鍛高譚とはしそ焼酎である。日本酒は“SAKE(発音はサキ)”という呼称で、特に2020年代から北米に暮らす人々にいっそう普及し始めている(ように見える)、という内容は本ブログで再三述べてきた。焼酎もまた少しずつ目にするようになったが、2023年現在ではカリフォルニア州でも販売はアジア系スーパーに限られおり、白人やヒスパニックの人々にはあまり知られていない、もしくは受け入れられていないように見える。筆者はこのしそ焼酎をカリフォルニアで見つけた。実は学生時分以来飲んでいなかったので、懐かしさのあまり手に取った。2023年の11月、日本では池田大作さんがついにこの世を去ったという報道があり、アンタッチャブルなざわつきがある。
この焼酎の思い出は以下の通りだ、参考になればよいのだが。
①北米で鍛高譚を発見
筆者が鍛高譚を見つけたのはサンノゼ市の中華系スーパー、マリーナ・スーパーマーケットである。 “あ、鍛高譚だ”筆者は懐かしい気持ちになったと共に、駐在員系日本人が訪れることの少ないこの中華系スーパーで、鍛高譚が売られていることに驚きを感じたのだ(筆者の注意力不足かも知れないが、これまで日本スーパーでは見かけたことがなかった)。720ml瓶が30ドル弱と、かなり強気な価格設定である。安物買いを信条としている似非30代独身日本式サラリーマンだが、約20年ぶり(?!)の劇的な再会に感動し、ついつい手に取った。
②鍛高譚の思い出
それは筆者が大学生になったばかりの頃である。高校時代の友人C君が筆者の下宿(コスモビル)を訪ねてきたので、当時近くに住んでいたカミヤと3人で部屋で随分酔っぱらったのだ。そしてさらに酒を追加購入しようと近くのサークルKにくりだしたときに、C君が“あ、タンタカタンがある!”と騒ぎ出し、“タンタカタンは梅干し割が旨いのだ”と講釈を垂れ、タンタカタン一瓶と梅干一パックを購入した。C君はコップの中に梅干しをたくさん放り込み、割り箸でグチュグチュと梅干を下品に潰し、それにお湯とタンタカタンを注いで飲んでいた。その夜の記憶はそれ以外にない。翌日流しにグチュグチュになった梅干しが大量に残っていた不快な記憶がある。
③鍛高譚
調べてみると、実はこの酒は北海道の大雪山麓の村で、村おこしの一環で平成になってから開発された焼酎なのだそうだ。どうりでラベルのデザインには九州の男らしい焼酎瓶とは異なる、どことなく80年代シティ・ポップ(角松敏生風)な雰囲気がある。このラベルに描かれた鰈のような魚と大雪山と紫蘇は、その村の伝説がモチーフになっているそうだ。そして、この“タンタカ”とはアイヌ語で鰈のことなのだそうだ。そんな鍛高譚が海を越えて北米の中華系スーパーで売られるほどになっているのは、なんともロマンのある話である。
実はあのとき初めて飲んだ鍛高譚を、筆者は“旨い”と思えなかった。紫蘇の香りの良さを理解しなかったのだ。だが改めてサンノゼの下宿で飲んでみるとこれがたいへんに旨い。ほんのりとした紫蘇の香りが大変に心地よく、食事にとてもよく合う。お湯で割って暖かく、ロックでも飲みやすい。そのため割高なこの焼酎をちょいちょい購入していた。それは去年のことである。つい最近、日本で就労ビザ更新を終え、帰路の羽田空港内のコンビニで『鍛高譚ソーダ割』の缶を見つけたのでまたびっくりし、すぐに購入した。サンフランシスコ行の飛行機が離陸し、シートベルトのサインが消えるとほぼ同時にカバンから鍛高譚ソーダ割を取り出して、チーズ鱈をつまみに飲んだ。C君ありがとう。
この焼酎の思い出は以下の通りだ、参考になればよいのだが。
①北米で鍛高譚を発見
筆者が鍛高譚を見つけたのはサンノゼ市の中華系スーパー、マリーナ・スーパーマーケットである。 “あ、鍛高譚だ”筆者は懐かしい気持ちになったと共に、駐在員系日本人が訪れることの少ないこの中華系スーパーで、鍛高譚が売られていることに驚きを感じたのだ(筆者の注意力不足かも知れないが、これまで日本スーパーでは見かけたことがなかった)。720ml瓶が30ドル弱と、かなり強気な価格設定である。安物買いを信条としている似非30代独身日本式サラリーマンだが、約20年ぶり(?!)の劇的な再会に感動し、ついつい手に取った。
②鍛高譚の思い出
それは筆者が大学生になったばかりの頃である。高校時代の友人C君が筆者の下宿(コスモビル)を訪ねてきたので、当時近くに住んでいたカミヤと3人で部屋で随分酔っぱらったのだ。そしてさらに酒を追加購入しようと近くのサークルKにくりだしたときに、C君が“あ、タンタカタンがある!”と騒ぎ出し、“タンタカタンは梅干し割が旨いのだ”と講釈を垂れ、タンタカタン一瓶と梅干一パックを購入した。C君はコップの中に梅干しをたくさん放り込み、割り箸でグチュグチュと梅干を下品に潰し、それにお湯とタンタカタンを注いで飲んでいた。その夜の記憶はそれ以外にない。翌日流しにグチュグチュになった梅干しが大量に残っていた不快な記憶がある。
③鍛高譚
調べてみると、実はこの酒は北海道の大雪山麓の村で、村おこしの一環で平成になってから開発された焼酎なのだそうだ。どうりでラベルのデザインには九州の男らしい焼酎瓶とは異なる、どことなく80年代シティ・ポップ(角松敏生風)な雰囲気がある。このラベルに描かれた鰈のような魚と大雪山と紫蘇は、その村の伝説がモチーフになっているそうだ。そして、この“タンタカ”とはアイヌ語で鰈のことなのだそうだ。そんな鍛高譚が海を越えて北米の中華系スーパーで売られるほどになっているのは、なんともロマンのある話である。
実はあのとき初めて飲んだ鍛高譚を、筆者は“旨い”と思えなかった。紫蘇の香りの良さを理解しなかったのだ。だが改めてサンノゼの下宿で飲んでみるとこれがたいへんに旨い。ほんのりとした紫蘇の香りが大変に心地よく、食事にとてもよく合う。お湯で割って暖かく、ロックでも飲みやすい。そのため割高なこの焼酎をちょいちょい購入していた。それは去年のことである。つい最近、日本で就労ビザ更新を終え、帰路の羽田空港内のコンビニで『鍛高譚ソーダ割』の缶を見つけたのでまたびっくりし、すぐに購入した。サンフランシスコ行の飛行機が離陸し、シートベルトのサインが消えるとほぼ同時にカバンから鍛高譚ソーダ割を取り出して、チーズ鱈をつまみに飲んだ。C君ありがとう。