天理市とは奈良県中央部にある地方自治体の名称だ。引き続き30代独身日本式駐在サラリーマンの暇な一時帰国休暇中の探訪記になる。朝から愚かなグーグルマップで、今日は何をして暇を潰そうかと計画を練っていたところ、この日本最大の宗教都市を目にし、“一度様子を見てみるのも面白い”と思ったのだった。それに天理ラーメンにも興味があった。筆者は学生時分を関西で過ごしており、丁度その頃によく天理ラーメンが話題となっていた。天理までドライブしてラーメンを食べるというデートをしたという男女を見聞きし、車などと縁がない苦学生の筆者は何だか遠い世界の話を聞いているような気分であった記憶がある。
この地方自治体の体験記は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①アクセス
午前中は平城京跡を練り歩いていたので、天理市探索の出発点はJR奈良駅になった。JR桜井線に乗り込むと天理駅まで、田畑風景と共に京終・帯解・櫟本という初見では到底読めない名前の駅が続き、飛鳥平城時代から残る歴史の妙を感じさせる。そして天理駅に到着する。車内の斜め向かいに剛力彩芽をより人造人間18号に近づけたようなツンとした美少女がおり、彼女もまた天理駅で降りたので一緒に天理総本部へ参拝かと思いきや、駅前で貧相な風体の男と待ち合わせイチャイチャし始めたのでやや興ざめしたが、気を取り直して探訪を開始したのだ。
②天理駅前コフフン
天理駅前はそれまでの京終・帯解・櫟本といった無人駅のようにも見える寂しい駅とは異なり賑わっている。気鋭の建築デザイナーによって設計されたのであろう古墳をモチーフにした現代的デザインのすり鉢状の遊具やテナント建屋が建てられており“コフフン”との愛称で多くの子連れ家族に利用されている。駅前をこのように思い切って公園にしてしまう手法もあるものかと感心しつつ、天理教総本部へつながる商店街、天理本通りへと入った。
③天理本通り
平日の天理本通りは人通りが多くはなかったものの、総本部まで五百メートルほどはあろうこの商店街に空きテナントは少なく活気のある商店街だ。やはり商店の客層の多くは天理教の信者さんらしく、地方から参拝に来た信者さんのお土産品、呉服屋には天理教関連の黒装束や足袋、書店も天理教関連の書籍がぎっしりと並んでいる。また、天理スタミナラーメン店もあったので、ここでチャーシュー麺大盛をいただいた。商店街の裏には“詰所”と呼ばれる巨大な温泉宿のような瓦葺き屋根の施設があったが、おそらく遠方からの参拝者さんの宿泊所でなないかと推察される。腹が膨れたところで総本部へと向かう。
④天理教総本部
総本部の建物は黒い純和風建築で、「うぉ」と思うほど巨大であった。しかしいわゆる新興宗教っぽい目新しさや派手さが全くなく、修学旅行の学童が訪れていれば「どこかの高名な寺かな」と思うほど違和感がないような歴史を感じさせる質素な風格がある。境内のすぐ外にはタコ焼き屋などの的屋風の露店も数件並び、ビールも売られている。黒装束の係員の方が沢山いらっしゃり、床を雑巾がけしたり絶えず訪れる参拝者に声掛け・靴ベラの手渡しを行っている。信者以外の入場を禁ずる表示はなく、身元の確認などもされないようだったので筆者も信者さんに混じって礼拝所へ入ってみることにした。
⑤礼拝
失礼にならぬよう信者さんの立ち居振る舞いを真似ながら広大な畳の広間の後ろの方で正座し、様子を眺める。照明は少なく中は暗めだ。正面に神様の像や神棚のようなものがあろうかと見てみると大きな鏡のようなものがポツンと置かれるばかりでほぼがらんどうだ。そしてその向こう側にこちらと同じような広間があって拝む人が見える。左右にも同様の広間があり拝む人がある。つまり四方から中央に向かって拝む形式になっているのだ。それぞれの方角にも鏡とは違う何かがポツンと置かれているようであった。信者さんはそれぞれに「悪しきを払い、助け給え、天理王のみこと」と何度も歌いながら両手のひらをひらひらと動かしながら拝む。四方八方から老若男女の声でこのメロディが礼拝所の中に響き渡り、不思議に心地く、不信心な筆者でさえも心が洗われるようであった。そして興味本位で長居するのもよくないと思い、四方をぐるりするのは諦めて神殿を後にした。
どうやら天理の神様も神道の神様ということのようであったが、何せ天理の神様とは初対面であったし部外者であるため“すべての30代独身日本式サラリーマンに幸あれ、光あれ”と図々しく祈ることが躊躇われた。そこですぐ近くにある石上神宮へ立ち寄ることにした。天理教信者用の食堂らしき巨大な建物の脇を抜けて小さな丘を上ると神宮に着いたので、しっかりと諸氏らの幸せも願っておきました。こちらもなかなか味わい深いお宮様で、天理に立ち寄った際には是非足を運んでみてもらいたい。筆者は有意義な暇つぶしに満足し、部外者にも優しい天理教の皆さんに感謝しながら商店街で日本酒を買い求め、奈良健康ランドへと向かった。
この地方自治体の体験記は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①アクセス
午前中は平城京跡を練り歩いていたので、天理市探索の出発点はJR奈良駅になった。JR桜井線に乗り込むと天理駅まで、田畑風景と共に京終・帯解・櫟本という初見では到底読めない名前の駅が続き、飛鳥平城時代から残る歴史の妙を感じさせる。そして天理駅に到着する。車内の斜め向かいに剛力彩芽をより人造人間18号に近づけたようなツンとした美少女がおり、彼女もまた天理駅で降りたので一緒に天理総本部へ参拝かと思いきや、駅前で貧相な風体の男と待ち合わせイチャイチャし始めたのでやや興ざめしたが、気を取り直して探訪を開始したのだ。
②天理駅前コフフン
天理駅前はそれまでの京終・帯解・櫟本といった無人駅のようにも見える寂しい駅とは異なり賑わっている。気鋭の建築デザイナーによって設計されたのであろう古墳をモチーフにした現代的デザインのすり鉢状の遊具やテナント建屋が建てられており“コフフン”との愛称で多くの子連れ家族に利用されている。駅前をこのように思い切って公園にしてしまう手法もあるものかと感心しつつ、天理教総本部へつながる商店街、天理本通りへと入った。
③天理本通り
平日の天理本通りは人通りが多くはなかったものの、総本部まで五百メートルほどはあろうこの商店街に空きテナントは少なく活気のある商店街だ。やはり商店の客層の多くは天理教の信者さんらしく、地方から参拝に来た信者さんのお土産品、呉服屋には天理教関連の黒装束や足袋、書店も天理教関連の書籍がぎっしりと並んでいる。また、天理スタミナラーメン店もあったので、ここでチャーシュー麺大盛をいただいた。商店街の裏には“詰所”と呼ばれる巨大な温泉宿のような瓦葺き屋根の施設があったが、おそらく遠方からの参拝者さんの宿泊所でなないかと推察される。腹が膨れたところで総本部へと向かう。
④天理教総本部
総本部の建物は黒い純和風建築で、「うぉ」と思うほど巨大であった。しかしいわゆる新興宗教っぽい目新しさや派手さが全くなく、修学旅行の学童が訪れていれば「どこかの高名な寺かな」と思うほど違和感がないような歴史を感じさせる質素な風格がある。境内のすぐ外にはタコ焼き屋などの的屋風の露店も数件並び、ビールも売られている。黒装束の係員の方が沢山いらっしゃり、床を雑巾がけしたり絶えず訪れる参拝者に声掛け・靴ベラの手渡しを行っている。信者以外の入場を禁ずる表示はなく、身元の確認などもされないようだったので筆者も信者さんに混じって礼拝所へ入ってみることにした。
⑤礼拝
失礼にならぬよう信者さんの立ち居振る舞いを真似ながら広大な畳の広間の後ろの方で正座し、様子を眺める。照明は少なく中は暗めだ。正面に神様の像や神棚のようなものがあろうかと見てみると大きな鏡のようなものがポツンと置かれるばかりでほぼがらんどうだ。そしてその向こう側にこちらと同じような広間があって拝む人が見える。左右にも同様の広間があり拝む人がある。つまり四方から中央に向かって拝む形式になっているのだ。それぞれの方角にも鏡とは違う何かがポツンと置かれているようであった。信者さんはそれぞれに「悪しきを払い、助け給え、天理王のみこと」と何度も歌いながら両手のひらをひらひらと動かしながら拝む。四方八方から老若男女の声でこのメロディが礼拝所の中に響き渡り、不思議に心地く、不信心な筆者でさえも心が洗われるようであった。そして興味本位で長居するのもよくないと思い、四方をぐるりするのは諦めて神殿を後にした。
どうやら天理の神様も神道の神様ということのようであったが、何せ天理の神様とは初対面であったし部外者であるため“すべての30代独身日本式サラリーマンに幸あれ、光あれ”と図々しく祈ることが躊躇われた。そこですぐ近くにある石上神宮へ立ち寄ることにした。天理教信者用の食堂らしき巨大な建物の脇を抜けて小さな丘を上ると神宮に着いたので、しっかりと諸氏らの幸せも願っておきました。こちらもなかなか味わい深いお宮様で、天理に立ち寄った際には是非足を運んでみてもらいたい。筆者は有意義な暇つぶしに満足し、部外者にも優しい天理教の皆さんに感謝しながら商店街で日本酒を買い求め、奈良健康ランドへと向かった。