!
ようやく出会えたね。




<おはよー!>シリーズでこのアサガオを探して 自転車であちこち巡ったけど見つからず・・・




今朝(実際はきのう)も走り出したら突然の雨!
雨宿りするため一番近くのお宅の屋根付き駐車スペースへ飛び込んだら、その家の垣根にノアサガオが立派に咲いていた。




家の人は今年はまだ少ないと言っていたけど、雨滴がついて 願ってもない効果を出している。




家の人も出てきて、「沖縄のほうではこのアサガオばっかりなんですって?」




「あぁ、琉球アサガオ といってどうもそうらしいですね」
ピンクや白花のもあるらしいが、ノアサガオといったら やっぱりこの’オーシャンブルー’ だよね (^^ゞ




家の方が見ているので シベの観察ができませんでした。
もっと中を覗いてみたい人は こちら のほうが若干詳しいかな? (´∀`)


アカメガシワ - 雌株の雌花

2021-07-29 20:07:02 | みんなの花図鑑

トウダイグサ科のアカメガシワです。
アカメガシワは 雌雄異株で、この花は 雌株の雌花です。




赤い部分が雌しべの柱頭なのですが、オニグルミの柱頭などと同じで、とてもキレイで目を引きます。




紅い柱頭の下には 将来果実になる子房部分があるのですが、今は目立ちません。




同じ株の雌花ですが、受粉すると、柱頭が色あせ、下の子房が丸く膨らんできます。




これは別のところで撮った 雌花ですが、先の雌花とはだいぶ趣きが違います。
柱頭は赤いのですが、それほど赤くなく、子房は緑一色です。子房の表面にある毛が少ないです。




以下、 少しトリミングしてみましたので、とくとご覧ください。




 


メハジキ - シソ科

2021-07-29 09:18:29 | みんなの花図鑑

これは メハジキ の花ですが、ここだけ拡大すると、メハジキというより、シソ科の花(唇形花)ということのほうが 目立ってきます。
シソ科のメハジキは 2唇形の花弁をもちます。 上唇のまえに雄しべが4本出ています。




メハジキの名は「子供達がこの茎を切ってまぶたに挟んで目を開く遊びに使った事からきている」と... ネット上のどの記事にもありますが、 私自身はそんなことして遊んだ記憶もないし、 第一、 このごわごわした四角い茎を切って目に挟むなんてこと、どうしたらできるのか イメージが湧きません。




そう考えるのは私だけではないようで、 山渓名前図鑑(野草の名前)では「メハジキの茎には弾力が無く、上下まぶたのつっかい棒にはなるものの、飛ばすことができない。」と疑問を呈しているそうです(ビオ・荒川さいたま「メハジキ」より)。




さて、きょうは、果実の観察。




この刺々しい萼筒のなかに、果実が入っています。




果実は4分果なんですが、ほとんど黒一色に成熟してて仕切りがよくわかりません。




「メハジキの全草を乾燥した生薬を、ヤクモソウ(益母草)といいます。 「母の益になる薬草」という意味があり、中国では古くから婦人薬として利用されてきたもので、益母草は中国生まれの漢名です。」(マルシェ青空「メハジキ(ヤクモソウ)の種」)






イチビ、キリアサ、アブチロン

2021-07-28 21:00:00 | みんなの花図鑑

これはイチビという雑草の若い果実です。
インド原産の植物で、葉から繊維を取るために、平安時代中国経由で渡来していたといわれています。





アオイ科の植物で、こんな花を咲かせます。(2019-9月撮影)
gooブログの前身「みんなの花図鑑」では 「イチビ」はNGワードでした (ToT) 。
しかたがないから、別名の「キリアサ」を使ったものです。
学名を Abutilon avicennae といいます。
アオイ科イチビ属は Abutilon(アブチロン)だったのです。




アオイ科のアブチロン(イチビ属)といえば、こんなアブチロンもあります。
 花の名前: アブチロン・ヒブリドゥム
 撮影日: 2017/01/04
 撮影場所: 豊田市 鞍ヶ池植物園




ところで、「イチビ」の名前の由来は何でしょう?
これは アオイ科の花全般に言えることなのですが、花はおおむね一日花で夕方にはしぼんでしまいます。
その一日花から「1日=いちび」になったらしいという説があります。




果実は半球形で、11~16の分果が環状に並んでおり、熟すると縦に裂ける。(wiki「イチビ」)





腎臓型の種子は茶色で、毛が密生する。種の皮は硬いため20年近くにわたって発芽能力を保持する。(同上)




(1月の果実)
「そのため、一度地面に落ちると何十年にも亘って発芽し続ける(シードバンク)。」(同上)




アメリカノウゼンカズラ - 袋咲き?

2021-07-28 15:56:34 | みんなの花図鑑

よく見るアメリカノウゼンカズラですが、ちょっと変わった咲き方をしています。
えっ、どこ? どこ?




トランペットのホーンの先端を塞ぐミュートのように、花筒が袋(バルーン)になってますよね?




今は昔、このgooブログが「みんなの花図鑑」の時代、キキョウをアップしようとして花の名前一覧から 「キキョウ」を選択すると、必ず 「キキョウ(バルーンフラワー)」となりました。そうです、キキョウは花の時代を花弁を開かずに袋のまま終わる種類があるんですね。




もともとつぼみの時代には、花筒の先の花びらを丁寧にたたんで細長い風船のように膨らんでいます。
それが花弁が開いてもまだ 一枚の膜が口をふさいでいるのです。




さて、こちらは 口が開いたアメリカノウゼンカズラです。
花の奥にシベが見えます。




2つのへらを合わせたようなのが 雌しべの柱頭です。




その横に 1対のおしべが 向かい合ってアーチを作っています。
おしべは もう1対あり、それはもっと短いのでここでは写っていません。
(じつは、さらに 5番目のおしべ もあるのですが)





花は終わると 花弁とおしべが丸ごと スポッと抜け落ちます。
受粉した子房は マメ科の大豆のような豆をつくるそうですが、私はまだ実物を見ていません。

そういえば、アメリカノウゼンカズラの萼も色は 花弁と同じ色ですね。
ノウゼンカズラのほうは 別の緑色で 花弁との境目がはっきりしています。