ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ニュー・パシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルトのフライ

2024-04-20 23:30:31 | 食材
ニュー・パシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルトのフライとは、フィリピン系のスーパーマーケットのパシフィック・スーパーのうち、新しい方のパシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルト(魚)のフライのことである。30代独身日本式サラリーマンはまだ揚げ物が好きだ。だが、宅で揚げ物料理をするほど暇ではない。故にニジヤ・スーパー・マーケットの総菜コーナーで、唐揚げや牡蠣フライ、鰺フライなどが置いてあるとついつい手を取ってしまうものだ。しかし揚げてから時間が経ったそれらの揚げ物はジメジメしていて、意識では覚悟しているくせに無意識のうちに期待している揚げ物との相違にやや落胆し、ときに自分を見失いそうになる。だから今日は、フィリピン系のスーパーマーケットのパシフィック・スーパーのうち、新しい方のパシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルト(魚)のフライを紹介しよう。


このフライの詳細は以下のとおりだ。サンコーにしてほしい。



①新しい方のパシフィック・スーパー
豆菓子やスナック菓子などで、最近再三紹介しているサウス・サンフランシスコ市のフィリピン系スーパー“パシフィック”には、“古い方”と“新しい方”があることが、このほど判明した。筆者の宅から近いエルカミ通り沿いの、昭和の水族館のような暗い建屋の方は古い方である。そこから何と車でたった5分の場所に“新しい方”があるのだ。売っているものに違いはないので、こんなに近くに二店舗構える意味が不明である。それでも新旧のパシフィックには臭いや雰囲気にかなり違いがあって、それだけでもいろいろ紹介できるのだが、ここでは多くを述べない。ただ“新しい方”には、買い物コーナーとは完全に分離されたシステムで、清算レジの隅っこに総菜コーナーがある。



②新しい方のパシフィック・スーパーの総菜コーナー
その総菜コーナーは、基本中華風だが、豚肉のアドボや鶏モツ煮込みなどと、普段は見ないフィリピン臭があるので、筆者には目新しくて嬉しい。トレイに並ぶ総菜を1品か2品選び、フライド・ライスか焼きそばか、はたまたビーフンと合わせて弁当方式で購入する方法と、単品を重さ当たりの単位で購入するシステムになっている。立派な肉料理がパウンド当たり10ドル前後で売られているのでかなり安いのは、おそらくは賞味期限が切れかけのものを使っているからに違いない。総菜カウンターの左隅には揚げ物コーナーがある。これも筆者の知るところの中華総菜コーナーでは見ないもので、そこにスメルトのフライがあったので、『おやおやおや・・・』と筆者は立ち止った。




③スメルト
北米で売られているスメルトとは、尾びれがやや黄色く、小指くらいの大きさの小魚で、少し調べたところ日本ではワカサギに類するようだ。この魚は北米のアジア系スーパーでは一般的で、鮮魚コーナーのトレイにいつも山積みにされている、筆者は幾度か購入し生姜醤油で煮たりしたことがあるが、魚自体の味が淡白で、そのうえ水っぽいので煮物としては美味とは言い難く、敬遠していた、だが新しい方のパシフィック・スーパーの総菜コーナーで『カラリ』と揚げられたスメルトにはポテンシャルを感じたので、パウンド17.99ドルとけっこうな値段にも関わらず購入に踏み切ったのであった。1パウンド頼むと大きな弁当箱大のプラ箱にいっぱいのスメルトのフライが入れられる。



④ニュー・パシフィック・スーパーの総菜コーナーで手に入るスメルトのフライ
これがなかなかどうして美味なので、筆者は2022年の12月以来のデストラーデ選手ばりのガッツポーズを一人長屋でキメたのだった。高温の油で水気を徹底的に抜かれた『サク!』感はスナック菓子のようで、水っぽい魚の味も引き締まってほんのりとシシャモ風の香りがする。しかもこいつは冷蔵庫で数日寝かせていてもサクサク感はなくならないのが嬉しい。おそらくは高温調理で体内の水分のほとんどを奪われてしまっているからだどう。重さ当たり単価が高いのもうなずける。ただやっぱい味が淡白過ぎるので、ゆかりふりかけをかけたり、マヨナーズをたっぷりつけたりすることで、酒の肴としての楽しみは倍増する。



今、頭木弘樹と言う人の『食べることと出すこと』という本を読んでいる。これは病気になってしまい、当たり前のものと思っていた食事と排泄が困難になったことから、それを見つめなおしたものだ。とても面白い。筆者は、せっかく外国にいるのだから、異文化の人の当たり前に触れながら、自分の当たり前を楽しく見つめて居たいと思っている。2024年は震度の大きな地震がアジアでも北米でも頻発していて、さらにはインドネシアではこのほど大きな火山の噴火があったようだ。人口技術に慢心するニンゲンたちにとっては自然の力には逆らえないことを再度認識する良い機会で、余計なことに腹を立てたり、些細なことで人に殺意を抱くことの無意味さを感じることができればよい・・と思うのだが、そうもいかないようだ。昨晩も憎たらしい出来事があったので、イライラしたのでスメルトのフライをドカ食いしたのだ。

岡山の辣豆瓣

2024-04-14 02:02:41 | 食材
岡山の辣豆瓣とは、台湾製の豆板醤商品である。“醤(ジャン)”、つまり麹と食塩を利用した発酵調味料は、東アジアの食生活に大きな影響を与えたが、その起源は東南アジアの貧しい土地で、雨期に獲れる川魚の保存を目的としたものだと、そのむかしYouTubeに落ちていたNHKのドキュメンタリーで見たことがある。一方で唐辛子が東アジアに広まったのは、大航海時代以降の15世紀と、比較的最近である。つまり豆板醤やコチュジャンなどの唐辛子が入っているジャンは、『けっこう新しいジャン!』とも言えよう。日本人が、日式醤(味噌)に唐辛子を混ぜる行為をしなかったのは、肉食文化が薄かったからだろうか。などというジャンダンギ(醤談義)はここまでにし、ここでは岡山の豆板醤を紹介する。2024年の4月の初旬は台湾でけっこうな地震起こり、北米でもマグニチュード4前後の地震が連発し、そして楽しんごさんが入籍した。


この豆板醤の特長は以下のとおりだ。参考にしもらいたい。



①中華系スーパーで楽しい醤めぐり
今更だが、北米の中華系スーパーの調味料コーナーは魅惑的である。特に東アジア諸国に国力が付いてきた昨今は、富裕層を対象にしたこだわりを見せる商品が増え、(円安の影響もあるのだろうが)時には日本の商品より高級なものまで見るようになったので、興味深い。醤もまた様々な商品が並ぶ。とはいえ調味料は買う勇気はなかなか持てないものだ。何故ならそれは、あらゆる食材の中でもアイデンテティに触れる非常にナショナルなものであるからだ。未知の調味料には遺伝的な忌避感がある。加えてたいていの調味料はそれなりに量があるので、遊び半分には手が出せない。なので調味料コーナーは、その魅惑とは裏腹に、基本的には素通りなのだ。



②岡山の辣豆瓣
ただし岡山の辣豆瓣は違った。市民の購買意欲を煽る鳳凰だの竜だのが描かれた大げさなデザインの瓶詰が並ぶ醤コーナーで、岡山の辣豆瓣はまるで薬局で与えらる飲み薬のような無味乾燥なシンプルさがあり、逆に目を奪われる。その安っぽいプラスチック容器に貼られた白いラベルには文字のみが並び、唯一の絵柄デザインは“岡”と“山”の間の印鑑風の屋号で、事務的な雰囲気が漂う。その屋号やラベルの内容をよく見ると、“岡山”は商品名、ブランド名のようなもので、製造会社は聯合食品工業という会社のようだ。さて、実はこの岡山ブランドにはいくつかの種類があり、辣豆瓣は“唐辛子入りの豆板醤”である、つまり『新しいジャン!』というわけだ。別に唐辛子の入っていない“豆瓣醤”という商品もある。



③使い方と味
似非30代独身日本式サラリーマンは、モツ肉に練り込むつけダレとして利用したり、鍋物に二さじほど入れたりして楽しむ。ソラマメのコクが濃厚で、上品な甘辛さが食欲をそそる。この辣豆瓣にはニンニクが入っていないので、食後の胃もたれ感がないのも魅力である。



さて、『岡山って何なのだろう』と思って調べてみると、それは台湾高尾市の岡山区のことであった。ガンシャンと発音する。ここは豆板醤が特産品なのだと言う。大日本帝国統治下の1920年に、付近の“大崗山、小崗山”という名の山から、岡山(おかやま)と言う名の日本軍の飛行場が設置されたことが、地区の名の由来のようだ。また、豆板醤が名産である理由は“たびこじれ”というサイトにヒントがあった。たびこじれさんの記事によればこの岡山地区の豆板醤は、1949年に政府とともに来台した四川の人たちによって持ち込まられたものだという。蒋介石は台湾へ移る前に、共産党との闘いに敗れて南京から四川省の重慶へ遷都し、その後成都から飛行機で台湾へ亡命している。そのときのメンバーによってもたらされたのが今の岡山の豆板醤の由来という訳だ。“食に歴史あり”である。永遠の少年楽しんごさんは、7日連続でサイゼリヤでの食事を投稿した。

オードゥールズ・ビール

2024-04-07 06:08:29 | 生活
オードゥールズ・ビールとは、北米で比較的簡単に手に入るノン・アルコール・ビールである。基本的には筆者の生活はノン・アルコール・ビールを必要としていないのだが、業務が重なったり、締め切り直前に提出物の手直しが必要になったりして、夕食の後にも頭を使って仕事をすることが、年に数度ある。そんなときの晩酌を、このオードゥールズ・ビールで凌いだりするのだ。実はこのオードゥールズ・ビールとはずいぶんむかしに出会っていた。その際にもこのブログで紹介しようと思ったのだけれど、すっかり忘れていた。そして最近またもや忙しくなり、久しぶりにオードゥールズ・ビールを必要としたのだ。北米ではMBLが開幕し、一般女性さんとの結婚やイッペイ通訳さんの横領違法ギャンブル問題などで世間を賑わせた翔ちゃんが、昨日早くも二本目のホームランを打ったそうだ。


このノン・アルコール・ビールの詳細は以下のとおりだ。参考にしてほしい。



①北米のノンアルコール事情
北米の酒屋でノン・アルコールビールを見かけることが少ないのは、必要とする人が多くないからであろう。北米に暮らす人は、コーラやスプライトを飲みながら食事を楽しむことができるユーモアのある人で溢れているし、アルコールを絶つ必要を感じる不幸な人が少ない、もしくはその決断の前にアル中になってしまう冗談の分る人が多いためだろうか。酒屋で見かけるノン・アルコール・ビールはたいていこのオードゥールズ・ビールのみだ。それでもインターネットで検索してみると、“バドワイザー・ゼロ”や“ブルー・ムーン・ゼロ”などの商品が出てくるので、どうやら需要はあるようだ。よく考えると“酒屋”へ“ノン・アルコール飲料”を買いに行くという行為も何だかおかしなところがあるので、そもそも酒屋ではない場所(薬局?)で売られているものなのかも知れない。



②オードゥールズ・ビールとの出会い
オードゥールズ・ビールとの出会いは、筆者がノン・アルコール・ビールを必要としていないときだった。酒屋で缶ビールを“ラベル買い”(その昔“ジャケ買い”という言葉があった時代へのオマージュである)して遊んでいた時に、その缶のデザインから『こいつは美味いビイルに違いないぞ』と思い購入したらば、ノン・アルコールだったのだ。高級感がある深緑色の缶に白地に抜かれた商品名は安定を感じる。大麦の穂と赤いAの文字をバックに勇ましく飛翔するイーグルのロゴは勇壮で男らしい。とてもノン・アルコール商品とは思えない気品ある姿なので、子供などがホンモノのビールと間違えて飲まない可能性すら感じる。



③オードゥールズ・ビール
オードゥールズ・ビールは、これがなかなかどうして味もよいから嬉しい。ビールのコクとドライのバランスがよく、所謂日本の“第三のビール”などよりも旨いかも知れない。いつものつまみと一緒に飲めば普通に楽しい一人の夕食になる。



実はこのオードゥールズ・ビールは、体積あたり0.5%未満であるがアルコールを含んでいる。つまり正確には“ノン”ではなく“ロー”アルコール・ビールと呼ぶべきだ。むかし日本で、『仕事中にノン・アルコール・ビールやノン・アルコール・チューハイを飲むことは慎むべきか』という議論を会社内で挙げたことがある。日本にはアルコール0.00%のノンアルコール飲料が発売されており、これを仕事中に飲むことは、法律上も医学上も問題はないはずである。しかし『コップに注いだりしていると、周りの人が見てアルコールを飲んでいるように見えることが“風紀上”良くない』という意見があったので、『では水筒に入れて見えなければよいのか』と尋ねると、困ったような顔をして、『ノンアルコール飲料を飲むということは、本当は“アルコールを飲みたい”という本来勤務中に持つべきでない欲求を抱えていることの証左であるから、不道徳である。ゆえに慎むべきである』という回答に変わった。ややこじつけ感があるが、納得をしてしまった。“飲むこと”ではなく“飲みたいと思うこと”が罪なのである。酒類メーカーは、勤務中に飲んでも不道徳でないノン・アルコール飲料を、直ちに真剣に開発すべきである。あぁ酒が飲みたい。