ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

世界淡水魚水族館

2023-12-18 01:23:55 | 生活
世界淡水魚水族館とは、岐阜県にある淡水魚専門の水族館である。TOKYOで米国駐在ビザの更新と勤め先の中間管理職研修を終えた週の金曜の夜、筆者は名古屋に居た。その夜に出会った人々の影響で、筆者は翌朝の土曜には名鉄に乗り込んで岐阜へ向かったのだ。朝食は大都会名古屋駅前で牛丼でも食べようと思い、あえて“くれたけイン”の朝食を食べずに地下鉄に乗るも、土曜の朝の名古屋駅周辺の食堂はすべからく閉まっている。筆者は仕方なく三井ガーデンホテルへ行き、豪華ひつまぶし食べ放題朝食をパクついたのだった(2700円!)。隣の席のプチ富裕層熟年夫婦の世間話から、羽生結弦選手のスピード離婚のニュースを聞く。ガラス張りの高層階レストランからは広大な尾張国の平野と海が見えた。


この施設の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。



①名鉄に乗って岐阜へ
名鉄とは名古屋鉄道のことをいう。この特急に乗れば名古屋駅から名鉄岐阜駅までおおよそ20分で着いてしまうのだ。正直なところ筆者は勝手に岐阜県に対して漠然と“山奥、秘境、田舎”のイメージを持っていたが、少なくとも岐阜市からは名古屋都市圏が完全な通勤範囲のようだ。しかも勝手に岐阜県と愛知県の間には山々があるのだとばかり思っていたが、県境は木曽川周辺で、名鉄は岐阜駅まで見事なまでの平野を進んだ。名鉄は岐阜・名古屋間以外にも、犬山城方面や知多半島先など沿線は愛知県を網羅している。何でも私鉄の中で近鉄と東武鉄道に次いで3番目の沿線距離を持ち、歴史も古い鉄道なのだが、やはり名古屋の宿命で、上の二つの私鉄に比べるといたってマイナーな印象は否めない。



②世界淡水魚水族館へ向かう その1
筆者の最初の目的地は世界淡水魚水族館である。曇天模様の名鉄岐阜駅にたどり着き、当該施設までのアクセスを調べると、最寄り駅は“笠松”という駅で残念ながらまた戻らなくてはならないことが判明した。悔しいので駅に隣接する商業施設で特大の便を済ませてすっきりする。駅の構内には“岐阜の財布MURA”の看板があった。ちょうど財布を買い替えたいと思っていたので、同じく隣接するロフトなどを覗いてみるも、ポーターしかなくてがっかりする。そして笠松駅まで電車に乗りこんだ、



③世界淡水魚水族館へ向かう その2
笠松駅は寂しい。小さな駅前ロータリーに1台だけ止まっていたタクシーに乗り、“世界淡水魚水族館までお願いします”というと、中年運転手には“あぁ、アクアトットね”と返された。似非30代の大人の男が一人で向かうには恥ずかしいネーミングである。筆者が旅行で岐阜まで来たと言えば、運転手は『ここには競馬と飛騨牛以外はナーンもありませんよ、住むにはエェですけど』と滔々と岐阜をディスり始めて楽しかった。タクシーは笠松競馬場から木曽川の堤防通りを上っていき、15分ほどで世界淡水魚水族館に着いた。



④世界淡水魚水族館
“世界淡水魚水族館は昭和の堅苦しい重厚なコンクリート建物で、薄暗い館内にはあまり人がおらず、話好きな老人の学芸員が筆者について回りアレコレ説明する施設である”はずだったが、違った。それは現代的な建物で、子供連れのママたちで大変賑やかで、周囲に観覧車があったり大道芸人がショーをしていたりと、大したアミューズメント施設であった。しかし楽しい。清流長良川を上流から下流へと下るコンセプトで、生き物たちを素晴らしいレイアウトで紹介しながら、川に関する知識を与えてくれる。それを終えれば研究室のコンセプトでアマゾンの生き物、航海のイメージでアフリカの淡水魚たちとも出会える。実は筆者は池沼や河川が大好きで、そこに住む生き物もまた大好きなのだ。童やママたちがすぐに通り過ぎる水槽の前に立ち、不審者のようにじっくりと生き物たちとの会話を楽しんだ。



この辺りは完全な車社会のようだ。公共交通機関での世界淡水魚水族館へのアクセスは良くない。帰りはバスで安く帰れるかと期待するも便は多くない。仕方なくさっきのタクシー会社に電話をした。さっきと同じ運転手がやって来たなら淡水魚水族館の魅力を滔々と語ってやろうと待ち構えていたが、やってきたのはもっと年老いた運転手だった。笠松駅から岐阜へ向かう。小さなお土産屋“ふらっと笠松”で少しお金を落として帰ろうかと思ったが、岐阜行の特急の時間が迫っていたので足早に切符を購入する。だが、ふと変わった自販機が目に止まる。ボルシチやビーツなどの東欧料理の自販機だ。『笠松と東欧・・・?』何とも不思議な気持ちになったが、とにかく特急に乗るべく、筆者は改札をくぐった。2023年11月の岐阜である。

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