アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

桜とゴンドラ - 新穂高にて

2020-10-31 17:43:11 | みんなの花図鑑
新穂高シリーズ、とりあえず「しらかば平駅」(標高 1308m)に降りてきて、ロープウェイの両側にある サクラ。(あとでまた上がっていきますけど)


桜って、こんなに肌が白かったかな?とも思いますが・・・まぁ、苔むしているんでしょうね (´v_v`)




見上げると、ゴンドラが下りてきます。




今年7月にリニューアルされたばかりのぴっかぴかの二階建てゴンドラ。
新穂高ロープウェイは、1970年(昭和45年)開業。今年でちょうど50年とのこと。




新しいゴンドラは オーストラリア製。員数制限をしていますのでゆったりしています。乗客はお年寄りが多いです。ダイヤは30分に一本ですが、この日は 間(あいだ)に臨時便を増発してこなしてました。
マスク姿は今年だけにしてほしいけど、新しい生活様式は確実に定着してしまったようです。日本人はおかしな創造論に浸かってないので進化論が事実だとすぐ分かるし、コロナ対策にマスクが有効と知ると即実行できるから、お利口さんですね (^_-)-☆




樹皮の模様から見て サクラ であることは間違いなさそうですね。
ところで、桜の寿命はどれくらいなのでしょうか?
ソメイヨシノの寿命60年説というのがあり、人工的に作られたソメイヨシノの樹齢は意外と短いようです。




ただ桜の寿命は 環境に大きく左右され、都会に近く 桜見物で人の足で踏まれたりすると寿命を短くするようです。
ここの桜は 空気もきれいで 季節もしっかり移り替わるので、きっと長生きするんでしょうね (^^♪


コケ - 新穂高にて

2020-10-31 08:23:17 | みんなの花図鑑

早く紅葉をお見せしたいのですが、まだ整理ができていません。
順不同で、ロープウェイの終点「西穂高口」駅周辺の植物を。
朽ちた木に生えていた コケ類です。




ロープウェイの終点は 穂高岳の中腹、標高2150mくらいのところにあり、登山道に通じています。
対面に見えるのが笠ヶ岳で・・・



笠ヶ岳登山再興の祖 ばんりゅうしょうにん の石像が立っています。



上人の解説。






この日は快晴で、360度 すべての山が頂上まで遠望できたのですが、西穂高口駅の周辺の原生林の間を縫う散策路(千石園地
)も、日陰はすでに雪が凍り付いています。




そんな朽ちた木に 生えていたコケです。

コマユミ - 新穂高にて

2020-10-30 20:00:01 | みんなの花図鑑
新穂高シリーズ、第2回は コマユミ です。


コマユミの果実は 線香花火の火の玉に似て 燃えるように真っ赤です。
ニシキギの実も「じりじりと震えている線香花火の火玉のような赤」(asitahuku.exblog.jp「ニシキギ(錦木)線香花火の火玉」)で、コマユミそっくりです。区別の仕方は のちほど。




場所は 新穂高ロープウェイの「しらかば平駅」階段下。
白樺の黄葉の下にあるのが 紅葉したコマユミです。




種子は2つがくっついて火の玉になっています。(奥の黒っぽい影は ロープウェイのゴンドラ)




ニシキギ科 、果皮は いくつに割れるか ↓ 例によって おさらいです(^_-)-☆
ニシキギとコマユミ・・・・2裂
ツルウメモドキ・・・・・・3裂、
マユミとマサキ・・・・・・4裂、
ツリバナとアメリカマユミ・5裂。

コマユミは2裂し、マユミは4裂します。形もだいぶ違います。




このくらい近くに寄ってみると 2つに割れているのが分かります。




バックは 白樺の黄葉。




コマユミとニシキギの果実は 線香花火の火の玉みたいでそっくりです。果皮が2つに割れるところも同じです。
どう区別するのでしょう?
答えは枝を見ます。枝に翼があれば ニシキギです。この木は翼が無いので コマユミです。



マユミ - 新穂高にて

2020-10-30 13:32:09 | みんなの花図鑑
突然ですが、新穂高に行ってきました\(^o^)/
そこで出会った秋の植物たちをしばらく紹介させてください。

最初の2回は ニシキギ科の木です。
トップバッターは マユミ。


場所は新穂高ロープウェイに向かうキャンプ場の入り口。





(クリックで 拡大表示)
この近くから 新雪を抱いた山が見えるようになります。
一番高い山は たぶんですが 笠ヶ岳かと思います。新穂高ロープウェイのゴンドラの車窓から正面に(対岸に)見える山です。




マユミは「日本と中国の林に自生する。秋に果実と種子、紅葉を楽しむ庭木として親しまれ、盆栽に仕立てられることもある。」(wiki 「マユミ」)




ピンクの種皮が4つに割れ、中から 真っ赤な仮種皮に包まれた種子が顔を出しています。




赤い仮種皮が、ニシキギ科の果実の特徴といえます。




カキ - 日本からヨーロッパへ

2020-10-30 09:19:11 | みんなの花図鑑
柿、2題。いずれも 観賞用の柿です。

ロウヤガキ(老鴉柿)

ロウヤガキは「日本へは第2次大戦中に持ち込まれたといわれ、庭木や盆栽に利用されている。」(三河植物観察「ロウヤガキ」)



ロウヤガキは中国からの輸入種ですが、そして一般に果物は 西からやってきていますが、一般的なカキだけは 日本からヨーロッパへ伝えられたと言われています。



カキは英語でも kaki、スペイン語でもcaqui(カキ)らしいです。
私もダマスカスにいたとき、イチジクは旧約聖書に出てくるように中東が原産だけれど、柿は日本からやって来たんだよ、とシリアの人から聞きました。(そう聞きながら 向こうのカキを食べた記憶があります(^^♪)




ちなみに、イチジクの原産地は アラビア南部、イチジクの別名は「南蛮柿」なんですって。(wiki「イチジク」)



昔取った写真ですが、花はドウダンツツジのような花といいます。




同じく昔の写真ですが、露地植えのロウヤガキの枝にはこんな棘がありました。





センナリガキ(千成柿)

ロウヤガキよりは大きめですが、やはり観賞用で食べられないそうです。



カキ一般の話のつづきですが、日本での栽培の歴史は古く、弥生時代にはすでに栽培されていた可能性があるようです。



「柿を観賞する」といっても、やはり 花ではなく実のほうです。こんなところも 日本人の感性が現われているようで、面白いと思いました (´∀`)

以上、昔の写真を除いて、いずれも、西尾市憩の農園での撮影でした。

フジバカマ - アサギマダラはいないけど

2020-10-29 19:59:25 | みんなの花図鑑
西尾市憩の農園にて。

秋の七草フジバカマ。フジバカマというと アサギマダラ なんですが、残念ながら 施設のフジバカマには アサギマダラは来てくれません。




「フジバカマは秋の七草の1つ。古い時代に中国からもたらされた帰化植物であると考えられている。」(植物雑学事典「フジバカマ」)
秋の七草が選定されたのは 万葉集の時代と言われてますから、帰化植物とは言え かなり古い時代から日本にもあったということでしょうね。




フジバカマもよく似たヒヨドリバナもキク科キク亜科ヒヨドリバナ属の植物です。
なぜ わざわざ「キク亜科」と分類を入れたかというと、キク科の中でも キク亜科の頭花は筒状花と舌状花で構成されていることが多いからです。(反対に、タンポポ亜科は舌状花の実で構成されていることが多い)
ところが、フジバカマは 「1つの頭花は5つの筒状花で構成される。 」(みんなの花図鑑「フジバカマ」)




5つの筒状花を包んでいるのは 約8㎜の「総苞」と呼ばれる葉の変化したものです。
それぞれの筒状花から伸びている白い糸のようなものは何でしょう?
「筒状花の先は5つに裂け、細くて白い2本の花柱(雌しべ)が飛び出している。」(同上)





花は受粉すると、痩果と呼ばれる長い冠毛に種子をつけた果実になり風に乗って散布されます。


ダイアンサス(ナデシコ)‐ 雄性先熟

2020-10-29 06:40:15 | みんなの花図鑑
西尾市憩の農園にて。

ダイアンサスとは 園芸品種のナデシコ のことと私は理解しています。ナデシコ属の学名が Dianthus(ダイアンサス)なのです。
停まっているのは ウリハムシ?





では 秋の七草に出てくるナデシコは?というと、あれは 「カワラナデシコ」のことなんだそうです。
園芸品種のほうのナデシコ(ダイアンサス)が 憩いの農園のあちこちに置いてあります。
よく見ると、シベの様態がいろいろあります。
上の花は 雄しべばかり目に付きます。




これも同様、おしべばかり伸びています。




これも同じです、おしべだけが伸びています。



これも同様おしべが目立ちますが、中心から 雌しべがちょっとだけ顔を出しています。




これは めしべにピントを合わせています。 雄しべのほとんどは 葯が取れて無くなっています。




めしべが2つに分かれて背が高く伸びています。




これも 横たわるおしべの中央に めしべが元気よく伸びています。




葯の脱落したおしべ(の残骸?)と 2つに割れためしべ。

これらをまとめると、おしべが先行して成熟し、花粉を出し終わってから、めしべが伸びてくるという順番があるようです。
雄性先熟といいます。



ノボタン - 蜘蛛の足?

2020-10-28 16:42:26 | みんなの花図鑑
西尾市憩の農園にて。

ノボタンと紫紺ノボタンとのちがいがよくわからないのですが、これはたぶんですが「コート・ダジュール」と呼ばれる品種ではないかと思われます。




ノボタンが目に留まるのは、そうです、このクモの足のようなシベが面白いからです。




クモの足のようなのは 雄しべ です。フックのように曲がっている部分が、おしべの 葯です。葯が大きく曲がっているのです。




そこに注目して、スパイダーフラワー(Spider Flower)の別名もあります (^^♪




花は果実を作るためのもの。受粉が終われば、不要になった 花弁と雄しべは 脱落します。



孔雀アスター ‐ 西尾市憩の農園

2020-10-28 07:39:38 | みんなの花図鑑
西尾市憩の農園にて。

ラベルには 「八重咲きクジャクソウ」とあるのですが、いわゆる「孔雀アスター」とか「宿根アスター」と呼ばれるものの八重咲き種という位置づけです。




孔雀アスターの名で総称される一群の園芸植物は、アスター・エリコイデスとキダチコンギクの園芸品種、および‘白孔雀’とユウゼンギクとの交配種などが中心になっています。(NHK趣味の園芸「宿根アスターの基本情報」)




キク科シオン属の花です。頭花は筒状花と周囲の舌状花から構成されています。




クジャクアスターは、友禅菊、白孔雀などの交配により生まれた園芸植物だそうです。







ランタナ - 侵略的外来生物

2020-10-27 20:13:27 | みんなの花図鑑

またの名を「七変化」といいます。一見多年草のように見えますが、一応 常緑の小低木で木本なんです。




ランタナ(Lantana、学名:Lantana camara)はクマツヅラ科の常緑小低木。(wiki「ランタナ」)




開花時期は5~11月までと、とても長いのが特徴です。




果実も見てみましょう、別の面が見えてきますよ(>_<)
可憐な花ですが、種子は有毒、繁殖力が旺盛で在来種と競合し駆逐していくので 「侵略的外来種ワースト100」とか、外来生物法で「要注意外来生物」に指定されています。




因みに100種の内、陸上植物としては、ランタナのほかには、イタドリ、クズ、チガヤなどが指定されています。
ところが、「日本生態学会が定めた”日本の侵略的外来種ワースト100”の維管束植物欄には、アレチウリ、イタチハギ、オオオナモミ、オオキンケイギク、オオブタクサ、カモガヤ、キショウブ、セイタカアワダチソウ、ハルジオン、ヒメジョオンなどが選定されているが、イタドリ、クズ、チガヤ、ランタナは全て入っていない」(多摩川の汽水域・注釈集「<参考26> 河川敷の春から初夏にかけての草木と花」)ということです。
不思議ですね。