サン・ミゲルとは中部カリフォルニアにある小さな町である。サンフランシスコとロス・エンジェルスのちょうど中間地点に位置する。筆者がこの町に立ち寄ったのは、いつかのサン・ルイス・オビスポへの旅からの帰り道だ。これまでこの町について書かなかったことに大した理由はない。ただ忘れていただけのように思う。2021年も終わりを迎えようとしていて、筆者は長屋で静かにデンマーク人のスエンソンという人の江戸幕末滞在記を読んでおり、そのせいでソルバング市のデンマーク村のことを思い出した。そして実は逆にこの本を手に取ったのが、ソルベング市探訪がきっかけだったことを思い出し、ついにはサン・ミゲルのことをも思い出したのだ。そして今、これを書き出している。記憶をたどる行為は時にニンゲンを前進させる。
この町の思い出は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。
①ミゲル
“ミゲル” とは、天使ミカエルに由来する言葉で、スペインやポルトガルの言葉では男性名である。英語ではマイケル、ドイツ語ではミヒャエルとなる。ウィキペディアでミゲルを検索してみると、やはり南欧や南米の有名人が並ぶ。その中で千々和ミゲルという、安土時代のイエズス会の布教によって波乱に満ちた人生を送った日本人男が出てきて面白かった。またかつて『消臭力~♪』で日本中を賑わせた、美声少年ミゲル君の記事も載っている。いちおう現在も芸能活動中ということだ。
②サン・ミゲルに立ち寄ることを決める。
サン・ルイス・オビスポやソルバングで訪ねたミッション・カリフォルニアのカトリック教会をきっかけに、スペイン人によるカリフォルニア支配に興味を持った筆者は、安宿でスペイン風の名前の町を調べてみた。そこで見つけたのがサン・ミゲルで、そこにもやはり古いカトリック教会があった。しかもこの町は101号沿いにあるので、帰り路の寄り道にもってこいである。サン・ルイス・オビスポからは小一時間のドライブだ。
③サン・ミゲルに着く
サンミゲルにて101号北行きの出口を下りるとY字路になっている。Y字路の真ん中は荒地のような広場で、そこにはぽつんとレンガ作りの鐘楼が建っており、周りにはサボテン風の植物が生い茂っていて雰囲気がある。鐘楼からは古くて崩れかけた低い壁が伸びていて、Y字路の右へ行く道に沿って続いている。その道を行けばすぐにミッション・サン・ミゲルに着く。その低い壁がそのまま教会の外壁に続いているのだ。道路の右側(教会の反対側)には鉄道が走る。鉄道の向こうもまた、ただただ広い空き地やぶどう畑があるばかりで、遠く丘陵が見渡せ、住居が少なく人の気配がない。筆者は教会にへ入る前に、町の様子を見るべくしばらくこの1本道を走ってみることにした。
④サンミゲルの様子
サン・ミゲルは本当に小さな町のようだ。メインストリートを思しきこの1本道には店は数えるほどもなく、宿泊施設もまるで日本の貧民長屋のような、小さく粗末な小屋が並んだものしかない。“どこかにダウンタウンがあるだろう”と思ってずんずん進むも、この道はほどなく101線に再び合流することが判明したので引き返した。引き返す道なりにもすれ違う車はない。そして目的地のミッション・サン・ミゲルに入った。
⑤ミッション・サン・ミゲル
ミッション・サン・ミゲルの内部は10ドル程度の入場料で拝観することができる。今回の旅で巡った教会と基本的には同じ作りなのであまり詳細な記憶がないのだが、境内でうっすらと流れる賛美歌や町のさもしい雰囲気もあいまって、カトリックの妖艶な雰囲気がよりいっそう強く感じられる教会であった。そしてそれと対照的な南欧風の穏やかな植物や気温が心を落ちつかせる。聖堂にはいくつものオカルティックな偶像があり、特にミカエルの頭上にある“神の目”などは陰謀論ともつながりそうな気配があって面白い。
ニンゲンは教会などを真面目腐って拝観すると腹が減る。ということで通りにあるサン・ミゲル・マーケット&デリという、さみしい小さなスーパーへ入ってみた。するとそこは完全なヒスパニックスーパーであった。サン・ミゲルの住民構成が予想される。店内の一番奥にデリがあったのでブリトーを注文する。10分ほど店内で待てば、赤子の腕ほどの大きさのブリトーがやってきた。駐車場へ戻り車内で頬張る、それは美味い。2021年は地球があと2回転すれば終わるらしい。そうすると、2022年になるらしい。だが筆者は永遠に30代独身日本式サラリーマンだ。
この町の思い出は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。
①ミゲル
“ミゲル” とは、天使ミカエルに由来する言葉で、スペインやポルトガルの言葉では男性名である。英語ではマイケル、ドイツ語ではミヒャエルとなる。ウィキペディアでミゲルを検索してみると、やはり南欧や南米の有名人が並ぶ。その中で千々和ミゲルという、安土時代のイエズス会の布教によって波乱に満ちた人生を送った日本人男が出てきて面白かった。またかつて『消臭力~♪』で日本中を賑わせた、美声少年ミゲル君の記事も載っている。いちおう現在も芸能活動中ということだ。
②サン・ミゲルに立ち寄ることを決める。
サン・ルイス・オビスポやソルバングで訪ねたミッション・カリフォルニアのカトリック教会をきっかけに、スペイン人によるカリフォルニア支配に興味を持った筆者は、安宿でスペイン風の名前の町を調べてみた。そこで見つけたのがサン・ミゲルで、そこにもやはり古いカトリック教会があった。しかもこの町は101号沿いにあるので、帰り路の寄り道にもってこいである。サン・ルイス・オビスポからは小一時間のドライブだ。
③サン・ミゲルに着く
サンミゲルにて101号北行きの出口を下りるとY字路になっている。Y字路の真ん中は荒地のような広場で、そこにはぽつんとレンガ作りの鐘楼が建っており、周りにはサボテン風の植物が生い茂っていて雰囲気がある。鐘楼からは古くて崩れかけた低い壁が伸びていて、Y字路の右へ行く道に沿って続いている。その道を行けばすぐにミッション・サン・ミゲルに着く。その低い壁がそのまま教会の外壁に続いているのだ。道路の右側(教会の反対側)には鉄道が走る。鉄道の向こうもまた、ただただ広い空き地やぶどう畑があるばかりで、遠く丘陵が見渡せ、住居が少なく人の気配がない。筆者は教会にへ入る前に、町の様子を見るべくしばらくこの1本道を走ってみることにした。
④サンミゲルの様子
サン・ミゲルは本当に小さな町のようだ。メインストリートを思しきこの1本道には店は数えるほどもなく、宿泊施設もまるで日本の貧民長屋のような、小さく粗末な小屋が並んだものしかない。“どこかにダウンタウンがあるだろう”と思ってずんずん進むも、この道はほどなく101線に再び合流することが判明したので引き返した。引き返す道なりにもすれ違う車はない。そして目的地のミッション・サン・ミゲルに入った。
⑤ミッション・サン・ミゲル
ミッション・サン・ミゲルの内部は10ドル程度の入場料で拝観することができる。今回の旅で巡った教会と基本的には同じ作りなのであまり詳細な記憶がないのだが、境内でうっすらと流れる賛美歌や町のさもしい雰囲気もあいまって、カトリックの妖艶な雰囲気がよりいっそう強く感じられる教会であった。そしてそれと対照的な南欧風の穏やかな植物や気温が心を落ちつかせる。聖堂にはいくつものオカルティックな偶像があり、特にミカエルの頭上にある“神の目”などは陰謀論ともつながりそうな気配があって面白い。
ニンゲンは教会などを真面目腐って拝観すると腹が減る。ということで通りにあるサン・ミゲル・マーケット&デリという、さみしい小さなスーパーへ入ってみた。するとそこは完全なヒスパニックスーパーであった。サン・ミゲルの住民構成が予想される。店内の一番奥にデリがあったのでブリトーを注文する。10分ほど店内で待てば、赤子の腕ほどの大きさのブリトーがやってきた。駐車場へ戻り車内で頬張る、それは美味い。2021年は地球があと2回転すれば終わるらしい。そうすると、2022年になるらしい。だが筆者は永遠に30代独身日本式サラリーマンだ。