ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

WE SAKE

2023-02-25 21:19:24 | 食材
WE SAKEとは北米で売られている日本酒の商品名である。40代実業家の中田英寿さんの努力の甲斐もあってか、北米は富裕層を中心に日本酒ブームと言ってもいい。どうやら日本の酒造会社も積極的な海外展開を仕掛けているらしく、長期出張中の田舎都市でも富裕層向けの酒屋では、珍しい地酒が置かれていて驚くことがある。輸送費もあるからかなりの割高ではあるものの、置かれているということは買う人がいる(と考えれれている)ということだ。それに日本酒をもっとポップにしようとする試みなのか、日本アニメの絵柄のワンカップ酒なども見かけたりと、酒屋の日本酒コーナーは筆者が酒屋を訪ねる際の大きな楽しみになっている。そこで見つけたのが今回のWE SAKEなのだ。

この酒の特長は以下の通りだ、参考にしてもらいたい。


①缶
まず最初の特長はアルミ缶仕様である点だ。だがそれはワンカップ酒のような30代独身日本式サラリーマン向け容姿とは大きく異なるお洒落仕様だ。250ミリリットルロングコーヒー缶サイズのシンプルな白地のラベルには、赤・青・黄の三色を使った海からの日の出をイメージしたようなロゴがあり、それはカラーフィールド・ペインティングの作品のようなモダンさがある。裏面には、『Made for those who don’t need an excuse to drink sake』とのメッセージ、おそらく『気楽に酒を楽しみたい人のために・・・』といった意味合いだろう。精米歩合は純米吟醸に相当し、“KOSHER グルテンフリー、ヴィーガンフレンドリー”、とのメッセージもあって、いかにも意識高の高い現代富裕層向けなスタイルは、『買うのやめようかな』と思わせるほどであった。ちなみにアルコール度数は13%である。


②KOSHERとは
さて、KOSHERについてである。KOSHERとはユダヤ教徒の人々の、厳しい食事に関する規則を満たす食品であるという意味だ。米国高級スーパーなどでは、“ASIAN”や“HISPANIC”と同様なカテゴリーで“KOSHER”というコーナーがあって、主には加工食材が置かれている。少し調べてみれば、ユダヤ教徒の人々は経典にある規則により、哺乳類は蹄の種類、魚介類は鱗などによって、さらには製造過程やパッケージの種類によっても食べてよいものイカンものがあるそうだ。筆者の肌感覚としては、日本食はコーシャーに見合うようで、寿司類は人気が高い。ちなみに“コーシャジャパン”というコーシャフード会社という日本食をコーシャ社会に広げようとしている会社がある。


③味など
缶にはプロデュースとパックはオレゴン州のWESAKE社によってされているとの記載があるが、ウェブサイトを訪ねてみると神戸の灘にある提携先の酒蔵で醸造されているとある。樽毎輸入してオレゴンで缶に詰めているということだろうか。これがすっきりとした雑味のなく、フルーティーさもしつこくない良いお味で、すっかり気に入ってしまった。


WESAKEはネット販売で入手可能ということだったので、さっそく “でぶのロニー” や“キャシンちゃん”と言った日本酒好きの数少ない知り合いに紹介してみた。だが返信はまだない。日本では回転寿司店で不潔ないたずらをする子供らの動画が次々と拡散され、回転寿司屋や回転寿司を愛する人の怒りを買っている。今回の件はたまたま回転寿司に特化された事象だが、衣食住のほぼ全てを他人に任せているこの社会では、ニンゲンに『これは安全だ』『これは清潔だ』と逐一確認する手法はなく、ただただ毎日そう思い込んで生きているだけだ。と改めて思わされる事件だった。

ランドロマット

2023-02-05 22:12:09 | 生活
ランドロマットとは、米国で衣類等を有料で洗濯及び乾燥することができる施設のことである。日本で言うところのコインランドリーだ。米国にはいたるところにこのランドロマットがあるので、宅に洗濯機を持たない家庭が多いことが想像される。とはいえベイエリア日本式駐在員の住むアパートメントは高級なので、洗濯機・乾燥機が備え付けられていたり、アパート内に共同洗濯所が設られている場合が多く、米国式公衆コインランドリーとは縁がない生活を送っている。今回筆者は長期出張のために日々の洗濯にランドロマットの使用を余儀なくされたので、その事情をここに記録しようというのが今回の趣旨である。日本では成田悠輔さんという30代所帯持ちイェール大准教授がマスコミで引っ張りだこのようだ。イエール大学は出張先の近くにあるのだが、あの忙しさならなかなかばったり会うこともなさそうである。


この施設の特長は以下の通りだ、参考にしてもらいたい。



①ランドロマット
ウィキペディアさんによればこのランドロマットとは、もともとはピッツバーグの家電会社が開発した洗濯機の商品名であり、それがいつしかコインランドリーの名称になったものだという。洗濯機の名前が洗濯場の名前になるほどなので、よっぽど売れた商品なのだろう。“あ! そろそろランドロマットしに行かなくちゃ!”などという表現が生まれていたに違いない。筆者はグーグルマップで“ランドロマット”というワードを初めて目にしたときには、てっきりベットマットを洗ってくれる専門業者のことを指すのだと勘違いしたものだ。



②米国市民の洗濯事情
しかし試しにグーグルマップでLaundromatを検索してみると、高級住宅街と思しき場所にもしっかりとランドロマットは存在することがわかる。米国では洗濯機を持たない家庭は本当に多いのだ。米国市民が洗濯機を所有しない理由を調べてみると、①借家のオーナーにとっては洗濯機の修理など手間や、②故障による近隣(階下)への水被害の訴訟を嫌うとある。さらに③スペースの問題、③家を替えることが多いため、④ランドロマットの方が楽、などが挙げられていた。①や②に関しては、アメリカの洗濯機がかつてたいへん壊れやすかったことが想像される。④に関しては、アメリカ人は毎日洗濯せずにため込んで一気に洗濯するのが一般的なのだと想像できる。また、現在のランドロマットは洗濯物を持ち込むと洗濯・乾燥・折り畳みなど全て代行してもらえるシステムもあって、ホテルやレストランで出てくる洗濯物を一括で請け負う役目も担っているようだ。



③やっぱり高級住宅地のランドロマットの方が良い
筆者はハートフォード地区の複数個所でランドロマットに行ってみたが、やはり高級住宅地とされている場所のものが良い。貧民・平民地区のランドロマットはクレジットカードが使えないマシンが多くて不便である。両替機も20ドル札しか受け付けず、そのうえ全て25セントに替えてくる不届きなマシンがあってイライラが募る。『カードが使えます』と謡っていても実際はプリペイドカード購入システムで、カード発行代がかかることが多くて出張仮暮らしの30代独身日本式サラリーマンには不向きである。何よりストレスなのが、貧民・平民地区のランドロマットは、壊れてた機械が放置されている場合があることだ。『お!空いてる』と思って洗濯物を放り込んだ後に動かないことが分かってイライラが急上昇するのだ。そしてあまり言いたくないが、客層の雰囲気もやはり違う。



④朝駆けがよい。
ランドロマットの洗濯機と乾燥機には大中小のサイズがあって、洗濯物の量によって適切なマシンを洗濯、じゃなかった選択する。値段は洗濯機で小が2~3ドル、中が5~7ドル、大が10~ドル程度、どれも洗濯時間は30~40分程度になる。乾燥機は約30分の運転で、小が1ドル、中が1.5ドル、大が2ドル程度と洗濯機よりは安くなる。一つの機械で稼げる金額が大したことないため、経営者としては相当な回転数がないと採算がとれそうにないことが分かってもらえるだろう。実際休日の昼時や夕方のランドロマットは客とその子供などでごった替えしている場合が多く、空いているマシンを探すのにストレスだ。なので休日の開店直後に行くのがベストである。




高給住宅街の朝の開店直後のランドロマットには平和な空気が流れ、客同士や店員にも顔見知りが多いようで、明るい会話が弾んでいる。何でもかんでもインターネットとドライブ・スルーで出来てしまう世界で、ランドロマットにはまだヒトとヒトが顔を合わせるコミュニケーションが残っているように見えた。昭和の風呂屋みたいな雰囲気がある。『1か月分はあるとでは!?』と思えるほどの大量の洗濯物を、黒人母子が仲良くたたんでいる様子も微笑ましいし、ベンチに腰を据えて洗濯物の出来上がりを待ちながら本を読む老婆も可愛らしい。とてもマス・シューティングで見ず知らずの人が毎日銃殺されている社会とは思えない。成田悠輔さん、イェール大の近くのランドロマットで洗濯してないかな。